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城西国際大学水田美術館は千葉県東金市にある大学付属の美術館です。

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過去の展覧会

2009年度

生誕100年記念展 銅版画の巨匠 浜口陽三
会期:2009年9月1日[火]~10月3日[土]
入館料:一般300円、高校生以下無料
特別協力:ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

カラーメゾチントの生みの親として知られる国際的な銅版画家、浜口陽三(1909~2000)は、銚子で代々醤油醸造業を営む家の三男として、和歌山県に生まれ、幼年期を銚子で過した千葉県ゆかりの作家です。
浜口は、東京美術学校彫刻科を中退し、フランス留学を経験しながら長い模索時代を経て、40代で過去の銅版画技法となっていたメゾチントに出会います。試行錯誤の末、メゾチントによる独自の芸術表現にたどりついた浜口は、1957年にサンパウロ・ビエンナーレで版画大賞を受賞し、突如として世界の舞台に躍り出ると、続いて数々の国際展で受賞を重ね、20世紀を代表する銅版画家としての地位を確立しました。
浜口の選んだメゾチントは、銅板全面に微細な溝を刻んで素地を作り、後から対象を削り磨いて出現させる技法です。黒から白への無限の階調を持つ「黒の技法」と呼ばれるメゾチントに、さらに色彩を加えた浜口の創意は革新的でした。さくらんぼやてんとう虫といった身近なモチーフが、気の遠くなるような手仕事によって、研ぎ澄まされた空間に浮かび上がります。縦横に交差する線がつむぎだす柔らかい黒と、色を帯びた光の粒が次第に形を結んでいく繊細で深々とした味わいは、時代を超えて人々の心に響くでしょう。
このたびの展覧会では、浜口陽三生誕100年を記念し、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションの全面にわたるご協力のもと、初期から晩年までの代表作を年代順に回顧します。流行にとらわれず、日常のありふれた静物を題材に、詩情豊かで精神性の高い作品を作り続けた浜口の軌跡をお楽しみ下さい。

関連企画
◎ 講演会「浜口陽三を語る 人と作品」
9月12日[土] 午後1時30分~3時
三木哲夫氏(国立新美術館特任研究員)
図書館3階プレゼンテーションホールにて *聴講無料/要予約

◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
9月19日[土]午後2時~

     



チラシ制作
メディア学部メディア情報学科3年 窪田知昭