浮世絵の版元と出版

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豊国

三代歌川豊国《今様見立士農工商 商人》大判錦絵三枚続、安政4年(1857)、太田記念美術館蔵

 浮世絵版画は多数販売された出版物で、人々が気軽に購入できるものでした。その企画から宣伝、販売までをおこなったのが版元で、浮世絵版画の売れ行きは、大衆の好みや流行を先取りし、人気絵師を採用する彼らの手腕にかかっていました。喜多川歌麿や無名の東洲斎写楽を売り出した版元蔦屋重三郎は、その卓越した例といえます。

 浮世絵版画をすみずみまで眺めると、絵師の落款だけでなく、屋号などを意匠化した“版元印”が摺られており、版元の役割の重要性がうかがわれます。また、検閲制度の始まった寛政期(1789~1801)以降に現れる“改印”は、作品の刊行時期を知る情報源ともなっています。

 このたびの展覧会では、これら画中の小さな情報に注目し、初期から寛政期以降、幕末、そして明治時代までの浮世絵版画を通して、版元と出版の歴史を紹介します。さらに、版元の店先を描いた作品から、販売方法やそこに並ぶ売れ筋商品を探ります。出版という、ひと味違った視点で浮世絵版画をお楽しみください。

関連企画

講演会

10月7日(土)午後1時30分~午後3時
「浮世絵プロデューサーたちの仕事力」
日野原健司氏(太田記念美術館主席学芸員)
図書館3階プレゼンテーションホール
*聴講無料/要予約

ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)

9月30日(土)午後1時30分~

ご利用案内

開館時間:午前10時~午後4時 
休館日:日曜日、月曜日、祝日
場所:城西国際大学水田美術館(城西国際大学内 千葉県東金市求名1番地)
入館料:一般300円、高校生以下無料

交通案内

● JR外房線大網駅またはJR総武本線成東駅乗り換えで
 JR東金線求名(ぐみょう)駅下車、徒歩5分
● 車では、京葉道路・館山自動車道の千葉東ジャンクションより
 千葉東金道路に入り、東金インター下車、国道126号線を成東
 方面へ約20分、信号「城西国際大前」右折
● JR東京駅、JR横浜駅、JR西船橋駅、JR木更津駅、JR蘇我駅、
 JR大網駅、JR成東駅、JR東金駅、京成成田駅よりシャトルバス運行

詳細はこちらから

写楽

東洲斎写楽《二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉》
大判錦絵、寛政6年(1794)、当館蔵

広重

歌川広重《名所江戸百景 浅草金龍山》
大判錦絵、安政3年(1856)
太田記念美術館蔵

お問い合わせ

城西国際大学水田美術館
〒283-8555 千葉県東金市求名1番地
Tel.0475-53-2562
http://www.jiu.ac.jp/museum

Web制作:メディア学部クロスメディアコース2年 小笠原夏己

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