九十九里浜の網主画家 斎藤巻石

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斎藤巻石けんせき(1798~1874)は、四天木してんぎ村(現大網白里市四天木)の大地主であり、九十九里浜を代表する網主です。十二代四郎右衛門を継いだ巻石は、いわしの地引網漁の繁栄で蓄えた豊かな財力をもとに、書画を収集し、海を見渡せる風光明媚な別邸「大洋庵」に文人墨客を迎えて交わりました。交流のあった文人には、漢詩人の梁川星巌やながわせいがんや画家の椿椿山つばきちんざん、福田半香はんこうらがいます。そして巻石は自らも筆をとり、はじめ南乙なんおつ、次に粼斎りんさい、続いて拳石けんせき、巻石と号し、おもに伝統的な南画山水を手がけました。自己の楽しみのために描いた作品は高く評価され、巻石の名は生前より画家番付に載り、大正期には松林桂月けいげつや石井林響りんきょうにより美術雑誌で紹介されましたが、その後歴史に埋もれてしまいました。
このたびの展覧会では、初期から最晩年までの作品を年代順に展示し、巻石の画業をたどります。涅槃ねはん図の大作をはじめ、歴史画など初公開を含む作品の数々をお楽しみください。

《仁徳天皇望炊煙図》

《仁徳天皇望炊煙図》
弘化3年(1846)、個人蔵

関連イベント

●講演会
11月30日[土] 13:30~15:00
「九十九里浜の大網主と網主画家・巻石」
古山豊氏(大網白里市文化財審議会会長)
プレゼンテーションホールにて
要予約(Tel.0475-53-2562)/ 聴講無料

●ギャラリートーク(学芸員による展示解説)
11月21日[木]、12月5日[木]13:30~
予約不要


図録好評発売中

タイトル図版:
《玉香清麗図》部分、嘉永元年(1848)、大網白里市図書室蔵

《荷亭銷夏図》

《荷亭銷夏図》
大網白里市図書室蔵

ご利用案内

開館時間:10:00~16:00
休館日:日曜日、月曜日、祝日
入館料:一般300円、高校生以下無料

交通案内
●JR外房線大網駅またはJR総武本線成東駅乗り換えでJR東金線求名(ぐみょう)駅下車、徒歩5分
●車では、京葉道路・館山自動車道の千葉東ジャンクションより千葉東金道路に入り、東金インター下車、国道126号線を成東方面へ約20分、信号「城西国際大前」右折
●JR東京駅、JR横浜駅、JR西船橋駅、JR木更津駅、JR千葉駅、JR蘇我駅、JR大網駅、JR成東駅、JR東金駅、京成成田駅よりシャトルバス運行
詳細はこちらから

チラシ

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問い合わせ:城西国際大学水田美術館 〒283-8555 千葉県東金市求名1番地
      Tel.0475-53-2562 https://www.jiu.ac.jp/museum

Web制作:メディア学部クロスメディアコース3年 石澤歩