ファッションリーダーであった役者と遊女や、庶民の暮らしが描かれた浮世絵は、江戸時代の服飾文化を今に伝える格好の絵画資料です。このたびの展覧会は「浮世絵にみるよそおい」シリーズの第二弾として、着物と装身具に注目します。町人が経済力をもったこの時代、武家階級だけでなく、広く人々が季節や行事に合わせ、着物の素材や模様、着こなしに変化をつけ、華やかに、または粋によそおうことを楽しんでいました。さらに、腰にさげる印籠やたばこ入れ、ふところからのぞく紙入れなどの小物も大切なおしゃれアイテムでした。
本展では、肉筆浮世絵と錦絵から、着物の多彩なデザインや着こなし、小物使いを紹介します。あわせて国立歴史民俗博物館のご協力により、17~19世紀の着物と装身具を展示します。現在も色あせない江戸のモードをお楽しみください。




左上より、
《梅樹模様小袖》江戸時代(17~18世紀)、国立歴史民俗博物館蔵、
歌川国貞《流行美人合 弁財天子供屋》大判錦絵三枚続、文政10年~天保13年(1827~42)、
三代歌川豊国(国貞)《誂織当世島 船の玩具》大判錦絵、弘化(1844~48)頃、
鳥園斎栄深《鷹匠》大判錦絵、寛政(1789~1801)後期、以上、当館蔵
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