戦後のGHQ占領下、民間貿易が再開された1947年(昭和22)から1952年まで、日本の輸出品には「Made in Occupied Japan(占領下の日本製)」と刻印することが義務付けられました。おもにアメリカに向けて陶磁器や漆芸品、金工品、おもちゃ、カメラなど、様々な製品が輸出され、近年では、刻印のある製品はコレクターズアイテムとなって親しまれています。
このたびの展覧会では、コレクターより寄贈されたオキュパイドジャパンコレクションお披露目の第三弾として、陶磁器製の小物を展示します。陶磁器製の置物や装飾品は、戦前より瀬戸を中心に輸出用として盛んに生産されていました。第二次大戦中の中断を経て、戦後に生産が再開されると、これらは洋食器と並んで主要な輸出品となります。精巧な製品もありましたが、多くはバラエティストアで売られる大量生産の安価で素朴なものでした。西洋人物をモチーフにした壁掛け、動物の置物や器、煙草入れや灰皿、ミニチュアなど、およそ75年ぶりに日本に里帰りしたかわいい小物の数々をお楽しみください。