授業紹介(No.15)浜離宮庭園と日比谷公園を見学

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浜離宮庭園と日比谷公園を見学!

人間と自然の関係があらわれる空間のひとつに庭園があります。環境社会学部の授業「ガーデニング概論」(担当:多田 充 准教授)では、世界各地域の庭園デザインや歴史について学ぶことを通じて、自然や美に対するグローバルな意識を養っています。さる11月21日(土)には浜離宮恩賜公園と日比谷公園を実地に見学しました。

浜離宮恩賜公園は日本を代表する池泉回遊式の大名庭園(江戸時代)で現在は東京都の都市公園として管理されています。池と築山が広がる園内には多くの外国人観光客の姿が見られ、2020年の東京オリンピックに向けて、日本の伝統文化を発信するために、失われた建物の復元やタブレット型端末を使った多言語での案内システムなどの整備が進められています。学生たちは、公園ボランティアガイドの方の解説に聞き入りながら、池泉回遊式の大名庭園の空間構成と池内へ東京湾からの海水を取り込んだ先人の知恵に思いを馳せました。

次に見学した日比谷公園は、明治21年(1888年)に市区改正事業によって開設されたわが国が初の西洋式公園で、当時は文明開化期の欧化政策の一環で、日本が近代国家として相応しい首都の装置として整備がなされました。現在は、浜離宮と同じく東京都が公園管理を行っています。園内の「緑と水の市民カレッジ」で公園の概要についてレクチャーを受けた後、企画展「わが国ランドスケープの嚆矢 長岡安平」を展示担当者の説明で見学しました。長岡安平は明治期の公園技術者で、外国文化である公園の日本への導入、定着に大きな役割を担いました。長岡は公園設計にあたって、現在では常識となっている自然との共生や、幼児や高齢者にも使いやすいユニバーサルデザインの考え方を既に明治時代に提唱していることを学びました。また、展示見学後は園内を見学し、わが国初の西洋庭園のデザインを実地に見学しました。

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浜離宮恩賜公園の説明をボランティアガイドの方から伺いました。日本庭園への関心が高まり、ガイド依頼が急増しているそうです。

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海水を引き込んだ潮入りの池と中島(江戸時代)の奥に高層マンションが立ち並ぶ景観。伝統的景観が破壊されているとも、伝統と現代が共存する日本を象徴する美しい景観ともいえます。同じ景観でも異なる評価ができることを学びました。

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日比谷公園の緑と水の市民カレッジでは高橋事務長から公園とカレッジの概要を説明を受けました。日比谷公園はもっとも歴史ある公園というだけではなく、緑の専門図書館や展示施設、公園ボランティア拠点などの社会教育機能を備える最も先進的な公園であることを学びました。

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企画展示を担当した吉川氏から直接、長岡安平の業績、今日の公園デザインへの影響を説明していただきました。また展示にはカレッジが所蔵する東京市当時の貴重な資料が多数展示されていました。図は長岡の日比谷公園デザイン案です。実現には至らなかった案ですが、現在の日比谷公園と比較すると興味深いものがあります。学生も熱心にメモを取ったり、写真を撮影していました。