イギリス研修(No.3)王立キューガーデンで世界の植物種の保存を学ぶ

  • イギリス研修

イギリス研修に参加した学部の学生たちは、2月27日(土)にロンドン郊外にある王立キューガーデンを訪れました。王立キューガーデンでは、湿地や乾燥地、高山気候帯に生育する植物種を展示するためにアレンジされた特別設計の温室により、世界中の野生植物種の10%以上の種を収集し、保存しています。この植物園は、特にヤシ類やサボテン、スイレン、ラン、食虫植物、高山帯の植物種の収集で有名です。

キューガーデンは、絶滅の危機にある種の保存のために積極的な活動を続けている他、本来の生息地が絶滅の危機にあるスイレンやラン、高山植物の種の保存に成功してきました。「ミレニアム・シードバンク・パートナーシップ」は、絶滅の危機にある地球上の植物と将来有用な植物に焦点を当てた世界最大の植物保存プログラムです。植物の種子は、本来の生息地における絶滅の危機に対する保険として、シードバンクで保存されています。

研修に参加した学生たちは、様々なタイプの温室と温室で保有している植物種を見学するとともに、植物の保存に果たしてきたキューガーデンの歴史と役割について、学習しました。そして温室内に展示された様々な植物の視察に際して多様な植物と野生動物との緊密な関係についても、特に注意を払いました。キューガーデンは、また様々な種類の鳥類やキツネ、アナグマ、リス等の野生動物の生息地ともなっています。

(Tim先生からのレポートを鈴木が翻訳)

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キューガーデン内に生息しているキツネ

キューガーデンの特色ある温室群

  • ヤシ温室・・・世界に現存するビクトリア時代に建てられた最大級の温室の一つである。
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ヤシ温室の外観
  • スイレン温室・・・世界で最大と最小のスイレンの種を保有している。
  • プリンセスオブウェールズ(英国皇太子妃)温室・・・10の異なった気候帯で構成される。この温室には、サボテンコーナー、ランコーナー、食虫植物のエリアがある。
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屋外からプリンセスオブウェールズ温室を望む
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サボテン温室

学生たちは、大学構内で毎週開催されている「ファーマーズ・マーケット(Farmer’s Market)」を見学しました。このマーケット(市場)では、近隣の農家が生産している新鮮な有機栽培の果物や野菜、様々な種類のパンやチーズ等の食材の他、同じ場所で中古の書籍も販売され、リーズナブルな価格で購入することもできます。学生たちは、マーケット内で販売されている様々な食材の試食を楽しみながら、地域の農家と大学とのつながりによって成立しているこのマーケットの意義について、それぞれに思いを巡らせていました。

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ランコーナー
  • 高山地帯の温室・・・高山地帯に生育する小さくて繊細な草花を保有。これらの繊細な植物にとって日照条件を調節できるよう特別の設計が施されている。