環境社会学部4年 長瀬裕輝
(敬愛学園高等学校出身)
私はこの度、株式会社アグリアドバンスから、内定の通知を頂きました。同社は最先端の栽培施設と、環境制御システムによって、未来型農業を営む企業「カズサの愛彩グループ」の一社で、生産された農産物の販売や農業資材の仕入れ等を行っている会社です。
農業は、人々の生活を支える非常に重要な第一次産業ですが、日本農業は、農業後継者の不足や耕作放棄地(使用されていない農地)の増加が進み、近年ではTPP(環太平洋連携協定) への対応等農業をめぐる内外の環境の変化により、農業構造の改革が求められています。
古くから自然の恩恵を受けて営まれてきた農業も、今日では、農業従事者は日本の人口の3%に満たない約260万人(2010年10月現在)で、農業従事者の平均年齢は65.8歳と高齢化が進んでいます。食料自給率はカロリーベースで, 39%(2010年度)と微減の傾向にあります。
同社は、ガラス温室による、土を一切使用しない「水耕栽培システム」によって、常に安定的かつ安全に野菜を生産し、周辺環境への負荷を最小限に抑え、安心して消費者に新鮮な野菜を供給することを目標としており、環境社会学部で学んだ環境への負荷の少ない農業と社会についての知識をさらに発展させたいと考え、志望を決意しました。私は、幼少の頃から農業に興味がありましたが、農家の出身でもなく、身近に農業を営んでいる人もいなかったため、始めは農業系の大学に進学するつもりでいました。
しかし、日本の農業の将来が問題視され始めたほぼ同時期に、地球温暖化を始めとする環境問題への関心が高まりを見せるようになり、これからは環境への負荷の少ない農業が必要と考え、それまで漠然と捉えていた「環境」について専門的に学べる、新設されたばかりの城西国際大学環境社会学部への進学を決めました。
大学では、自然環境だけでなく、人が利用・制御する生活環境についても学んだ他、環境の保全と改善に取り組む多様な職種や制度・政策等にも触れることができ、3年次には農業関連企業へのインターンシップに参加することによって、未来の農業の姿を実際に体験する等、農業を通じて環境の保全を図る魅力や可能性を感じることができました。
卒業後は、農業の分野から環境を見つめ続け、環境社会学部で学んだ「持続可能な社会」の形成に貢献したいと思います。