「日本/東アジア映像研究センター」設立記念シンポジウム開催レポート
11月20日(金)に「日本/東アジア映像研究センター」設立記念シンポジウムが、東京紀尾井町キャンパスにたくさんのお客様をお迎えして開催されました。
篠田センター名誉所長メイン会場であるホールでは、第一部『スパイ・ゾルゲ』(篠田正浩監督)の上映後、第二部では著書『河原者ノススメ—死穢と修羅の記憶』を上梓したばかりの名誉所長、篠田正浩監督が登壇し、アジアを西洋と東洋、どちらの視点から捉えるか、といった問いかけから「日本/東アジア映像研究センター」設立の意義が語られました。続いて成瀬活雄所長(メディア学部教授)より、映像文化の研究の拠点、そして映像作品の制作拠点としてのセンターの今後の活動方針が明らかにされました。
第三部では、初の顔合わせとなる篠田正浩監督と佐藤忠男氏の対談を中心に、成瀬活雄所長と村川英研究員(メディア学部教授)が司会進行をつとめ、「日本・東アジア映画の現状と展望」について映画『スパイ・ゾルゲ』を一つのテクストとして、アジアと映画についての考察が繰り広げられました。
『スパイ・ゾルゲ』対談「ゾルゲ事件」は少年時代の篠田監督にとって、同郷人、尾崎秀実の起こした衝撃的な事件として、忘れえぬ出来事であったそうです。
その思いがこめられた『スパイ・ゾルゲ』は、上海でロケーションが行われましたが、そこでの描写には、ゾルゲと尾崎の出会いの場となった1930年代の上海という、当時のコスモポリタン的なアジアの都市についての篠田監督の深い洞察に裏打ちされていることが伺えました。
『スパイ・ゾルゲ』は、中国を代表する映画監督、田荘荘のたっての希望で、城西国際大学の姉妹・提携校でもある北京電影学院でも上映されたそうです。
さらに、亀井文夫監督のドキュメンタリー映画『戦ふ兵隊』をとりあげ、戦前に、治安維持法違反容疑で逮捕・投獄された唯一の映画監督だった亀井監督のエピソードを通して、戦争と映画の関係について改めて問いかけるなど、日本の映画史にとっても貴重な論議がかわされました。
『ドン・ロドリゴの来た道』の上映また、プレゼンテーションルームでは、「日本/東アジア映像研究センター」の第一回制作作品である『ドン・ロドリゴの来た道』(竹藤佳世監督)が展示上映されるなど、動き始めたセンターの活動を、感じていただけるシンポジウムになったのではないかと思います。
ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。
今後とも、研究・制作活動を活発にしていくべく、尽力していきたいと思いますので、どうぞご支援の程、宜しくお願いします。
「日本/東アジア映像研究センター」研究員一同
2009.11.25


