環境社会学部の海外研修が、2016年2月22日から姉妹大学のエセックス大学を拠点に進められています。研修に参加した学生たちは、エセックス大学の生物科学部にて、地球温暖化研究の一つとして取り組まれているサンゴ研究の実験の様子を見学しました。
サンゴの研究として、特に海洋の温暖化と酸性化、CO2濃度の変化がサンゴ種の生育に及ぼす影響への研究が行われていることに、学生たちは強く感銘を受けました。地球温暖化が進むと海洋の温暖化も進み、水温の上昇によりサンゴを生息場を北上させますが、一方でCO2濃度が増せば、海洋の酸性化が進みサンゴの生育場は南下して生育環境に適合しようとしますが、北上と南下の板挟みとなり、サンゴは白化現象を起こして、ついには死滅する危険性が増大します。サンゴの生育状況は、地球温暖化を知る上で、貴重な環境指標ともなっています。
学生たちは、大学構内で毎週開催されている「ファーマーズ・マーケット(Farmer’s Market)」を見学しました。このマーケット(市場)では、近隣の農家が生産している新鮮な有機栽培の果物や野菜、様々な種類のパンやチーズ等の食材の他、同じ場所で中古の書籍も販売され、リーズナブルな価格で購入することもできます。学生たちは、マーケット内で販売されている様々な食材の試食を楽しみながら、地域の農家と大学とのつながりによって成立しているこのマーケットの意義について、それぞれに思いを巡らせていました。
コルチェスター市内に滞在している学生たちは、市内にある歴史的な建造物であるコルチェスター城と場内の庭園を訪れました。場内では、インタープリターからこのような歴史的な建物や環境を保存するためには、並々ならぬ努力が重ねられていることについての説明を受けました。城内には、良好な状態で保存されているローマ時代の遺跡やコイの池、十分な広さの芝生や花壇などで構成された緑地が一体となって歴史的な環境が市民生活の中に根付き、良好な形で保存されていました。
庭園内では、多種の木々の草花が、冬の眠りから目を覚まし、少しずつ開花し始めていました。そして、イングランドの春の訪れを告げるサインでもあるラッパスイセンが、一面に鮮やかな黄色の花を咲かせ、さながら絨毯のように咲き誇っていました。