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新入生に期待すること(学長告辞)
  • 城西国際大学
城西国際大学 学長
杉林 堅次

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延防止のためやむなく入学式を中止しました。私どもは、新入生の皆さんはもとよりご家族の方々にも、節目のセレモニーを開催してあげられなかったことを大変心苦しく思っています。また、入学が決まっているのに4月になっても日本に入国できない留学生がいます。私どもは、彼らと心をいつにし、状況の一日も早い回復を願っています。

まず、新入生の皆さんに城西国際大学について紹介します。城西国際大学は英語名Josai International Universityの頭文字をとってJIUと略称しています。JIUは、千葉県内の総合大学では千葉大学に次ぐ約6,000名の学生数を擁する大学で、ここ千葉県東金市にある千葉東金キャンパス、鴨川市の安房キャンパス、そして都心に位置する東京紀尾井町キャンパスで教育をしています。この三つのキャンパスには、八つの学部と六つの大学院研究科、それに留学生のための留学生別科、生涯学習のためのシニアウェルネス大学があります。令和2年の4月には、これらをあわせ1543名の新入生を迎えました。JIUは留学生比が約20%の国際色豊かな大学です。キャンパスの至るところで留学生に出会うことが出来ます。

本学の母体である学校法人城西大学の創立者は、戦後日本の経済成長を指導した政治家 水田三喜男先生です。先生は戦後の復興が一段落した1965年に戦後復興の次は、次代を担う人材育成が最も重要との強い思いから学校法人城西大学を設立され、「学問による人間形成」を建学の精神として掲げられました。学問、すなわち知識や技能を身につけることも大切ですが、教育の真の目的は人間をつくることだと言われたのです。 一方、JIUは1992年に三喜男先生の後を継がれた水田清子先生によって創立されました。本学は、大学のビジョンにあるように、高い倫理観のもと、地域社会および国際社会のニーズに対応した先端的教育の提供および研究の推進をもって、地域にあっても日本全国はもちろん、世界で起こっていることを意識して活躍できる人材を育成する未来志向のグローバル大学になりたいと考えています。

皆さんはこれからの学生生活において、地域の人々に大変お世話になります。皆さんには、学問の実践の場として、地域への活動に積極的に参加していただきたいと思います。国際教育の面でも本学は実践的学びを重視しています。新入生の皆さんも出来るだけ早い機会に海外研修を経験して下さい。海外には当然のことながら日本と違う文化がありますので、そのことを知るだけでも若い皆さんには大変貴重な経験になります。地域Localと国際Globalはまさに表裏の関係です。地域を知ることによりGlobalな考え方が、また、Globalを知ることでLocalで生きることの重要性が理解できます。

いま、すなわち2020年の世界は、人類の文明が行き着いた巨大な混沌の中にあると言われています。インターネットの普及によりグローバリズムが本格化し、アメリカにいくつかの巨大IT企業が出現しました。また、世界の人口の20%近くを擁する中国が急激に発展し、アメリカと世界を二分するほどの国家に成長しました。さらに、開発途上国の経済発展も著しく、極貧国と言われる国はサブサハラの一部の国々だけになってきたとも言われます。しかし一方で、先進国内で格差が広がり、ここ日本でも高齢者や子供の貧困が問題になり始めています。
皆さんは、「人生100年時代」という言葉をお聞きになったかと思います。ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授は彼女の著書「LIFE SHIFT――100年時代の人生戦略」のなかで、長寿化により引退後に余生を楽しむという人生は終わる、と述べています。すなわち、これからの人々は「教育」「勤労」「引退」の3ステージ人生から、マルチステージ人生へ移行すると述べています。新入生の皆さんは今世紀終盤にも活躍していくようなポジティブな考え方を身につけなければなりません。 近年の科学技術の発展は目覚ましいものがあります。特に、AI、IoT、ロボット、さらにはビックデータなどをはじめとする情報科学の進歩は、前述したように私たちの日々の生活様式を一変させました。我が国ではSociety 5.0という用語を使い始めています。Society 5.0では、IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出だせるといわれています。AIにより、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されることが期待されています。また、生命科学の進歩も著しく、数年先にはヒトの体の組織でさえ機械でできたパーツに替えることができるようになり、新入生の皆様が生きている間に、ブレインコピーまで可能になる時代に突入するとさえ言われています。まさに、人は「人間と区別できないようなヒト型機械」を作る科学技術を得ることになります。

このような科学技術や生命科学が進歩する中で、我が国は今後どこに向かって、また、どのように進めばよいのでしょうか?また、将来の我が国を支える新入生を始めとする我が国の若者は、どのようなことを学んでいけばよいのでしょうか?また、科学技術とも共生して、どう生きていけばよいのでしょうか? 本学では、このような簡単に解答が得られないような問題にもチャレンジしていただきたいと思います。学ばねばならないことは膨大になってきました。また、大変難しいことに、学ばねばならないことが、当然ながら時代とともに変わっていきます。皆さんはこのような激動の時代に学びながら生きていくことになります。しかし、心配ばかりしていても前には進めません。学ぶ姿勢は不変なものです。学ぶ姿勢がしっかりできてくれば、変えていくものと変えてはいけないものの区別もついてくると思います。また、いま必要だと言われているイノベーションを引き起こすことが可能な考え方も自然と身についてくると思います。

皆さんがJIUでこれから身につけられるであろう知識、技能、考え方と生きる姿勢、さらには周りに配慮しながらも主体的に学び続ける態度は、皆さんが社会に出た時、きっと役に立つものと思います。皆さんは、学部や大学院で「学ぶ姿勢」を身に着け、地域にあっても、日本全国はもちろん世界で起こっていることを意識して活躍できる人材になってください。

それでは、新入生の皆さん、先輩学生やわれわれ教職員と一緒に城西国際大学での生活を始めましょう。先輩学生や教職員は、皆さんの相談にのり、皆さんが様々な困難を乗り越えていくときに必ずお役にたつと思います。

以上、新入生の皆さんが元気に充実した学生生活をおくることを期待して、紙面での告辞とします。

2020年4月吉日
城西国際大学
学長 杉 林 堅 次