環境社会学部3年生が、夏休み期間を利用して、環境ビジネスを実践している企業などで現場体験をする「インターンシップ」の実習(10日間)に取り組みました。「インターンシップ」では、環境ビジネスの現場を学生自らが身をもって体験し、今後の就職活動等への取組みに向けての応用力を培いました。
「インターンシップ体験記」の第6回目は、パソコン・OA機器類等のリサイクルを行う有限会社トレス環境システムで研修した学生のレポートをお送りします。
環境社会学部3年 趙 泰
研修先
私は8月20日から、千葉県市原市に本社があるトレス環境システムでインターンシップを行いました。
トレス環境システムは、廃棄されたパソコンやOA機械などのリサイクルを中心に廃棄物のリサイクルビジネスを展開している企業です。環境社会学部ともご縁が深く、学生たちの自主プロジェクト「レアメタル(希少金属)・リサイクル・プロジェクト」は、この会社の谷口社長のご指導を受けています。
以下、私の体験したインターンシップについて紹介したいと思います。
新たな発見や認識、刺激を受けたこと~リサイクルにより価値が再生できることを知る~
研修期間の中で、私たちが行なった主な仕事は、この会社の大切な仕事である解体の作業でした。解体という作業はパソコンなどを細かく分解して、部品を取り出し、それを分別するのが、リサイクルの第一歩だと言われています。
パソコンの場合、解体した部品は、一般的には、基盤、HDD、ドライブ、ケーブル、アルミ、CPU、メモリ、鉄、プラスチック、ステンレス、銅、電源、雑品、という風に分けられます。携帯電話の解体は、液晶パネルとキーボード2種類がパソコンの部品よりも多いです。
部品を分別をするポイントは2つあります。一つは部品によって、金属の種類と量が全然違うということです。もうもう一つは、金属を再生するメーカーが違うことです。例えば、パソコンの外殻から取れる金属は、主にアルミとプラスチックと鉄で、内部の基盤から取り出すことができるのは金と銀とレアメタルです。
社長からして伺った講義の中で、ゴミとして廃棄されたパソコンを、このように解体し、中身を取り出し、再生したとすると、1トンの廃棄物から銀1kg、銅200kg、金200gが取れるということを教えていただきました。現在の金属価格は、1kg当たり銀が約7万円、金が400万円、銅が500円ですから、廃棄されてしまえば失われる金属を、こうしたリサイクルによってかなりの金属を再利用でき、大きな価値になることを知りました。
リサイクルを主要な業務としている会社であるため、お客様の個人情報を守ることは非常に大事にしています。廃棄するパソコンなどが持ち込まれると、入庫する際にしっかりチェックして、情報が蓄積されている可能性があるシールを取り外し、さらに、データを破壊するために、基盤に穴を開けた後に入庫します。それがお客様との信頼関係を保つ条件であるというお話も伺いました。
今後の学びに向けて考えたこと、役立ったこと
仕事をする上でのマーナについては、この会社では5Sを大切にしていました。5Sとは、「整理、整頓、清掃、躾、清潔」のローマ字読みの頭文字のSを意味しています。仕事だけでなく、自分の日ごろの生活にも応用できる5Sだということに気づきました。この7日間で、リサイクル会社の仕事の内容を少し知り、商売というものの難しさも学びました。また、働くことの厳しさや方法についても勉強することができました。
今後の課題として、中国のリサイクル事業と日本のリサイクル事業を繋ぐにはどのような方法と考え方が必要かを、考えていきたいと思います。とくに、中国では、リサイクルやリユースなどの4Rといわれる考え方は、まだそれほど浸透していませんが、これからは必ず重要になると思っています。