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教員にきく:林 千賀(日本語教育・言語学)

  • 学科の特色

日本語教育養成課程(副専攻)を担当している林 千賀(はやし ちが)教授にロングインタビューを行いました。

 

専門分野・研究テーマはなんですか。

 研究テーマは、言語学の語用論と日本語教育です。最近は、ホテルや空港で働く人からデータを取り、接客場面の日本語を語用論の観点から分析しています。今年は、宿泊に関するコミュニケーションのcan-doを共同研究者と開発中です。日本語教育からは、言語使用の角度から学習者が「いつ・どこで・誰と誰が・なんのために」文法項目を使用することができるのか研究中です。

 

研究の動機はなんですか。

 最初は、日本語学習者と日本人のミス・コミュニケーションのメカニズムなどを研究しており、次に談話標識の「なんか」や「~ていうか」などを研究していましたが、日本語学習者が語彙や文法能力が上がっても、なかなか自然な日本語が話せないということから語用論の「言語使用」に着目し、それが今の研究に繋がりました。接客場面の日本語は語用論的要素がたくさんあります。

 

私たちも目にできる研究成果はありますか。

 最近は、イギリスで発表した後、執筆しました。「接遇ビジネスにおけるおもてなしの『心』を伝える談話の分析−客の要望に応えるスタッフの対応についての意味公式の分析の観点から−」『BATJ Journal』 No.20: pp.42-52 2019 英国日本語教育学会(BATJ) (2019b)。それから、3月に出したばかりの「接客場面で使用される定型表現の意味機能と共起する意味公式の分析−おもてなしの日本語教育を目指して−」No.28.2:pp1-29『城西国際大学紀要』城西国大学(2020)です。本は、『おもてなしの日本語』(共著)や『新・はじめて日本語教育 基本用語辞典』(共著)などもあります。

 

論文を書き上げるための苦労はありましたか。

 最近の私の研究は、接客場面に特化した研究や本の執筆活動なので、現場の声を拾うために、実際にホテルや空港などで働く人たちを探し、インタビューやロールプレーをデータ分析の対象としています。多くの方々にご協力いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

城西国際大学で教鞭を取る前は何をしていましたか。

 主にアメリカ人を中心に日本語を教えていました。最初は日本語学校で教えていましたが、ご縁あって、アメリカの大学(ダートマス大学、ハーバード大学、ミドルベリー大学の夏季日本語学校、ミシガン州立大学連合日本センター)の日本語学習者に教えていました。日本語を教えることが大好きです。それは、学生の成長を身近で感じることのできるやりがいのある仕事だからです。

 

研究以外ではまっていることはなんですか。

 私の趣味は、演劇鑑賞と美術鑑賞です。若い時はよく劇場や美術館・画廊巡りをしていましたが、研究活動を初めてからはなかなか、いけなくなってしまいました。最近は、散歩がてら、綺麗なお花の写真をとって楽しんでいます。四季折々の花で癒されています。それから、2020年実施予定だった東京オリンピックのために空港でボランティアをする予定です。

 

国際交流学科の学生については、どう思われますか。

 原石です。磨けば磨くほど輝きが増す素晴らしい学生たちばかりです。本学を卒業して社会で活躍している元学生に会うのは、とても幸せです。

 

大学では、何を教えていますか。

 日本語教育養成課程(副専攻)の科目で日本語教授法、日本語の文法、異文化間コミュニケーションなどを教えています。日本語教師にとって国際交流学科で学ぶ国際的な視野からみた科目はとても重要です。私自身、日本語を色んな国から来る留学生に教えた経験から、異文化間コミュニケーションの能力が本当に必要だと感じています。日本語教育実習という科目で実践面も教えています。

 そして2005年から毎年、コミュニケーション・インターンシップの担当者として引率をしています。今までに独立行政法人国際交流基金の助成を受けながら、台湾、ハンガリー、ハワイ、アメリカなどで学生さんに日本語教育実習の場で学んでもらっています。

 

海外での日本語教育実習はいかがでしたか。

 参加する学生たちは、教壇に立つのは初めてですが、研修が終わる頃には、本当に上手に日本語を教えられるようになりました。参加者の中には卒業後に日本語教師になった人もいます。

 

これまでに日本語教師になった先輩たちはいますか。

はい、国内外で教えている教師たちがいます。過去にはカナダ、フィリピン、中国、マレーシア、韓国、台湾、などで教えていました(国際交流学科の海外で活躍する卒業生をチェック)。今はほとんど帰国していますが、日本語教師を続けていたり、国際的な仕事をしている人たちが多いです。写真は、国際交流学科の卒業生で、本学で非常勤講師として日本語を教えている佐藤 明子さん(左)です。最近は一緒に研究もしています。

 

ゼミではどのような活動をしていますか。

 林ゼミでは、日本語教育と異文化間コミュニケーションの観点からディスカッションを中心に授業を行なっています。今年は、SDGsの17のトピックから3つ(「4. 質の高い教育を皆に」から日本語教育、「5. ジェンダー平等を実現しよう」からSOGIハラ、そして「14. 海の豊さを守ろう」からゴミ問題)をテーマに選びました。どのテーマにおいても「知る・考える・行動する」を共通の枠組として、学長所管学生研究奨励金をいただきながら研究をしています。

 

授業で心がけていることはなんですか。

 知識だけではなく、考える力とグローバルな環境下で自分の意見をはっきり言えるコミュニケーション力を身につけてもらいたいと思いますので、授業では必ず、ディスカッションの時間を取り入れています。そして相手の話を聞く姿勢も重視しています。

 

これから国際交流学科に入りたいという学生に一言お願いします。

 是非、国際感覚を身につけ、国際社会で活躍できる人材に成長してもらいたいと思っています。海外で働く選択肢の1つに日本語教師という仕事もあります。そのためには、国際関係、国際協力、異文化間コミュニケーション力もしっかり本学科で学んでもらいたいと思います。心からお待ちしております。

 

最後に、林ゼミの学生に林先生について聞きました。

 学生との距離感が非常に近く、何でも気軽に相談できる先生です。学生たちの些細な問題や悩みについても親身になって話を聞いてくれます。何事に対しても学生と一緒に取り組み、普段から熱意をもって接してくれるので多くの学生から信頼されています。