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新型コロナウイルス感染症との闘い -ICTの役割(その3)-データは語る:新型コロナウイルスの正体を追う
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経営情報学部 斎藤 紀男

1.データは語る −新型コロナウイルスの由来を追う−

忍耐を続けざるを得ない日々の中、この新型コロナウイルス感染症の広がり方を分析し、その正体が見えてきた(!?)というニュースが飛び込んできました。国立感染症研究所1が多くの研究者と協力しながら、この感染症との闘いを進めている研究の成果です。医学、感染学の専門家ではない私にも、とても興味が惹かれる研究報告ですので、その肝となる図を転載します。

図1 新型コロナウイルスの突然変異の解析結果(国立感染症研究所『新型コロナウイルス SARS-CoV-2 のゲノム分子疫学調査(2020/4/16 現在)』2 より)

本論文は次の結論を導いています。
『2020年3月末から4月中旬における日本の状況は、初期の中国経由(第1波)の封じ込めに成功した一方、欧米経由(第2波)の輸入症例が国内に拡散したものと強く示唆された。』
医学や感染学には知見を持たない私ですが、情報システムの観点から見た興味が沸沸と湧いてきます。まず、これらの研究結果を出すためには、大量の検体を識別し、保存し、毀損されないように管理する必要があります。これは人と組織の作業です。
これをデータベース化することからが情報システムの出番です。ここでは、データの構造化という作業をします。これは、データを検索し、集め、分析できる状態に整理整頓することです。よく使われるのはEXCELなどの表計算ソフトで利用されるような、行と列に整理されたデータです。この形でデータを整理することが、リレーショナル・データベース(Relational Database)を使っていく入り口になります。
データが構造化できたら、そこから必要なデータ(ひとつとは限らない。多数のデータが対象です。)を検索し、それらを用いて解析する(ある計算規則に従って情報を加工し、仮説を立てて分析モデルを作り、人が解釈できる形にする。)ということが行われます。そのためには、どのような計算規則(アルゴリズム)を使えば良いか、その計算のためにはどれだけの量のデータが必要か、そして、計算の量はどれほど大きいかなど、とても興味深いです。
常日頃から備えておくことが出来ていなければ、ここで言及した研究成果は得られていなかったのだと確信します。今後もまた(今から言うのもなんですが)、どのような危機に直面するかわかりません。何か起きてしまってから「想定外でした」と言うことは許されません3

2.結び

ICTは企業の競争力という観点で論じられることが大勢でした。それが今や国の存亡をかけた(文字通り、国民の生き残りをかけた)活動にとって必須の基盤であり、ライフラインなのだと認識されてきています。こうした時に経営情報学部に入学した皆さんは、逆説的ですが幸運です。ICTの重要性を目の当たりにし、学習する機会を得て、やってやるぞと意欲を高めているに違いないからです。
ICTは、我々が健やかに生活するために必須の武器なのです。
新入生の皆さん、我らが学び舎へようこそ!

1)https://www.niid.go.jp/niid/ja/
2)https://www.niid.go.jp/niid/images/research_info/genome-2020_SARS-CoV-MolecularEpidemiology.pdf
3)畑村洋太郎『「想定外」を想定せよ』, 2011, NHK出版

問題;
(1)    データベースは何を目的に使用されるのか調べてみましょう。ITパスポート資格などの勉強にも役立ちます。
(2)    「想定外」を想定せよ!の続きです。「リスク」という言葉の意味はなんでしょうか。いろいろな捉え方がありますので、調べてみましょう。

以上