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教員インタビュー 大森夕夏(アメリカ文学)

  • 国際人文学への招待

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メモリアルデーのボストンコモン。5月最終週のアメリカでは星条旗が掲げられ、戦没者追悼が行われます。


「文学を通して柔軟な発想力を」

――研究テーマについて教えてください。

ユダヤ系アメリカ文学を研究しています。特に最近は現代の女性作家Cynthia Ozickの作品を通して、パロディやホロコースト生存者の抱える問題について考えています。

 

――どのような関心から、その研究をしようと思われたのですか。

英語にはジョークがたくさんありますが、その中にはユダヤジョークが非常に多く含まれています。ユダヤ人と言えば、ホロコーストに象徴されるような迫害の歴史に苦しんできたというイメージがありますが、その一方で、科学、芸術、金融などにおいて華々しい成功を収めているイメージもあります。長い歴史を持つ民が、苦況をどんな発想によって切り抜けてきたのかに関心を持ちました。

 

――他にも、関心をお持ちのことはありますか。

大学では主に英語の授業を担当してきたので、授業を効率・効果的に展開するために、アクティブ・ラーニングの研究・実践も行っています。

 

――国際人文学部の授業ではどの科目を担当されていますか。

「アメリカ文学概論」、「アメリカ文化概論」、「英語コミュニケーション」などを担当しています。

 

――「アメリカ文学概論」では何を教えられていますか。

毎回20世紀を代表するアメリカ作家の作品を1つ取り上げ、作家と作品(小説と映像)を通して時代背景を理解した後、作品の内容についてグループ・ディスカッションを行っています。

 

――「アメリカ文化概論」では何を教えられていますか。

秋学期に開講する科目ですが、メモリアルを通してアメリカ文化・歴史を理解できるような授業デザインを考えています。

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セーレムにある『七破風の屋敷』  
セーレムの歴史と文学は学生に人気があります。

――授業ではどのようなことを大切にされているのですか。

どの授業も協働学習を通して進め、自分の考えをまとめて伝える、友だちの意見をしっかり聞くということを大切にしています。授業内容が理解できているかどうかも班で確認し合い、難しいところは全員で共有して解決するようにしています。

 

――学生の反応はどうですか。

他の人の意見を聞けるのは新鮮なようです。理解できていないところも共有できるので、安心できるようです。それに何より話し合いを通して仲良くなれるのが楽しいようです。

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――国際文化学科の特色を教えてください。

さまざまな国の言語や文化を、実地体験や文学作品などを通して具体的に学び、そこでの一人ひとりの気づきを大切にしています。自分が発見したことを文化比較の観点から調べていくことで、思考を深め判断力を養います。

 

――グローバル化時代を生きていくうえで、大切なことは何ですか。

もちろん英語を使えるようになることは大切ですが、他者理解に努め、それによって自己理解を深めようとすることが大切だと思います。他者の身になって考えると言うとき、英語では「他者の靴を履く」(put in a person’s shoes)という表現があります。アメリカの人種差別を扱った有名な小説には「他者の皮膚の色で歩いてみる」(climb into someone's skin and walk around in it)という表現があります。他者の状況をリアルに感じることは難しいですが、小説や映画を通すと異文化の人びとの内なる声が聞こえてくることがあり、それによって自分をこれまでとは違った角度から見られるようになることがあります。他者理解・自己理解を深めることにより、コミュニケーションも広がっていきます。

こうした気づきのプロセスを大切にするために、国際文化学科にはさまざまな言語・文化の授業と同じ程度に日本語・日本文化の授業が設けられています。最後に学科の宣伝のようになって恐縮ですが、皆さんが豊かな発想力によってグローバル化時代に活躍できるように、国際文化学科の多彩な教員の一員として頑張っていきたいと思っています。

 

<略歴>岡山県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科英文学専修博士後期課程単位取得退学。早稲田大学文学部専任助手、早稲田大学等非常勤講師、東京電機大学専任講師を経て、2018年4月から城西国際大学国際人文学部国際文化学科に着任。