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カナダオンライン研修(2)

  • 海外研修

EFNO報告2020(2週目/4w)

8月18日(火)5日目 Unit 4: Accidents and emergencies

 今日の日本の気温は、先週の35℃以上の猛暑より低めの33℃ほどですが蒸し暑く、少しオンラインの疲れが溜まってきたようで、学生の表情は何となく重い気がします。一方、カナダでの気温は31℃あり、珍しく気温の高い一日です。Lisa先生は「暑い日の続く夏は短く、せいぜい5日くらいしか続かないので、扇風機だけで過ごしますよ(エドモントンのほとんどの家に冷房はない)」と仰っていました。
 また、アルバータ大学生として取得したメールアドレスへ、Lisa先生からのメッセージが届いていない、学生の一人は不運にもパソコンが突然壊れたなど、オンライン・クラスならではのトラブルは続きました。それでも学生は、グーグルサイトに設定された「e-class」にアクセスを試みて、なんとか全員クラスに参加することができました。
 

救急措置の教材に使われた YouTubeより
 

 さて、本日は「事故と救急措置」がテーマです。まず、学生は“飛行機墜落事故が起きた時”を想像します。何とか生き延びたものの、見慣れない土地に不時着し、飛行機から散乱した物品のうち何が使えるか、どのように使って命を守るのか、考えていきました。英語のキーワードの意味と使い方、文法では指示形(一刻を争う状況で的確に指示する表現)を学びました。また、YouTubeを用いて実際の救命措置をシミュレーションし、小テストで知識や理解を確認しました。具体的には、CPR (Cardio pulmonary resuscitation, 心肺蘇生法)はじめ、AED(自動体外式除細動器)の適用条件と具体的対応法などです。カナダでは、日本のように救急車を頻回に呼ぶことは難しい(ほぼ海外は同様)ため、「ヘルプライン(helpline)」という救命対応に関する電話窓口が居住地域ごとに存在します。本人の緊急事態に慌てた家族などからの電話に対して、状況を的確に把握し的確に指示し、人々の救命に貢献しています。その窓口には多くの場合には看護職が担当しており、適任と言えます。

 本日のReflection(経験から学びを見出すための省察、振り返り, 以下:Reflection)は自分自身の救命措置に関する経験について語ります。

 学生報告:Maaya Nakamura
 今日から2週目に入りました。すべてのことに精一杯だったのであっという間に感じます。そして今日は「救急時の医療や看護」について学びました。もし私たちが飛行機事故でジャングルに残されたらと仮定してグループを作って何が必要かについて話し合ったりしました。自分たちで想像しながら考えるのは楽しくて自然と会話が弾みました。

 また、CPR(心肺蘇生法)とは何か、その手順について動画を見ながら学びました。もし自分が英語圏でまたは海外の方に協力を依頼することになったらとイメージをしながら取り組みました。CPRで行うことを順番に表した頭文字でDr’s ABCなどがあって覚えやすく、また一つずつLisa先生にわかりやすく教えて頂けたので、すんなりと理解することができました。胸部マッサージにはABCの歌に合わせてやることが多くイメージしやすかったので、私もその場面になったら使おうと思いました。

 いつ何時このような状況下に自分が行くかわからないので、しっかりと身に付けるべきだと感じました。EFNO2週目に入り、緊張が和らいできて少しずつ環境に慣れてきたので、楽しんで学んでいけたら良いと思います。

 


8月19日(水)6日目 Unit 5/6 Describing pain and symptoms

 本日は、「疼痛と症状について説明できる」がテーマです。痛みの種類や多様な症状についての用語をクイズやリスニングを通して押さえたうえで、患者役と看護師役、そして観察役のロールプレイを行いました。ロールプレイの患者役として、アルバータ大学を卒業した2名の看護師と看護師を目指す学生さん3名(4年生)、計5名がボランティアで参加してくれました! 
 Malak El Ashryさん, Eve Pさん, Vicky Changさん, Eunah Chaさん, Claireduongさん、温かいサポートと楽しい交流の時間を誠にありがとうございました!

 

 学生報告:Maki Kamei
 今日は、「痛み」と「症状」についての表現方法を学びました。日本でも、「頭がズキズキ痛む」や、「皮膚がヒリヒリする」など擬音語を用いて痛みを伝えることが多いですが、英語でも同様に様々な痛みの表現があることを学びました。普段聞き慣れない単語が多く混乱しましたが、患者さんの痛みの種類や程度を正しく情報収集することは、適切なアセスメントや看護ケア提供する際にも重要であると考えます。
 
 その後、アルバータ大学の看護学生にも参加して頂き、患者役と看護師役に分かれ、症状や痛みについてのロールプレイを行い得た情報から、Symptom Reportを作成しました。一度で全ての情報を聞き取ることは難しかったのですが、アルバータ大学の学生は聞き取りやすい英語で、私の拙い英語の質問にもとても親切に答えてくれました。今日の講義を通して、患者さんの症状や痛みの表現だけでなく、情報収集の際の表現やプロセスなど多くの学びを得ることができました。



8月20日(木)7日目 Unit 7 Understanding the needs of elderly patients

 本日は、「高齢者のニーズを理解する」がテーマです。ゲスト・スピーカーにはMurray Rasmusson様、なんとLisa先生のお父様(72歳)に登場していただきました。ご高齢のカナダ市民の声に耳を傾けることにより、日々どのようなことを考え、感じて暮らしているのか、カナダにおける高齢者施設や医療制度を踏まえてご高話いただきました。以下、個人情報が含まれますが、ご本人より「どうぞ学びに役立ててください」と、了解を得ております。

 Murray様の自己紹介
 私は72歳です。身体活動が好きでクロスカントリー、バードウォッチング、自転車に乗ってサイクリングに出かけたりするのが好きです。旅行も大好きです。料理も作ります。ただ、年をとるごとに医療は必要になりますね。51年間結婚生活を送っていました(奥様に先立たれました)。家族の皆で過ごした自宅は広すぎて管理も難しくなり、現在はRed Deer(パートナーの死別等により一人身になった高齢者が住む施設)で暮らし、非常勤雇用で農場の仕事をしています。1974年、45年前に日本の北海道に来たことがありますよ。国際北部地域連絡会議にカナダの国家公務員の職務で出席しました。

 Health care systemについて:
 医療制度(皆保険)は日本と同じだと思いますが、エドモントンでは家庭医がいます。定期的な検査の他に、心臓など調子が悪い時には家庭医に紹介してもらい専門医specialistに診てもらいます。  

 地域のPrimary care network
 日々の暮らしの中で容体が悪くなったり緊急事態が起きたりした時に役立っているシステムがPrimary care networkです。連携が必要な際に専門看護師Nursing expertの関与はとても重要です。看護師長をはじめとするグループ・ミーティングなど医療専門職や福祉職との連携の場であるPrimary care networkの存在には助けられています。睡眠、痛みの問題は高齢者にはよくある一般的なことですが(氷上で転倒の際にも)そのような良くある症状や健康問題についてチームとしてアプローチするシステムがあります。

 Golden Circle Seniors’Centre in Red Deer: Red Deerのなかに日本の長寿会のような社交の場があります。

 Health care centerでは主に認知症の患者をケアします。Care homeでは身体的な弱者が多いのが普通で、異変への救急措置が遅れがちで死亡率は高いです。重大な疾病や症状などがなければ、在宅が便利で良いですね。ただし、在宅の場合は訪問によって状況を定期的にチェックしてほしいです。もちろん電話でも良いので、頻回に声かけをしてほしいです。

 COVID-19の高齢者への影響
 集団感染など発見の遅れと医療機関受診への遅れによる高い死亡率、交流が減少することによる認知症リスクや脆弱性の進展の可能性がより高くなります。

 今後の高齢者ケアのあり方について
 今後、高齢者に必要だと思うのはtele-health(直接受信せず、電話やオンラインで診療して薬などが郵送される)によって必要な治療を続けることだと思います。高齢者にとっても往復の負担が減って良い点もあります。健康を保ち、予防するにはBetter diet and nutrition(栄養バランスに配慮したより望ましい食事)が一番、次に運動、禁煙や適度な飲酒行動だと思います。また、社会的交流を減らさないことが重要だと思います。

【JIU学生からMurrayさんへの質問と回答】

Q1:自分を元気づけるために、どのようなことをしたいと思いますか?
A1:できれば海を渡って旅行したいですね。旅行が大好きなので。

Q2:どんな時に幸福を感じますか?
A2:今、十分に幸せですが、孫が元気で活躍したり成功したりするのを見るのが一番嬉しいです。

Q3:若さを保つ秘訣を教えてください。
A3:より多くの人の話を聞くことが重要で、特に医師や看護師など専門職の話を多く聞くことで正しい情報を知り、実践することが若さと健康を保つために重要と思います。

Q4:より良いケアを受けられるためにはどのような条件が必要だと思いますか?
A4:より良い長期的なケアには、看護師の存在と医療機器の整備、皆が標準的な医療や定期的な検査を受けられることが必要だと思います。また、友人や近所などの支え合いなど公的機関による支援だけでなく、非営利団体による支援が整うこと、より在宅に近く個別性に応じたケア、共同住宅など家族により近い状況になれば良いと思います。

Q5:看護師にどのような活動を求めますか?
A5:私は特に血圧が高く、眠りについて相談もしたいので、的確に相談に応じてくれる看護師の存在は私にとって重要です。また、健康を保ち予防するために①食事療法 ②運動 ③健康に影響する食品や習慣(喫煙・飲酒行動など)について分かりやすく伝えてほしいです。

Q6:もしCOVID-19が終息したら、どんなことをしてみたいですか?
A6:まず元の生活に戻りたいです。その前にワクチン開発が上手くいくといいですね。元の生活とは、やはり親戚同士で直接会って語り合うことです。お互い自由で独立した関係でありながら、連絡を取り合って繋がっていたいですね。
 

 Murrayさんはとても健康意識が高く活動的で、現在も非常勤ながら仕事をされており、社交的な場にも参加しボランティア精神に富み、理想的な年齢の重ね方をされていると感じました。このボランティア精神はカナダ市民に共通する文化ではないかと感じました。
 日本とカナダとの高齢者ケアの違いはほとんどなく(女性の方が社交的なのも国民皆保険制度も同様)似ています。違いは入所人数の規模です。カナダがRed Deerのように多くの高齢者が施設に入所しているのに対して、日本も入所施設は多くありますが多くても200人くらいの入所規模です。また日本ではグループホームがより多くて(日本は今後さらに増やす方針です)、15~20人以下の入所者数であり各々ができる範囲で役割分担をして、家族的な雰囲気があります。医療的ケアは専属の医師・看護師が定期的または緊急時に対応できる体制になっています。カナダにもグループホームはあると仰っていましたが少なく、今後増やす必要性を感じていらっしゃいました。医療チームの連携の重要性も同様です。違うとしたら、高齢化率です。2018年日本の高齢化率28.1%に対してカナダは17.4%です。お話にもあったように今後進めていくべき内容を既に日本は行っている(より在宅に近いグループホームを主とするように健康政策を進めている)ということだと理解しました。
 今日はバハウ先生の参加も得て、「人生で最も良い思い出はどのようなことでしょう?」という質問をされました。これに対してMurrayさんは「1990年にウクライナ共和国(東にロシア連邦、西にハンガリーやポーランドの間を挟む位置、ウクレーンと発音)で国家公務員であった関係で講師として講演が終わった後に(東西の壁がなくなり西のカナダから来た平和の象徴としてのMurry氏が冷戦の終結を象徴する存在として)スターリンの椅子に座って受講生や関係者と皆で一緒に笑ったのが一番の思い出です。」と仰いました。 
 1989年に東ヨーロッパ諸国で民主化運動が起こり、ドイツでは、ベルリンの壁が28年ぶりに開放され、1990年、東西ドイツが統一し、東ヨーロッパの社会主義圏は消滅し、戦後ヨーロッパの構図が大きく変わった歴史的な年が1990年です。とても誇らしく、目を輝かせて説明される姿が印象的でした。
 本日のReflectionは、「今日のお話で、あなたが興味を持ったり驚いたりしたことはどのようなことですか?」です。
 

学生報告:Akane Suzuki
 Murraryさんの話を聞いて、高齢者もアウトドアアクティビティや料理などをして健康を保っていることを学びました。私の想像する高齢者のイメージはゲートボールしたりウォーキングなどは日本の高齢者もして健康を維持してるイメージはありますが、カナダの方はお自分が思ってるよりもアクティビティをして自分の健康保持をしているんだと感じました。
 また、日本とは違うなというところで、家庭医がいることに驚きを感じました。たしかに、家庭医がいれば普段の生活において自分の体について気になることや生活する上で不安なこと、アドバイスなども受けられてとてもいい制度だと感じました。また、日本にもあれば病気の早期発見にもつながると思いました。



 

8月21日(金)8日目 Unit 8 Analyzing nutritional information

 本日は、「栄養に関する情報を分析評価する」がテーマです。カナダでは、2007年から食事ガイドはあったのですが、市民の食生活に浸透するには難しく複雑で分かりにくいという問題がありました。そこで科学的根拠に基づいて食料品業界からの(営利目的の)圧力に影響を受けない、真にカナダ市民に健康をもたらす画期的な食事ガイドを国が提案し、2019年から実践され、広がっています。具体的には1日当たりの食事の栄養バランスが重要であり、50%は野菜と果物、25%はたんぱく質の豊富な食品、25%は全粒粉の穀物、そして甘い飲み物ではなく水を飲みましょう、というシンプルなメッセージです(次の図)。国民が身近に感じ、簡単に料理したり食材を選んだりできるようにレシピも用意されています。カナダは将来の高齢化に対応するために予防が重要だと国を挙げて取り組んでいる、その重要課題が食事改善です。理に適った効果的・効率的な健康政策だと改めて感じました。
 毎週木曜日に参加・協力機関のSEC(Student Engagement Center)から、今日は4名(Paritoshさん,Juanitaさん,Bryceさん、Mishmaさん)のボランティアが参加してくれました。お料理のことについてグループに分かれて楽しく会話しました。美味しい話は世界共通、笑顔になります。暑いのでアイスクリームやかき氷、チョコレート、大豆でできたお菓子の話で盛り上がりました。バーベキューでの焼きバナナ、ぜひ試してみたいです。

 本日のReflectionは、自分自身の家族へ朝・昼・夜にはどのような食事をとっているのか、インタビューして聞き取った内容を英語で報告します。

学生報告:Aoi Ukawa

 今回の授業では栄養について学びました。それぞれのビタミンがどの食材に含まれていて、どのような作用があるのか学習することができ、復習にもなりました。カナダの学生とも好きな料理や好きなスナック等について話し合いました。スナックというと私はお菓子のことだと思っていましたが軽食という意味で使われていました。カナダの学生はアイスクリームやケーキが好きだと言っていました。
 カナダの学生は自分たちで作った食事をインスタグラムにアップしているとのことだったので、共有してもらいました。カナダではラーメンや焼き鳥などの日本食がブームとなっておりスーパーでも購入できるようですが、日本よりは値段が高かったですが、かなり人気だそうです。
 リフレクションでは私の母の一日の食事や活動量について記録して、アセスメントをしました。便利ですぐに食べられるファーストフードを利用しがちですがカロリーも脂質も高くなってしまうので、気をつけなければいけないと思いました。

EFNO参加学生のReflectionより(一部抜粋, by Aoi)




8月22日(土)9日目 Unit 9 Blood and taking blood pressure

 本単元では、「血液と血圧測定」がテーマです。まず血液の働き、血圧の意味や正常範囲、機序を理解しているかどうかをクイズやリスニングで確認していきます。また、異なる血液型を混ぜるとclumping(凝固)が起こり、血液が動かなくなり、当然の結果として死に至ります。各々の血液型(A⁺・A⁻・O⁺・O⁻・B⁺・B⁻・AB⁺・AB⁻)との輸血等の組み合わせを一覧表にしました。その表を用いてどのように対処したら安全か、誤った組み合わせの場合、どう対処できるかについて整理しました。
 また、血圧測定については、アルバータ大学の看護学生4名のボランティアが実際に血圧の機序、正常範囲を丁寧に説明しながら血圧測定のデモンストレーションをしてくれました! Lydiaさん, Lisaauさん, Xin Zhooさん, Aakrityさん、きっと今日説明するために事前に準備や練習をしてくださったのですね。本当にありがとうございました!(次の写真:ZOOMのチャットに各自が学びを書き込みました)
 本日のReflectionは、自分で血圧を測定してみて収縮期と拡張期の血圧値をアセスメントし、血圧を正常に保つための生活習慣について述べることです。

アルバータ大学看護学部の皆さん、血圧測定デモをありがとうございます!   *右:チャットで学びの共有

学生報告:Yui Yamaguchi
 この日は、主に血圧についてと、ビタミンDが脳の病気に関係していることについて学び、そのほか血液型や体の臓器の役割などを英語で勉強しました。血圧に関しては、収縮期血圧と拡張期血圧の説明や、なぜ高血圧が良くないのか、高血圧になるとどういうことが起きるのかについて学び、短い症例(高血圧の女性の話)を読み、設問に答えるといった問題も解きました。
 Lisa先生がzoomミーティングから2~3人グループでブレイクアウトルームにランダムに振り分けてくださり、そこで問題文を読みながらみんなで回答を考えました。答えの根拠が見つけられなくても教え合いながらできるのでみんなで理解を深められたと思います。また、ビタミンDが身体にとってどう大切かや、認知症に与える良い影響についてのリスニングを聞き、クイズに答えました。自分が聞き取れるまで繰り返して聞いて回答し、答え合わせをしてから聞き直すと、より聞き取れるようになりました。