検索
メニュー
メニュー

在学生座談会・韓国語篇「学び合い、協働、韓国語」

  • 国際人文学への招待

国際文化学科で韓国語を学んでいて、韓国の大学に留学経験もある3年生の塩田華花さん、太田海音さんと、韓国の仁徳大学から日本に留学している白恩周(ペク ウンジュ)さんに集まってもらい、韓国語コースの中川先生、亀井先生を交えて、国際文化学科で今やっている韓国の授業の話や、留学のこと、大学生活のことなどについてお話を聞きました。

 

JIUの授業の特徴

亀井 韓国と日本の学生が授業で一緒に学んでいるのは、JIUの特徴だと思うんですね。学生の皆さん同士で交流はありますか?

太田 1年生のときから、プロジェクトで勉強をしてるおかげで、韓国人と話す機会が増えたと思います。

塩田 授業を通してでないと会わない人もいて。友達って簡単にできないし、グループも先生が割り振ってくださったので、いろんな人と話すことで、固まらないで、みんなで話して授業も楽しかったです。

亀井 白さんはどうですか?

 私は、プロジェクトで気が合わなかった子がいました。

亀井 そのときはどうやって対応したんですか?

 私が合わせました。最後まで私が我慢したかも。

塩田太田 ええー。

亀井 そういうこともありますね。気が合う合わないは、日本人同士、韓国人同士、日本人と韓国人でもあるだろうし。ただ、その状況をいかに乗り越えて行くかっていうことからも何か学びが得られたらいいですよね。我慢した思い出だけですか?

 実際に日本に来て若者言葉を知ることになったし、文化を深く学べました。

亀井 どういう若者言葉ですか。

 あざっすとか。

亀井 「ありがとうございます」の。使いますか?

 ときどき(笑)

――それ日本語がすごく上手な人ですね(笑)

 それな、とか。

亀井 私の周りの1年生たちも、使っている学生が多い気がします。

――留学して会話できる言葉が、自分が教科書で知ってることと違うことはありますよね。塩田さんは留学先でそういった経験をしましたか?

塩田 留学に行く前には韓国人の友達がそんなに多くなかったし、直接話す機会がなかったから、最初は苦労したけど、現地の人と話して言葉を知れました。

――留学で苦労したことや、大変だったことは。

塩田 そこまでではないですけど、最初の半年は言葉ですね。慣れるまで大変だった。

――冬、寒いとか。

塩田 冬はめちゃめちゃ寒かったですね(笑)。それはもう気合で。

――白さんは日本に来て大変なことはありますか。

 寂しいことですね。

中川 電話とかしているのかな。

 先週、家族が来てくれました。

留学生活

中川 白さんが思い描いていた日本の留学生活があったと思うんだけど、それは今の留学生活のイメージとは一致している?

 うーん…。

中川 韓国では日本の大学生にどんなイメージがあったのかな。

 サークル。

中川 あまり韓国の大学だとしないから。それをやろうと思ってた?

 思ってたけど、やってないです。

中川 何で?

 結構忙しいので、時間に余裕がないです。

――たんぽぽもいいんじゃないですか。交流会をやったり、クリスマスパーティを企画したり。

中川 何かやりたいサークルはあったの?

 うーん。茶道部。

塩田太田 おおお。

 来年からやろうかなと思っています。

――それはいいですね。

中川 日本の大学といえばサークルっていうイメージはどこから来たんだろう。

 日本のアニメだと思います。

中川 今、家族と離れて寂しいっていうのは確かにあると思うけど、楽しくないわけではないよね。

 そうですね。楽しいです。

中川 どういうところが楽しい?

 日本語を日本で勉強できることと、日本人と話せる機会が多いことです。

中川 塩田さんや太田さんはどう?韓国に留学した楽しさっていうのは?

太田 同じですね。韓国で韓国語を勉強するから、日本で勉強するより覚えられるし、知ることがいっぱいあります。

塩田 日本だと授業でやっても使う機会がないけど、韓国なら勉強したことをすぐ使えるから。

――すぐ使えるっていうのは大事ですよね。

メンター制度

――韓国語のメンターは結構1年生の頃からみんなやってるんですか?

太田 1年生のときはやってなかったです。

――2年生からやりはじめた。時間を決めてやっている?

塩田 そうですね。

――誰とペアになるかっていうマッチングはいつどうやって決めるの?

太田 最初にマッチングする日を決めて、先生の呼びかけでやりたい人が集まって、そこで決めました。

――じゃあ年度とか学期の初めにやりたい人を決めるんですね。いつもメンターの部屋には誰かがいて、楽しそうで。ああやって話しているのはすごくいいなと思っていて。授業で習ったことをすぐ使えないって話もあったけど、そこでちょっとだけ会話のチャンスはあるわけですね。

亀井 メンターの時間以外にも、留学生と交流している様子が見受けられますね。

太田 遊びに行ったりしてますよね。

塩田 ご飯食べに行ったり。

亀井 白さんと塩田さん、太田さんはどうやって知り合ったんですか?

塩田 吉岡ゼミで、私たちは留学から帰ってきてそこで。

亀井 すぐに打ち解けられましたか?

塩田 本当にすぐだよね。

 うん。

塩田 留学から帰ってきて、話せる自信がついてたんですよね。

 二人は韓国語が上手です。

太田 日本に帰ってきたら、使う機会がないと忘れちゃうから、なるべく話そうと心掛けています。

塩田 忘れちゃうよね。

亀井 いつも韓国語で話しているんですか?

太田 韓国語だったり、日本語だったり。

――LINEとかの交換もしているのかな。LINEでも韓国語と日本語?

塩田 そうですね。

――両方混ざってるの、いいですね。

日韓翻訳の授業

――亀井先生の授業はどんな感じか聞いても良いですか。

塩田 3人で共通で取っているのは翻訳の授業ですね。

――その授業では、どういう教材を使うんですか?

塩田 身の回りにある日本語のものを、韓国人は韓国語のものを選んで、お互いの国のもので、あったら便利なものの案内、紹介をしています。

太田 プロジェクトを立てて、誰のためにやるかを考えて、それで、私たちは学校のパンフレットを韓国語に翻訳して、留学生が読みやすいようにしました。

――本当にありがとうございます。

亀井 学期の始めには、学歌も韓国語に訳しました。

――へええ。

亀井 ただ言葉を訳すという作業と、歌うためにメロディも考慮して訳すという作業と二回やって。最終的には投票で歌詞を決めましたね。

――面白い。

塩田 みんなで歌いました。

亀井 韓国語と日本語の語順が同じだからできたところはありますね。

太田 英語にするってなったら頭抱えそうです。

亀井 日韓の学生がちょうど半々くらいの割合だったので、それも大きかったですね。みんなで協力して、日本語のニュアンスと韓国語のニュアンスを話し合いながら進めてくれていました。

太田 初めて校歌を歌ったのが韓国語だったんです。

――なかなか無い経験だよね(笑)

亀井 大学のWebサイトに載っている音源を使って歌いました。学歌の翻訳をアイスブレイクの活動として最初数回で行って、あとは学生の主体性に任せて、アイデアを出して、計画を立てて、成果物を作って発信するところまでやりました。いろんなアイデアが出ましたね。

塩田 旅行のこととか、計画を立ててそれを韓国語にしたり。

 私は日本語のレシピを作りました。

――決まった教材があるのではなくて、自分で訳すものも見つけてくるんですね。面白い。

亀井 白さんは誰のために、なぜレシピを作ったのか教えてもらえますか?

 私は、日本の一人暮らしの人のために韓国のレシピを日本語に訳しました。それから家で実際に作って、写真にとってInstagramにあげて、アンケートもしました。

――その写真は見てみたいなあ。

亀井 最初はただ訳すというアイデアも出たんですが、著作権の許諾をどう取るかが問題になりました。それで最終的に、自分たちで作った文を訳して発信するという選択をしたチームもあります。白さんのチームも、自分たちでレシピの文を作って訳すことになりましたね。料理を作ってみて楽しかったですか?

 はい、楽しかったです。

――白さんは料理では何を作ったんですか。

 チーズダッカルビと、トッコチというトッポキみたいな食べ物と、キムチチヂミ。あと、キムチチャーハンを作りました。

――すごい。お腹がすいてきちゃいましたね。

 全部日本の材料でつくりました。

日韓通訳の授業

亀井 通訳は韓国人学生が多くて、太田さんは貴重な日本人学生としての参加です。翻訳はプロジェクトなんですけど、通訳では訓練的なことをやっています。

太田 訓練ですね。

亀井 ただ、受講生のレベルがかなり異なったので、各自が学習言語での音声表現を磨くことから始めました。この人のように話せるようになりたいというモデルの映像を選んでもらい、ディクテーションをし、分析をして、シャドーイングなどで声を出す練習を重ねました。自分自身の声を観察してもらうために、録音もしてもらいましたよね。白さんは誰をモデルにしましたか?

 永野芽郁さんです。

――朝のドラマに出ていた女優さんですね。

亀井 NHKの「半分、青い。」のプロモーションの挨拶を使って、すごく頑張って練習してくれて、最初の挨拶のところは日本語母語話者にしか聞こえないくらいになりましたね。その言語らしさに自分たちで気づいてもらいたいなと思っています。

中川 自分の好きな声って大事ですよね。

亀井 はい、そこが大切だと思います。白さんは普段の話し方は落ち着いていますが、永野さんの練習のときは、特徴をつかんで明るい感じにしていて、すごいなと思いました。太田さんは女優のパクシネさんを選んで練習していましたが、とても上手で、韓国人の学生に聞いてもらったら、上手だって褒めていましたよ。

太田 何回も撮り直して練習しました。最初は片言だったんで、これはダメだと思って何回もやりなおしました。

亀井 学期末にはその映像を用いて、クラス全体の前で通訳するということもやりました。

太田 緊張しました。みんな上手でしたね。

韓国語に触れる

中川 今は留学のときとは違う授業をとっているわけだよね。韓国語に触れる機会はやや少ないっていうのはある?

太田 もっと触れたいです。

――どうやって補っているんですか。映画見たりとか?

塩田 音楽は毎日聴いてますね。あとは、ドラマを見たりしてます。

 私は韓国にいたときNHKニュースを毎日見てました。

――ニュースって喋る人の話すスピードが標準的で、外国語の練習にちょうどいいって言いますよね。

中川 でも、ニュースだと人の名前とか、背景知識は必要になるよね。わからなくなることはない?

 でも、JLPT(日本語能力検定)1級は、時事ニュースに関しても出るから。

中川 なるほど、今1級。

 1級です。

中川 いま1級を取っていて、その上でこれから目指すものは?

 やっぱりもっと自由に日本語で話せるようになりたいです。

中川 今、自由に話せてるよ!

 もっと言いたいことを自由に。

中川 仕事で日本語を使うとかってことも?

 それもです。ビジネスの日本語もですね。

中川 いつも考えるんですよね。韓国語を勉強して、TOPIK6級とかは過程であって、それってゴールじゃないじゃないですか。その向こうにあるものは何か。考えている?

塩田 私は仕事に活かしたいなと思います。

将来の目標

――みんなが所属している吉岡先生のゼミでも就職対策も凄くやっていると思うんですけど、将来の目標について伺いたいなと思います。今どんな仕事を目指しているんですか。

 私はホテルに。

塩田 私も。

――みんなホテル。

亀井 日本で?

 はい。

亀井 私、泊まりに行きます。みんなで行きましょう(笑)

 来てください(笑)

中川 どこ?

――まだこれからですよね(笑)

塩田 私はビジネスホテルとかも見ていて。インターンに行って、事業の体制とかがいいなと思ったところもあります。

中川 そこで韓国語を生かして行くという感じですね。太田さんは?

太田 自分は、企画して制作するのが好きだから、そういう方面がいいかなと考えています。

――なるほど。

太田 人の役に立ちたいなと。

中川 それは韓国語も絡めて?

太田 そうですね。

中川 太田さん、高校のときから英語もできたよね。

太田 ・・・英語は韓国に置いてきました(笑)

――中川先生の授業では何を取っているんですか。

中川 今年は韓国語ではなくて、「キャリア形成演習」をとっていますね。そこでは過去の振り返りをして、今につなげて、今の自分を支えているものは何なのかっていうことを考えています。就職ガイダンスで年内に自己PR書を書けって言われているみたいなんですけど、いざ書くと難しいので、どういう構成で書くか。短い文章で書かないといけないので、オリジナリティを出すためにエピソードが必要でってことで。それで各自ストーリーを作ってもらっています。塩田さんはどんなストーリーだっけ?

塩田 私は部活と留学の経験から今に繋がっているところを書きました。部活やっていて、週末も練習で、引退して大学1年生になってからは自分の時間を作りたいと思って、でもなかなか没頭するものがなくて、それで留学して帰ってきた結果、たんぽぽとか日韓サポートチームにたどり着いたっていうことを書きました。

中川 いま自分が置かれた場所で最善を尽くすタイプなんじゃないかっていうのが、最近わかった答えですよね。太田さんは?

太田 私は人助けが好きで、オープンキャンパスを手伝ったり、交換留学の説明とか翻訳のプロジェクトに関わったり。留学から帰ってきてから人助けがしたいと思って、たんぽぽとか、日韓サポートチームに入ったりしてます。

中川 二人は国際センターに志願して、留学生が来たとき空港に行って、ピックアップしたいと言いに行ったみたいです。いままで留学生が行ってたんですけど、今回日本人で2人が初めて。そのあと、宿舎の説明とかしなきゃいけないので、難しい単語とかピックアップして、そこで通訳の授業も生かされることになりますね。

協働、学び合い

――国際文化学科のよさってどういう点でしょうね。JIUで韓国語の勉強するときのいいところとか、こんな高校生におすすめ、みたいなことがあれば聞いてみたいのですが。

塩田 授業内で韓国の学生と日本の学生が同じ環境で、ただ聞くんじゃなくて、そこにプロジェクトがあって、チームワークで目標に向かってやっていくところで、交流が生まれるじゃないですか。そういうところが強みというか、学科ならではなのかなと。一緒に集まったりご飯を食べたりすることに繋がっていく。強みなんじゃないかな。ほかの学科も留学生はいるけど、仲良くなりやすいのは文化の特徴なんじゃないかな、と。

中川 それは確かにわかるか気がするなあ。

 私はメンター制度がすごくよいと思いました。協力して、お互いの言語を学べるから。

中川 それが学び合いになる。メンターは韓国になかった?

 うちの大学にはなかったです。

中川 学び合いですね。

――協力し合う。それは一つのキーワードですね。

亀井 協働。

中川 学び合い、協働、韓国語コース!ってタイトルになりそですね。

――タイトルにします(笑)

中川 私の感覚でも、自分が大学生の時からみても、他の大学に行っても、教員と学生、学生同士の距離も近いですよね。人数もちょうどいい。

――割と近くにみんな住んでますしね。

太田 東金の田舎で、周りに遊びに行くところがないから、友達のうちに集まってご飯一緒に作って食べたり泊まったりっていうのが多くなりますね。

塩田 この前留学生が食べたことないっていうから、シチュー作ってあげたんですよ。

亀井 それ、その子がすごく喜んで、私に報告に来ましたよ。

中川 それは本当に国際大学ならではですよね。

太田 同じ地域に住んでるっていうのもあるから、行きやすいです。

亀井 白さんは近くに住んでいるんですか?

 東金の宿舎に住んでいます。

中川 韓国人留学生が結構多いところかな。

 はい。めっちゃいます。

中川 (笑)

留学生をサポートする

亀井 白さんは、来日当初に困ったことはありましたか?

 携帯電話の契約と、銀行で通帳を作るのが大変でした。

亀井 それは一人でやったんですか?

 はい。

中川 韓国の大学だとバディっていって、留学生につくパートナーがいるんですよね。今この大学にもそれを持ってこられないかという話をしているんですよね。そういうのがあったらどう。

 良いと思います。

中川 パートナーが誰か難しい問題はあるかもしれないけど。

塩田 私が留学したときはランダムでした。後半は男性で。前半は女の子で仲良くなれたんですけど。

中川 逆だったらきつかったかな。

塩田 そうですね。

中川 うちの大学に来る韓国からの留学生、男の子が多いよね。

亀井 たしかに、初対面の異性にどこまで話せるのかっていうことはありますよね。もちろんバディが同性だからといって、仲良くなれるかどうかはわからないですけど。

太田 自分もバディは女の子だったけど、一緒に遊んだりはしませんでした。韓国の大学だと単位になるんですよ。だから単位のためにやってる人もいるらしいです。そうなると単位取れればいいやっていうだけの人もいるのかなと思います。

中川 そうなるとちょっとね。

塩田 ボランティアじゃなくて、やりたくてやっているわけではなくなっちゃいますよね。

中川 求めている人の役に立てるよう体系化できればいいんだけどね。これから来る人には、経験を通じて、白さんにも助言してもらえるといいですよね。

――最後に、これからJIUを受ける人に一言ずつお願いします。

 韓国に興味があったら是非JIUに来てください。ここに来たら、韓国語をしっかり学べる環境があります。

塩田 交流の場が凄く多いので、教科書とかだけじゃ学べない、直接交流してみてわかるようなところがあると思います。

太田 共通する趣味とかが多いと思うから、入ったら同じ仲間がたくさんいるし、あと、留学することになったらお互いライバルにもなるから、切磋琢磨しながら学べると思います。

――高校のときは、韓国のことを好きなのはクラスに自分だけだっていう人も多いと思うんですが、入学したら、好きなアイドルやダンスグループの話ができて楽しいっていう子もいるんですよね。いま三人からお話しいただいたことは、それぞれ受験する人に響いたと思います。今日はお願いしてよかったです。長時間にわたりありがとうございました。

(内容は2019年12月取材時のものです)