江戸時代の人々の身近なメディアであった浮世絵版画は、現代でいえば、最新ファッションを知るグラビアであり、ひいきの芸能スターのブロマイドであり、旅情を誘う観光地の絵はがきでした。憧れの遊女、歌舞伎や相撲興行、寺宝の開帳などの娯楽情報だけでなく、大地震が起こると「鯰絵」が出回り、はしかが流行すると予防やまじないとして「はしか絵」が出版されるなど、世相を反映した浮世絵も流通しました。
この度の展覧会では、江戸の人々が浮世絵に何を求め、どのように使っていたかという視点で、テーマごとに作品を展示します。浮世絵を通し江戸時代へのタイムスリップをお楽しみください。
鈴木春信《六玉川 千鳥の玉川》部分、明和4年(1767)頃
三代歌川豊国《踊形容楽屋之図・踊形容新開入之図》安政1年(1854)
歌川国貞《吉原時計 亥ノ刻 夜の四ツ》文政(1818~30)中期
東洲斎写楽《谷村虎蔵の鷲塚八平次》寛政6年(1794)
歌川国郷《両国大相撲繁栄之図》嘉永6年(1853)
以上、当館蔵
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