2002.9.25(水)〜10.19(土)
江戸の貞女・賢女・女傑
−仁科又亮氏寄贈「古今名婦伝」を中心に−

城西国際大学は昨年、開学10周年を迎え、水田美術館を開館しました。これを記念して、古くから水田コレクションと関わりのある仁科又亮先生(東京工芸大学教授)より、本学にゆかりのある貴重な浮世絵版画をご寄贈いただきました。このたびの展覧会では、それらに、仁科先生のご所蔵にかかる幕末から大正期までの作品を合わせ、三部構成で紹介いたします。

メインテーマ「古今名婦伝」
静御前、中万字の玉菊、板額女など、忠孝貞節において、また才媛、女傑などとして江戸の庶民に人気のあった女性を描いた三代歌川豊国の美人画シリーズ。二代柳亭種彦らにより様々な“逸話”が添えられています。本シリーズからは、当時求められていた「理想の女性像」や「話題の女性」などが見出せ、本学の柱でもある「女性学」の観点からも非常に興味深い史料です。

「房総の風物」
日本全国の特産物を紹介するシリーズ「大日本物産図会」、名所絵シリーズ「諸国名所百景」などより房総に取材した作品を集め、幕末から明治の房総を偲びます。

「能楽百番」
版元大黒屋平吉と明治大正期に活躍した能画の名手・月岡耕漁による、全100点からなる珍しいシリーズ。浮世絵といえば歌舞伎役者絵が主流の中、能楽「融」「二人静」「敦盛」などの舞台風景に取材しています。水彩画のような表情を持ち、上質な紙、絵具、金銀泥をも使用した、贅をつくした優美な作品です。


仁科 又亮(にしな ゆうすけ)プロフィール
東京工芸大学教授
略歴:
昭和9年(1934)東京に生まれる。
昭和33年、法政大学文学部卒業。
総理府勤務の後、昭和44年千葉県教育委員会に入り、安芸博物館館長に就任。菱川師宣記念館創設に尽力し、昭和60年同館初代館長となる。昭和63年より東京工芸大学教授、現在にいたる。
美術史学会会員。日本浮世絵協会会員。美術評論家連盟会員。田中本家博物館顧問。

編著・論文:
『江戸美術考現学―浮世絵の光と影―』画文堂、1988
『肉筆浮世絵美人画展』図録(編著)、富士美術館、1983
『水田コレクション図録』(編著)、城西大学水田美術館、1986
『万祝 黒潮が育てた漁民芸術の華 長塚誠志 写真』(監修)、岩崎美術社、1992
「表紙解説」(『水田美術館だより』2〜7号)、1993〜2001

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