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地域で学ぼう② ― サイクリストから始まる誰もが楽しめる地域観光の環境整備について考える ―

プロジェクト

2026.08.21

2026年度も、観光学部が全学共通基盤科目として提供する「域学共創プロジェクトB」では、東金市をはじめとする山武郡市(大網白里市、山武市、東金市、九十九里町、芝山町、横芝光町)を対象に、地域の魅力を発見し、その魅力を生かした観光プログラムとして、サイクルツーリズムの推進に取り組んでいます。学生たちは、地域を実際に訪れ、見て、体験するフィールドワークを通して、地域資源の価値や観光への活用方法について学びを深めています。
その一環として、7月30日に芝山町を訪れ、成田空港温泉「空の湯」で、地域の立地や農村景観を生かした観光の可能性についてお話を伺いました。また、同施設のe-bikeを借り、芝山町立「芝山古墳・はにわ博物館」や道の駅「風和里しばやま」などを巡りました。学生たちは、今回の視察で得た学びを、9月5日の「B.B.BASE東金・九十九里」の運行に合わせて実施するサイクリスト支援に生かそうとしています。
芝山町での視察を通して得た学生たちの学びを、2回に分けて紹介します。第1回目となる今回は、実際、サイクルツーリズムを体験する中で気づいたコースづくりや安全面の課題、初心者や自転車に不安を感じる人も含め、誰もが地域観光を楽しめる環境づくりについて、学生たちが考えたことを紹介します。

○ 観光学部1年 加藤 丈琉
今回、「域学共創プロジェクトB」の授業で、成田空港近くにある温泉施設・「成田空港温泉空の湯(以下、「空の湯」)」を訪れました。そこで、成田空港周辺の企業がサイクルツーリズムに取り組む理由や、その取り組みが抱える課題についてお話を伺いました。
また、「空の湯」が運営する「自転車処 空輪-Cycle Base KURIN-」で4台の自転車をお借りし、18人の学生が5チームに分かれて、交代しながら芝山町の観光資源を巡る試走を行いました。コースでは、芝山町立芝山古墳・はにわ博物館や、道の駅「風和里しばやま」などを訪れました。
出発前には、「空の湯」で自転車の操作方法やヘルメットの正しい着用方法について教えていただきました。実際に説明を受けたことで、安全にツーリングを楽しむためには、出発前の準備や確認が重要であることを学びました。そのおかげで、出発後も大きな問題なく、全員が順調に試走を体験することができました。

レンタサイクルショップでe-bikeに関わる指導を受講

最初の目的地は、芝山古墳・はにわ博物館です。目的地へ向かう途中で一度、自転車に乗るチームを交代しました。また、ほかのチームの学生から、途中に「将来、成田空港の拡張に合わせて見られなくなってしまう川」など、今しか見られない芝山町の見どころやゴルフ場の下を通る「小原子(おばらく)トンネル」という知る人ぞ知る観光資源があったことを教えてもらいました。このような、あまり知られていない地域資源を見つけることも、サイクルツーリズムの面白さだと感じました。

小原子トンネル前で記念撮影

「芝山古墳・はにわ博物館」では、埴輪の歴史や文化について展示を通して学びました。また、芝山町観光協会会長の平田様から、地域の歴史や文化をどのように観光資源として生かしていくのかについて、お話を伺いました。地域の文化を観光につなげる取り組みは興味深く、楽しく学ぶことができました。
次の目的地は、「道の駅風和里しばやま」です。ここでは、サイクリングコースにおける休憩場所の役割について考えました。私たちも、道の駅で販売されていたソフトクリームや、出店していたキッチンカーの焼き鳥を味わい、お土産を見ながら、学生同士で楽しく話をしました。休憩時間を一緒に過ごしたことで、メンバー同士の親睦も深めることができました。
こうした食事や買い物、仲間との交流を楽しめる時間がコースの途中に組み込まれていることも、ツアー全体の満足度を高めるために重要だと思いました。
実際にコースを走ってみて、コースをつくる際には、観光スポット同士をつなぐだけでは不十分だと感じました。その土地の歴史や風景について学べる場所を取り入れるとともに、道路の交通量や走行上の課題を事前に把握しておく必要があります。また、参加者を飽きさせず、最後まで楽しんでもらうための工夫も大切だと学びました。
私は最後の区間を担当し、自転車で「空の湯」まで戻りました。電動アシスト自転車を返却し、全員でお礼を伝えた後、バスで大学へ戻りました。今回の試走では、とても楽しく、充実した時間を過ごすことができました。
一方で、反省もあります。返却した自転車の片付けを「空の湯」のスタッフの方々に任せるのではなく、自分たちも最後まで手伝うべきだったと思います。今後、私たちは山武郡市を訪れるサイクリストをどのようにもてなすかについて考えていきます。そのためにも、コースの魅力や安全性だけでなく、準備や片付け、参加者への心配りなど、細かな部分まで学ぶ姿勢が必要だと感じました。

先導してくれたサイクリストの皆さんやサポートしてくれた東金市の職員と記念撮影

○ 観光学部1年 安達 晶紀
7月31日、私たちはサイクルツーリズムや、それに関連する観光産業の取り組みについて学ぶため、大学のある東金市と同じ山武郡市の一つである芝山町を訪れました。当日は、関係者の方々からお話を伺い、観光施設を視察したほか、実際にサイクルツーリズムを体験しました。
サイクルツーリズム体験に関しては、芝山町でレンタサイクル事業を運営し、サイクルツーリズムを推進している「空の湯」の萩原社長にサポートしていただき、e-bike(電動アシスト自転車)で、萩原社長が提案してくださったコースを試走しました。実際に自転車で走ったことで、地図を見るだけでは分からない多くのことに気づくことができました。
まず、道幅や坂道、交通量などは、実際に現地を走らなければ十分に把握できないということです。今回はe-bikeを利用したため、坂道も比較的楽に走ることができました。しかし、快適に走れる自転車であっても、道幅の狭い場所や見通しの悪い交差点では注意が必要です。そのため、初心者が安心して走るためには、今回のようなサポートが大切だと感じました。

サイクリストにも人気のグラベルライドを体験

古道の途中で休憩し記念撮影

また、サイクリストの裾野を広げるためには、初心者でも安心して楽しめるルートを考え、設計することが重要だと実感しました。今回のコースには、豊かな自然や美しい景色、芝山町ならではの魅力を感じられる場所が多く取り入れられており、自転車で巡る観光コースとして魅力的でした。こうしたコースづくりの視点が初心者にとって重要であることを、自分自身の体験を通して考えることができました。
休憩のために立ち寄った道の駅では、旬のブルーベリーを使ったソフトクリームを食べました。とてもおいしく、地域の魅力を味わうことができました。同時に、休憩場所の選定もコースづくりの大切な要素だと感じました。休憩できる場所があるだけでなく、トイレや分かりやすい案内表示などが整っていることで、利用者にとって、より安心して楽しめるコースになると思います。
今回の試走では、「ここで写真を撮りたい」「この場所で少し休憩したい」と感じる場所がいくつもありました。そのため、自分たちでコースを考える際には、距離や所要時間だけでなく、景色を楽しめる場所や写真を撮りたくなる場所、安心して休憩できる場所をうまく取り入れることが大切だと思いました。

飛行機を間近で見るのに適したスポットを発見

今回の試走を通して、実際にコースを利用する人の立場に立って考えることの重要性を学ぶことができました。最後になりますが、試走をエスコートしてくださり、さまざまなことを教えてくださった萩原社長に、この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

○ 観光学部1年 稲田 苺留
域学共創プロジェクトBという授業に参加し、サイクルツーリズムを推進するため、千葉県芝山町におけるサイクルツーリズムの取り組みを視察しました。その際、私自身も電動自転車を体験する機会がありました。
自転車に乗るのは小学生のとき以来だったので、視察前から「うまく乗りこなせるかな?」と不安を感じていました。実際に電動自転車を前にすると、車体の重さや急な加速を怖いと感じ、最終的に乗るのをやめることにしました。せっかくの機会だったので、とても悔しかったです。また、自転車に長く乗っていなかったこともあり、便利だといわれる電動自転車でも、慣れていなければ危険なことがあるのだと実感しました。
この経験を通して、電動自転車に乗り慣れていない人をサポートすることや、サイクルツーリズムのイベントに参加しても、あえて自転車に乗らない人の気持ちに配慮することの大切さを学びました。街中で自転車に乗っている人がふらついていても、とっさに手助けをするのは難しいかもしれませんが、事前にできることはあると思います。例えば、自転車がふらついても焦らせないように十分な距離を保つことや、狭い場所での走行方法をあらかじめ伝えることなどは、重要な取り組みだと思いました。

頑張ってヘルメットまでは被りました

また、家族で来た参加者に対して、ほかの家族が「便利だから乗ったほうがいい」と勧めることもあると思います。しかし、そのような場面でも、本人の気持ちを大切にし、「乗らないという選択肢を示すこと」も必要だと感じました。サイクルツーリズムを推進するためには、自転車に乗ることを勧めるだけでなく、初心者や不安を感じている人が安心して参加できる環境やそういう人が同伴者と一緒に地域観光を楽しめるサポート体制をつくることも大切だと思います。
緊張した出来事のあとに食べたソフトクリームは、乗れなかった悔しさもありましたが、緊張から解放されたこともあって格別のおいしさでした。今回の経験を忘れず、人それぞれの選択を尊重する気持ちを大切にしながら、誰もが安心して楽しめるサイクルツーリズムの取り組みにつなげていきたいと思いました。

旬のブルーベリーを使ったソフトクリームを堪能
 

※下記のリンクは、2026年度の域学共創プロジェクトBの取り組み記事となりますので、ご覧ください。
道の駅で学ぼう① ― 道の駅でサイクリスト誘客の仕事について考える ―
地域で学ぼう① ― 地域人とサイクリスト誘客の取り組み課題について考える ―