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城西国際大学水田美術館は千葉県東金市にある大学付属の美術館です。

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〒283-8555 千葉県東金市求名1番地

 

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過去の展覧会

2010年度

水田コレクション展 浮世絵の版元と出版
会期:2010年9月28日[火]~10月16日[土]
入館料:一般300円、高校生以下無料

浮世絵版画の最大の特徴は、大衆が気軽に購入できる量産された出版物である点です。それを企画から宣伝、販売まで一手にひきうけるのが版元です。一枚の浮世絵は、版元が企画を立て絵師に注文するところから始まり、決して絵師が単独で思うがままに描いたものではありません。その売れ行きは、大衆の好みや流行を先取りし、人気絵師を採用する版元の手腕にかかっています。喜多川歌麿や山東京伝、無名の東洲斎写楽を売り出した版元蔦屋重三郎は、その卓越した例といえるでしょう。
一方で、出版活動の活発化とともに、幕府の取締りも強化され、寛政期(1789~1801)には検閲制度が始まります。度重なる禁令や取締りの中でも、版元は、実名を禁じられれば判じ物仕立てで裏をかくような、様々な工夫をして大衆の興味を喚起し、出版は発展を続けました。
浮世絵版画をすみずみまで眺めると、絵師の落款だけでなく、屋号などを意匠化した“版元印”に気づくでしょう。このことは、版元の役割の重要性を物語ります。また、検閲の“改印”は、作品の刊行時期を知る情報源ともなっています。
この度の展覧会は、これらの小さな情報に注目し、浮世絵版画を出版の歴史から捉えるものです。初期浮世絵時代から改印の現れる寛政以降、さらに新制度下の明治・大正までの作品を通し、出版をとりまく社会状況を読み取りながら、ひと味違った視点で浮世絵をお楽しみください。

関連企画
◎ ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
10月2日[土]、9日[土]午後2時~

     



チラシ制作
メディア学部メディア情報学科3年 柴山瑞絵