「九十九里コミュニティヘルスケア夏期セミナー2016」
テーマ:『今こそ「災害」の話をしよう
      ~ひと・まちを支えるということ~ 』


【本セミナーの特徴】

 本セミナーは、地域密着型の医療・福祉専門職を目指す若者たちの学びの場です。温暖な気候と豊かな食材に恵まれている九十九里地域は、医療や福祉サービスにおいては充実しているとは言えません。人口の超高齢化と減少化の流れに対し、知恵と勇気とヒューマンネットワークを活用して、地域住民が最期まで安心して暮らせるまちづくりを提案していきます。

日時:2016年8月27日(土)10時00分~8月28日(日)16時30分(予定)
場所:城西国際大学東金キャンパス、九十九里地域
宿泊先:サンライズ九十九里(住所:九十九里町真亀)
参加費(受講生):学生3,000円、一般7,000円 ※オブザーバーは別途お問い合わせください。
定 員:40名(超過の場合、抽選有)…募集:7月11日(月)開始―8月18日(木)締切  *キャンセル料は、8月22日(月)以降・全額
対 象:医療・福祉専門職を目指す学生、ヘルスケア・まちづくり志向の高校生・大学生・社会人・専門職(高校生は、保護者の了承が必要です)


九十九里コミュニティヘルスケア夏期セミナー2016(クリックするとPDFで表示します)


 スケジュール (予定)

 1日目 集合場所 城西国際大学 M棟1階会議室
 → 城西国際大学への交通アクセスはこちら
 【ご参考】JR京葉線・東京駅7:50発⇒JR蘇我駅8:40発⇒JR外房線・大網駅9:01発⇒JR東金線・求名駅9:16着  JR千葉駅8:31発⇒JR外房線・大網駅9:01発⇒JR東金線・求名駅9:16着  JR千葉駅8:39発⇒JR総武本線・成東駅9:40発⇒JR東金線・求名駅9:44着
  なお、お車でお越しの場合は、大学構内に駐車することもできます。申込書にその旨記載してください。セミナー当日は入学試験も実施されている関係上、お車で入校の際、「九十九里コミュニティヘルスケア夏期セミナー参加のため」とお申し出ください。
 
  9:30 受付開始
 10:00 開会のあいさつ、セミナー概要説明
 10:20 基調講演Ⅰ
      『瓦礫の中から生まれた未来~女川からの報告~』
       宮城県女川町 髙橋正樹 氏
 11:30 救急対応体験型WS
      『被災傷病者に対する応急処置と病院への搬送(仮)』 東千葉メディカルセンター・山武郡市広域行政組合消防本部
       内容:災害現場において受傷した傷病者の現場に遭遇。応急処置を実施した後、災害拠点病院(臨時救護所)へと搬送する。その後、
          受傷状態、病態に基づきトリアージを実施、初期医療、急性期医療、トリアージの重要性、救護所、医療機関との連携の理解を深める。
 12:45 昼食
 13:30 フィールドワーク(FW)先へ移動 到着次第開始
 17:00 FWを終了して宿泊場所(「サンライズ九十九里」)へ移動
  まとめ
 18:30 夕食
 20:00 ナイトセッション
     事前調査報告Ⅰ『被災者のこころの声を聴く』学生スタッフ、協力:松下やえ子 氏
 21:00 懇親会で親睦を深めよう!

 2日目
  8:20 「サンライズ九十九里」出発、城西国際大学へ移動
  9:00 事前調査報告Ⅱ
      『震災関連死・避難所における健康被害』学生スタッフ
  9:30 FWまとめ
 11:00 プレゼンと共有
 12:30 休憩・昼食
 13:30 基調講演Ⅱ
      『被災地支援ボランティア活動』
       株式会社 大里綜合管理 野老真理子 氏
 14:45 振返り
 15:00 意思表明
 16:00 閉会のあいさつ

 フィールドワーク先


(1)「災害時保健活動」(山武健康福祉センター・山武市健康支援課、山武市殿台)
≪FW紹介≫
 あの日(2011.3.11)、立っていられないほどの大きな地震を体験したあと、『津波が来る!』『避難所に行かないと!』と直感的に思いました。そして、九十九里沿岸には津波が押し寄せました・・・。発災直後から、ライフラインのすべて途絶えた避難所で救護活動を行った体験は、たくさんの教訓と課題を残しました。
 災害時だからこそ『こころとからだの健康づくり』は大変重要です。そして、有事の際に備えて、平常時から『人』や『地域』と繋がっておくことも非常に大切です。私たちのフィールドは、『“九十九里地域”を一つの地域』ととらえ、山武健康福祉センターと九十九里地域(山武郡市)の市と町が協力して、災害時の保健活動について検討を続けています。
 災害はいつ起こるかわかりませんが、まちがいなく起こります。そして、皆様も無関係ではありません。この地域の災害時の保健活動について、一緒に考えてみませんか!?

(2)「精神科病院の災害対策」(医療法人静和会 浅井病院 地域医療連携室、東金市家徳)
≪FW紹介≫
 浅井病院は、精神科医療を中心に介護・福祉を含めた地域包括ケアを担う九十九里地域の代表的な病院です。多くの精神疾患の入院患者さんの治療にあたっている病棟や施設の見学をしながら、当院が日頃から行っている防災対策や精神病院ならではの困難性を学んでみませんか?
 当院では東日本大震災の救援活動に積極的に参加してきましたが、長引く非日常の中でのメンタルヘルスケアの重要性が強く認識され、組織されるようになったのが『DPAT (災害派遣精神医療チーム)』です。精神領域の多くの医療スタッフをかかえる当院も、今回の熊本地震で実際にDPATを組織し派遣しています。
 私たちのフィールドでは、これらの活動のお話を聞き、災害時の避難所や、在宅の精神障害者への対応、災害のストレスによって新たに生じた精神的な問題などについて学びます。災害時にどのように精神的なケアをしていくべきか、そのケアの大切さと日常の中での災害対策について、一緒に考えましょう。ご参加をお待ちしています。
 *DPAT:Disaster Psychiatric Assistance Team

(3)「有事の際の在宅ケア」(訪問介護事業所ヘルパーステーション温、東金市田間)
≪FW紹介≫
 ヘルパーステーション温(ハル)は、要支援・要介護認定を受けている方を対象として、訪問介護での身体介護や生活援助を行っています。また『温もりサービス(自費ヘルパー派遣)』として、大掃除や通院介助の際の院内での付き添いなど、地域の高齢者や障害者の生活に密着したサービスを提供しています。
 このフィールドでは『災害弱者』をどのように避難させるか?など、震災当時の事例を含めた体験談をお伝えします。また、『たった今、大規模災害が発生したらどうするの・・?』と題し、震災経験後から現在における事業所の有事対応と平時の備えについて、実際の対応を直接確認していただきます。
 『事業所のより良い対応とは何か・・?』 熱いディスカッションで一緒に考えてみましょう!

(4)「地域連携防災教育」(千葉県立東金特別支援学校、東金市北之幸谷)
≪FW紹介≫
 『どのような防災教育が人々のいのちを救うのか!?』 今こそ考えよう!
 東日本大震災では、防災教育の効果が大きく現れ、震災や津波の被害を免れたケースが多数存在します。宮城県釜石市市内の小中学生の生存率は99.8%でした。さらに宮城県沿岸部の大震災による死亡率をよくみると、総人口比率と比べて障がい者比率が約4.3倍も高かったという事実があります。防災教育により助かる命があること、障がい者は『災害弱者』となってしまうこと、これらのことを受けて動き出したのが、東金特別支援学校です。この支援学校では、知的障害を持つ小学生から高校生までの一人一人が、自立し、社会の参加に向けた学習を展開しています。そして、緊急時に子供達のいのちを救うため、独自の地域連携防災教育を取り入れています。
『防災教育に地域を巻き込む意図、その取り組みとは・・?』 一緒に学びましょう!

(5)「防災活動からまちづくりまで-九十九里の海・木戸川・被災復旧の実態-」(山武市木戸川河口周辺)
≪FW紹介≫
 木戸川は、成田市から発し山武市内を流れて九十九里浜に達する2級河川です。3.11 東日本大震災の際、防潮堤を乗り越えた津波が8 km上流まで遡上し、津波が逆流した木戸川は、河口付近の5箇所で堤防が決壊してしまい、両岸の地区は甚大な洪水被害を受けました。
 その時、木戸川両岸の木戸・蓮沼・小松地区では何が起きていたのか・・? その後のまちは、どの様になっているのか・・? 実際の被災地に赴き、木戸川に隣接した地区に障がい者・高齢者施設をもつ『緑海会(みどりみかい)』、震災後に結成された住民活動組織の『蓮沼地区自主防災組織連合会』、小松地区住民の方々から、震災当時の様子やその後の災害時に備えた活動などを教えていただきます。

(6)「被災者の希望を叶える支援活動」(小林牧場・飯舘村出身、山武市森)
≪FW紹介≫
 福島県で『飯舘牛』を育てていた牧場経営者の小林将男さんは、2011年3月の原発事故の影響で、370キロ離れた千葉県山武市に、140頭を超える牛を連れて避難してきました。使用されずにいた牧場を借りての再出発。最初は頼れる仲間もいない中、厳しい現実と向き合いながら、小林牧場を再構築することができました。被災から5年の月日が経過した2016年6月、小林 牧場は『いいだて分家・山武黒毛和牛』として新たな1ページを開くこととなりました。
『飯舘で24年、愛情込めて育てた牛さんを手放すことは一切考えられない!』という小林さんの熱き思いに心動かされた人達の『支え』とは何か? まちづくり・健康づくりのヒントを教えていただきます。