2006.5.9(火)〜6.3(土)
江戸土産としての浮世絵展
−広重《名所江戸百景》を中心に−

江戸の地で生まれた浮世絵版画は、錦のように色美しいことから「吾妻錦絵〈あづまにしきえ〉」と呼ばれました。版元や浮世絵師たちは、歌舞伎の人気役者や美人、名所などを題材に、江戸の繁栄ぶりを生き生きと描いた錦絵を版行しました。こうした錦絵は、江戸を往来する諸国の旅人にとって、自らの思い出の品となり、あるいは郷里の人々に江戸の最新情報を伝える、帰郷の際の格好の土産物となったのです。

この度の展覧会では、幕末から明治にかけて、房総で酒造業を営む相撲好きの主人が、相撲観戦のために上京しては買い求めた、まさに「江戸土産としての浮世絵」を初公開するものです。このコレクションには、相撲絵はもちろん、役者絵、武者絵もみられますが、大多数を占めているのは風景画です。これらは江戸時代後期の、旅の流行にともなう風景画人気を反映しているとも受け取れ、美術的に優れているだけでなく、コレクションの成立過程においても興味深い作品群といえるでしょう。

代々名主をつとめた旧家の秘蔵浮世絵コレクションから、江戸の名所を斬新な構図で表現した歌川広重の名作《名所江戸百景》などの風景画を中心に、45点を紹介いたします。葛飾北斎とならぶ浮世絵界を代表する絵師、広重の機知に富んだ風景描写の魅力と、房総に今も残る「江戸土産」をお楽しみ下さい。

主な作品
関連イベント
大久保純一氏 2006.5.20(土)
第15回講演会
演題:「広重の描く江戸名所」
講師:大久保純一(おおくぼ じゅんいち)氏
講師プロフィール:
国立歴史民俗博物館助教授
1959年徳島県生まれ
1984年東京大学大学院美術史学専攻修士課程修了

著書など:『広重東海道五拾三次 保永堂版』『北斎の冨嶽三十六景 千変万化に描く』
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