授業紹介(No.5)JIU東金キャンパスのイメージを解析

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JIU東金キャンパスのイメージを解析

環境社会学部では、講義「エクステリア」において、外部空間についての空間領域への認識を深めながら、エクステリアデザインに必要とされる基礎力を培っていきます。講義においては、キャンパス内の樹木や外構のスケッチも取れ入れながら、人間の意図が積極的に介在した「外部空間」の意味と役割を考えていきます。その一つに、本学の東金キャンパスをケーススタディーとして取り上げ、学生たちは、キャンパス内を踏査しながら自らが学ぶ「キャンパスのイメージ構造」についての分析を進めています。以下にその概要を紹介します。

具体的には、ケビン・リンチ(Kevin Lynch )の提唱した「都市のイメージ」の手法を応用して、キャンパスを一つの都市と見立てて、イメージを構成する要素についての検討を行い、その結果を図化していきます。ケビン・リンチ(Kevin Lynch )は、その著「都市のイメージ“The Image of the City”」 (1968) (丹下健三・富田玲子訳)岩波書店より)において、ボストン、ジャージー・シティー、ロスアンゼルスの3つの都市を調査した結果を分析し、都市のイメージのしやすさ(Image-ability)は、わかりやすさ(legibility)と見えやすさ(visibility)によって規定され、都市のイメージ構造は、5つの要素(1968)によって構成されることを明らかにしました。その要素とは、以下の5つです。

動線のネットワークで、観察者が日ごろ、あるいは時々通る、もしくは通る可能性のある道筋。
…(ex.) 街路、散歩道、運送路、運河、鉄道 

観察者がパスとしては用いない、あるいはパスとはみなされない、線上のエレメント。
…(ex.) 海岸、鉄道線路の切通し、開発地の縁、崖など、二つの局面の間にある境界。

中から大の大きさをもつ都市の部分であり、二次元の広がりを持つもの。何か独自の特徴がその内部に共通して見られるために認識。観察者が心の中で内部に入ることができる。
…(ex.) 建物のファサード、用途、活動等の同質性

都市内部にある主要な地点。観察者がその中に入ることができる焦点。パスの接合又は何らかの特徴の集中によってできたもの。
…(ex.)ヨーロッパ都市の広場、駅

観察者はその中に入らず、外部から見る。周囲の中でもひときわ目立ちやすいもの。歴史性等の象徴性と視覚的重要性。
…(ex.)孤立して立っている塔、円屋根、大きな丘など。

  1. パス(Path)
  2. エッジ(Edge)
  3. ディストリクト(District)
  4. ノード(Node)
  5. ランドマーク(Landmark)

この5つの要素をキャンパスの敷地に適用して、パス、エッジ、ディストリクト、ノード、ランドマークに区分して、キャンパスの平面図にプロットしていきました。「パス」は、正門からアメリカフウの並木をぬけるメイン・ストリートと、求名門からJIU池を抜け、B棟とC棟の教育棟前のトチノ木の並木を抜けるストリートを骨格に構成されています。また、二つのストリートの交差する学生広場と正門前広場等が、「ノード」を構成しています。パスに区切られた、教育棟、駐車場と食堂、運動場と体育館などが、まとまりのある「ディストリクト」となっています。そして、周囲からひときわ高くそびえる本部棟が、キャンパスの「ランドマーク」となっています。緑豊かなキャンパスを形成する外周の樹林帯が、周辺の住宅地や田園地帯との境界を示す「エッジ」となっています。キャンパスのイメージ構造を図化すると下図のようになります。これらの5つのエレメントが有機的な結びつきを持つことで、JIUキャンパスのわかりやすさと見えやすさ、すなわち緑濃き「JIU東金キャンパス」のイメージのしやすさに寄与していることが分かります。

(文責:鈴木)

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