水田コレクション

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浮世絵版画は17世紀後半、菱川師宣が版行した墨摺の一枚絵から始まり、やがて墨摺の主版に手彩色した丹絵や漆絵、紅絵、主版に紅と草色を摺り重ねた紅摺絵へと発展します。明和2年(1765)に、鈴木春信らによって木版多色摺の「錦絵」が開発されると、版元と絵師、職人たちの協力のもと、高度な技巧を駆使した多様な表現が生まれました。
たとえば、髪の毛一本一本を精緻に彫りだす技、文様を光の加減で見せる「正面摺」、写楽の大首絵などにみられる「雲母摺」など、競って新しい木版表現があみ出されます。そして、北斎や広重によって風景版画が全盛期を迎える頃には、天候や時の移ろいを表す高度なぼかしや微妙な色の重ね摺りが自在になり、我が国の木版技術は世界に類を見ない高みに達しました。
このたびの展覧会は、浮世絵版画の彫り、摺りの洗練された技巧と、表現の工夫に注目します。あわせて復刻版により浮世絵版画の摺りの工程を紹介します。

鳥居清重《二代目市川団十郎の不破伴左衛門と大谷広次の山名入道》細判漆絵、享保16年(1731)

鳥居清重《二代目市川団十郎の不破伴左衛門と大谷広次の山名入道》細判漆絵、享保16年(1731)

東洲斎写楽《二代目瀬川富三郎の大岸蔵人の妻やどり木》大判錦絵、寛政6年(1794)

東洲斎写楽《二代目瀬川富三郎の大岸蔵人の妻やどり木》
大判錦絵、寛政6年(1794)

関連イベント

●ワークショップ「彫師の実演+摺り体験」
彫師の彫りを見学した後、木版画の摺り(1色のみ)を体験します。摺った版画はお持ち帰りいただけます。
7月17日[水] (1)11:30~12:30 (2)14:00~15:00
講師:アダチ伝統木版画技術保存財団
会場:図書館1階オリエンテーションルーム
定員:各回30名(申込先着順)
要予約:電話にてお申し込みください Tel.0475-53-2562
参加無料


●ギャラリートーク(学芸員による展示解説)
7月13日[土]13:30~
予約不要

勝川春英《人形を遣う浅尾為十郎》細判錦絵、天明8年~寛政2年(1788~90)頃

勝川春英《人形を遣う浅尾為十郎》細判錦絵、天明8年~寛政2年(1788~90)頃

歌川広重《六十余州名所図会 上総矢さしか浦 通名九十九里》大判錦絵、嘉永6年(1853)

歌川広重《六十余州名所図会 上総矢さしか浦 通名九十九里》
大判錦絵、嘉永6年(1853)

ご利用案内

開館時間:10:00~16:00
休館日:日曜日、月曜日
入館料:一般300円、高校生以下無料

交通案内

●JR外房線大網駅またはJR総武本線成東駅乗り換えでJR東金線求名(ぐみょう)駅下車、徒歩5分
●車では、京葉道路・館山自動車道の千葉東ジャンクションより千葉東金道路に入り、東金インター下車、国道126号線を成東方面へ約20分、信号「城西国際大前」右折
●JR東京駅、JR横浜駅、JR西船橋駅、JR木更津駅、JR千葉駅、JR蘇我駅、JR大網駅、JR成東駅、JR東金駅、京成成田駅よりシャトルバス運行
詳細はこちらから

問い合わせ:城西国際大学水田美術館 〒283-8555 千葉県東金市求名1番地
      Tel.0475-53-2562 https://www.jiu.ac.jp/museum

webデザイン:メディア学部クロスメディアコース3年 國分若菜
ページ制作:メディア学部クロスメディアコース3年 松浦みなみ

チラシ

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