授業紹介(No.6)食虫植物群落についてモニタリング調査を実施

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食虫植物群落についてモニタリング調査を実施 !!

生物の多様性の保全の観点から、絶滅のおそれのある植物種へ保護とそのための生育環境の保全は喫緊の課題となっています。環境社会学部では、フィールドでの実践的な教育を重視し、「プロジェクト研究a」の講義(担当: 川口健夫教授)において、本学の東金キャンパス近隣に位置する「成東・東金食虫植物群落(国指定・天然記念物)」において、絶滅のおそれのある希少な植物種について、生育状況を調査し、個体数の変化について、継続的にモニタリング調査を行っています。

この植物群落は、面積が約3.2ヘクタールで、周辺は田園に囲まれた環境下にあり、内陸部では珍しい湿地性の植物群落が形成されています。群落内には、モウセンゴケやイシモチソウ等の食虫植物が約8種程確認されていて、わが国でも有数の食虫植物群落となっています。群落内には、千葉県のレッドデータブックに記載されている種としてモウセンゴケ(モウセンゴケ科,Drosera rotundifoliaとコモウセンゴケ(モウセンゴケ科,Drosera spathulata)の2種が確認されています。

学部の調査は、学生たちが毎年5月中旬、7月上旬、10月初旬の三回行っています。食虫植物個体数の測定には、45 cm四方(約0.2 m2)の木製あるいは金属性の枠を用い、その枠内の個体数から1 m2あたりの個体数を算出し、経年変化や季節変動を記録しています。

以下に調査の様子と代表的な食虫植物種、モニタリングの結果を報告します。

 
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学生たちによる植物調査の状況
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45cm四方の定点枠内で個体数の変化を調査します。
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虫を捕らえたイシモチソウ、(モウセンゴケ科,Drosera peltata Thunb, 準絶滅危惧種)→の先にハエが捕らえられています。
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モウセンゴケ(モウセンゴケ科.Drosera rotundifolia , 準絶滅危惧種)
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コモウセンゴケ(モウセンゴケ科, Drosera spathulata, 準絶滅危惧種)

コモウセンゴケ(青線)とモウセンゴケ(赤線)の1m2当たりの個体数変化(2012年春から2014年秋)を下図に示します。ここ数年は、コモウセンゴケの個体数増加が顕著で、当該地域の乾燥化に伴う生態系変化が示唆されました。この調査結果に基づいて、この貴重な食虫植物群落の生態系維持に向けて提言を行い、調査を継続しています。

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