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城西国際大学水田美術館は千葉県東金市にある大学付属の美術館です。
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下総銚子浦鰹釣舟之図
しもうさちょうしうらかつおつりぶねのず
昇亭北寿
しょうていほくじゅ
文化元~6年(1804~09)頃、大判錦絵、26.4×37.0㎝、版元=西村屋与八
鰹の一本釣りが始まっている沖合に向けて、版元・西村屋の巴印の旗を掲げた釣船が波にあらがい漕ぎ出していく。銚子の東端から外川浦、遠くに屏風ヶ浦の海岸を望んだ景で、中央につきでた犬の形の岩は源義経伝説にまつわる犬若(犬岩)である。手前の奇岩は胎内くぐりと呼ばれる海食洞で、本来別の場所にある磯巡りの人気スポットが描き込まれている。水平線が低く、画面の半分以上を占める広々とした空と幾重にも湧き立つ雲は、「雲の画家」こと北寿の特徴的な表現。浮世絵にベロ藍が使われ始める前の作品で、海と空に、退色しやすい露草の青が残る貴重な作品である。
昇亭北寿は、葛飾北斎に学び、風景画が浮世絵の一ジャンルとして確立していない享和~文化期(1801~30)に、透視図法と陰影法を用いた洋風風景画を制作した。
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