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教員にきく: 近藤 航(国際法)

  • 学科の特色

新任教員の近藤 航(こんどう わたる)准教授にロングインタビューを行いました。

 

専門分野とその面白さについてお聞かせいただけますか?

 専門は国際法です。少年時代をマレーシアで過ごしたこともあり、将来は国際的な分野で生きていきたいと考えてきました。国際法の学術講演をするために海外を渡り歩くことは醍醐味のひとつです。しかし、実際に海外に行かなかったとしても、学問界における世界の外交官・裁判官として、何歳になっても思考は海を越え、時代を越えてどこまでも旅をすることができます。そのようなロマンが国際法にはあり、そのスケールの大きさに魅せられてきました。

 

研究テーマは何ですか?

 2001年の9.11テロ事件を主なきっかけとして、テロと自衛権について研究しています。基本的に国家間のルールである国際法は、テロリストのような国家以外の存在(「非国家主体」)に対して、どこまで効果を発揮できるのか。国際社会における法の支配を強化していく上で重要なテーマであると考えています。詳しくは、国際法学会における研究発表(2016年9月)、ジュネーヴ大学(スイス)における学術講演(同年12月)、グラスゴー大学(英国 / スコットランド)における研究発表(2017年2月)などを踏まえて執筆された以下の拙稿をご覧ください。

 ・近藤 航「国際組織法から観た自衛権 ――『テロリストに対する自衛権』に関する一考察 ――」『一橋法学』第17巻第3号(佐藤哲夫先生退職記念)(2018年)、147-167頁

 ・近藤 航「テロリストに対する自衛権の適用可能性」(7連載)『横浜法学』第25巻第1号(2016年)、213-250頁第27巻第3号(2019年)、397-432頁

 

担当科目について教えてください。

 専門の「国際法」が中心となります。ただし、法学部ではなく国際人文学部に所属していることもあり、法学全般(「日本国憲法」、「法律学概論」)に加え、その周辺分野を含む国際関係・開発協力(「国際ボランティア論」、「NGO・NPO入門」)、さらに語学(「TOEICⅠ・Ⅱ」)や「就職キャリア演習a・b」(SPIの非言語分野:数学)なども担当しています。

 

様々な種類の科目を担当されることについてどのようにお考えですか。

 いろいろな見方はありえるでしょうが、少しでも学生のためになれたらと思っています。研究者としての幅を広げる良い機会にできたらとも思います。例えば、開発協力の講義については次のように考えています。テロ対策を短期と長期に分けると、自衛権による緊急対応は短期的対策として位置づけられます。長期的には、テロの原因(貧困、不公正等)を取り除くべく開発協力が一層重要となります。同講義を通じて、長期的対策についての見識を学際的に深めながら、それを自衛権に関する研究の発展にも活かしていきたいと考えています。

 

目指す大学教員像についてお聞かせいただけますか?

 大学の「国際法学者」には、「研究者」と「教育者」の2つの側面があるとされます。このうち、「研究者」としての側面には孤高の魅力も感じる一方で、国際法分野での一芸に秀でればそれでよいというような尊大な生き方を、無意識的であれしたくはないとも思ってきました。人を育てる「教育者」としての側面には人格的要素が一層大きく入ってきますが、自分は「教育」という職種にこだわってきたわけではありませんでした。「つまり、何者でありたいのか」という問いに対して、答えにどこか満たされない気持ちも残したまま、国際法学への情熱を信じて「国際法学者」と答えてきました。そのような中で、この言葉のもつ不完全さを補うべくヒントを与えてくれたのが、本学の建学の精神(「学問による人間形成」)と教育理念(「国際社会で生きる人間としての人格形成」)でした。「研究者」と「教育者」に、「人格者」を加える。この三位一体が、私の理想です。その中でもあえてどれか1つと聞かれれば、「国際法学者」でなくなったとしても人生に目標を与え続け、自分を気高く支えてくれる「人格者」という言葉の価値を選ぶかもしれません。この価値は、職種を問わないという点で、本学の学生・卒業生、その他すべての人にとって享受・追求(究)できるものであろうと思います。ただ、「人格者」という言葉はあまりにも高尚です。それを目指しているなどと公言するには、今の自分が未熟すぎて恥ずかしさすら覚えます。そういう私たちに、「それでいい、目指してみようじゃないか」と本学の建学の精神・教育理念は堂々と呼びかけています。学生の皆さんと一緒にその実践に取り組める環境を与えられたことを心よりうれしく、誇らしく思っています。