鈴木春信《六玉川 井手の玉川》部分  
2009年10月31日[土]―11月21日[土]
水田コレクション浮世絵名品展

 特集 美人画

浮世絵の創始者、菱川師宣(もろのぶ)の《見返り美人図》のような、下膨れした顔に小さい目の女性像を、今日「美人」だと感じる人は少ないでしょう。しかし、浮世絵に描かれた美人は、理想とする美人の典型であり、当時の美の規範が映し出されたものです。事実、美人画のスタイルは、時代の好みとともに次々と変わっていきました。明和期(1764〜72)に華奢で中性的な鈴木春信の美人が一世を風靡すると、他の絵師まで春信風美人を描き始めます。天明期(1781〜89)には鳥居清長の八頭身の美人が、寛政期(1789〜1801)には喜多川歌麿の現実味を帯びた美人が大流行しました。そして江戸末期の退廃的な美人画へと続きます。

このたびの展覧会では、肉筆では師宣、宮川長春、勝川春章、葛飾北斎など、版画では錦絵以前の西村重長から、清長、歌麿、鳥文斎栄之(えいし)、菊川英山、明治の月岡芳年まで、各時代を代表する絵師の作品によって、美人画の流れを概観します。なかでも、今回お披露目となる春信の《六玉川》は、水田家より新たに寄贈されたもので、鮮やかな色彩の残る稀少な名品です。これらの美人画を通して、豊かな江戸風俗と理想美の変遷をお楽しみください。

 

田辺昌子氏   ◎講演会
11月21日[土]午後1時30分〜3時
演題:「青春の浮世絵師 鈴木春信の世界」
講師:田辺昌子氏(千葉市美術館学芸課長代理)
会場:図書館3階プレゼンテーションホールにて
講師プロフィール:
1963年 東京都に生まれる。
1988年 学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(美学美術史専攻)。
1988年 財団法人永青文庫学芸員。
1991年 千葉市美術館開設準備室を経て、千葉市美術館学芸員。
2008年 同館主任学芸員、続いて同館学芸課長代理となり現在にいたる。
■主著
『週刊アーティストジャパン 43 鈴木春信』 同朋舎出版、1991年
『こんなに楽しい江戸の浮世絵』(共著) 東京美術、1999年
『浮世絵のことば案内』 小学館、2005年

◎ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)11月7日[土]、14日[土]午後2時〜

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