2007.11.2(金)〜12.1(土)
房総の素封家と若き日本画家たち
山口蓬春を中心に

風光明媚な房総半島は、多くの画家が訪れた地であり、その豊かな自然に魅せられて移住する者を含め、様々な芸術家を輩出しています。この度の展覧会では、昭和初期から戦後にかけて、房総のある旧家の主人が地元に縁ある芸術家たちを支援する中で育まれたコレクションを紹介いたします。

町長も務めたこの旧家の主人は、もともと画家志望であったこともあり、芸術文化の良き理解者でした。中でも千葉県土気出身の石井林響(1884〜1930)や、林響を慕って県内の大網に移住した田岡春径(1887〜1969)、林響の内弟子であった秋野不矩(1908〜2001)とは画家と後援者以上の間柄であったことが、主人の書いた林響追悼文や画家たちから寄せられた書簡からうかがえます。山口蓬春(1893〜1971)とは春子夫人が同郷であることから縁ができ、文人趣味のあった蓬春に林響旧蔵の文房具を手配したり、しばしば写生用に鳥を調達しています。特に主人が蓬春宅を訪ねる度に描いてもらった《自笑帖》は、昭和7〜22年の作品が収められた愛すべき画帖です。また日展で活躍した秋葉長生(1911〜78)の画才を見出し、自らの夢を託して蓬春に弟子入りさせたり、後に人間国宝となった香取正彦(1899〜1988)に県内の社寺の梵鐘制作を斡旋するなど、有名無名にかかわらず芸術家たちを支援し、橋渡し役をつとめ、生涯彼らの作品を愛蔵し続けました。

こうした暖かな眼差しに見守られたコレクションには、この主人の先代が、将来性のある画家の作として求めた菱田春草(1874〜1911)の作品も含まれています。今なお、この家の床の間を飾る、季節感あふれる珠玉の作品をお楽しみ下さい。

 
 詳しくは美術館刊行物をご覧ください。


笠 理砂氏 講演会
2007.11.17(土)13:30〜15:00
演題:「山口蓬春 その人生と芸術」
講師:笠 理砂氏(山口蓬春記念館学芸主任)
図書館棟3Fプレゼンテーションホールにて
*参加無料/要予約

ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
11月3日(土)、10日(土) 14:00〜

 back  next 
Copyright 2003 Mizuta Museum of Art, All rights reserved.