本学部では、学部の大きな特色である実践を重視した「フィールド教育」として、8月23日(日)から8月29日(土)までの1週間、『環境社会国内研修』を実施しています。今回の研修では、8月23日(日)から26日(水)までを瀬戸内海の小豆島(香川県)で実施し、27日(木)から29日(土)までは、日本一の清流と言われる四万十川の支流部に位置する愛媛県鬼北町をフィールドとして、地域創生についての取組みの姿を実地に体験することを目的としています。
小豆島での研修プログラムは、24日(月)から始まりました。小豆島では、瀬戸内海の乾燥した環境条件に適合しているオリーヴ(※)の栽培から、そのオイルを利用して化粧品への加工、さまざまな媒体を利用した通信販売という、いわゆる〈六次産業化〉によって、成功を収めている小豆島ヘルシーランド(株)と本学部が連携し、地域ビジネスの実際を学ばさせていただきました。
24日(月)は、代表取締役社長の柳生敏宏さん(本学卒業生)より、オリーヴを通した地域創生と持続可能社会の実現に向けた取り組みについて話していただきました。その中で、我が国が、オリーヴ生産消費について、後発地域であるがゆえに、伝統に縛られない、新しいオリーヴの利用方法を模索、開発し、それをグローバルに発信していきたいとの熱い思いを語っていただきました。
その後、通信販売事業部マネージャー 永井哲生さんより、地域ビジネスにおいては、商圏の問題から、通信販売の持つ地域ビジネスとしての可能性についてお話しいただきました。また、比較的小規模な企業にとって、利益を生むための通信販売の方法は、インターネットではなくて、アナログな新聞や雑誌、テレビ等の方がベストとの、世界の潮流とは一線を画した、とても興味深いお話をうかがうことができました。
午後からは、通信販売の現場や商品生産、開発部門を見学させていただき、参加した学生たちは、地域密着型のビジネスが成功している姿に、他の地域での応用も視野に入れた可能性を強く感じることができました。
翌25日(火)は、地域事業創造部マネージャー 磯田周佑さんより、自身の就職活動と仕事での挫折と小豆島ヘルシーランド株式会社との出会い等の体験に基づいた、キャリア形成と社会人として働くことの意味について、地方地域での仕事の現状と魅力を踏まえて話していただきました。その話の中で、仕事に求めるものとして、「やりたいこと」と「やれること」、そして「やらなければならないこと」を常に意識しつつ、この三つのバランスの取れた仕事を選択すべき、とのお話しに、学生たちは真剣なまなざしで聞き入っていました。これからの学生生活の良い指針になったと思います。
わずか二日間でしたが、大学を遠く離れた小豆島での研修を通して、学生である自分たちが地域創生の担い手として地域と連携しながら、どのような貢献ができるかについて、自らが考え、認識を新たにすることができました。
(文責 名本)