プロジェクト
2026.08.22
2026年度も、観光学部が全学共通基盤科目として提供する「域学共創プロジェクトB」では、東金市をはじめとする山武郡市(大網白里市、山武市、東金市、九十九里町、芝山町、横芝光町)を対象に、地域の魅力を発見し、その魅力を生かした観光プログラムとして、サイクルツーリズムの推進に取り組んでいます。学生たちは、地域を実際に訪れ、見て、体験するフィールドワークを通して、地域資源の価値や観光への活用方法について学びを深めています。
その一環として、7月30日に芝山町を訪れ、成田空港温泉「空の湯」で、地域の立地や農村景観を生かした観光の可能性についてお話を伺いました。また、同施設のe-bikeを借り、芝山町立「芝山古墳・はにわ博物館」や道の駅「風和里しばやま」などを巡りました。学生たちは、今回の視察で得た学びを、9月5日の「B.B.BASE東金・九十九里」の運行に合わせて実施するサイクリスト支援に生かそうとしています。
芝山町での視察を通して得た学生たちの学びを、2回に分けて紹介します。第2回となる今回は、地域資源をサイクリングコースで結ぶことの重要性について、学生たちが考えたことを紹介します。

芝山古墳・はにわ博物館前で埴輪と一緒に記念撮影
○ 観光学部1年 木村 亮太
7月30日、私たちは、サイクルツーリズムにおける立ち寄り施設の役割や、地域資源を生かしたコースづくりについて考えるため、芝山町にある成田空港温泉「空の湯」と、芝山町立「芝山古墳・はにわ博物館」を訪れました。
まず、成田空港温泉「空の湯」では、施設の社長から、芝山町に立地する強みや、施設が開業するまでの歴史的な背景についてお話を伺いました。その中で、成田空港に近いという立地だけでなく、日本らしい農村風景を楽しめる地域の環境を生かして、サイクルツーリズムのコースをつくることの大切さを学びました。

空の湯の社長に質問を投げかけました

空の湯の社長からサイクルツーリズムの取り組み課題について学ぶ
その後、「空の湯」が運営する「自転車処 空輪―Cycle Base KURIN―」で電動アシスト付き自転車をお借りし、5チームに分かれて交代しながら、山武郡市らしい自然や風景を楽しむサイクリングを体験しました。
コースの立ち寄り地点の一つである「芝山古墳・はにわ博物館」では、芝山町観光協会の会長から地域観光についてのお話を伺いました。また、殿塚古墳や姫塚古墳、国の重要文化財に指定されている埴輪について学び、北総地域から出土した多くの埴輪や考古資料を見学しました。サイクリングの途中に歴史や文化に触れられる施設へ立ち寄ることで、地域への理解が深まり、コースそのものの魅力も高まることを実感しました。
私たちは現在、9月5日にB.B.BASEで山武郡市を訪れるサイクリストをお迎えし、地域の魅力を楽しんでもらうための取り組みを進めています。これまでにも、地域の食材を生かした料理を提供する「ソムリエファーム」(山武市)や、「海の駅 九十九里」(九十九里町)などを訪れてきました。
これまでの視察では、それぞれの施設の魅力に目を向けることが多かったのですが、今回の体験を通して、地元の食材や自然、歴史などの地域資源を一つのコースの中でつなぐことが、サイクルツーリズムでは重要なのだと気づきました。また、訪れる人の興味や目的に合わせて、地域の魅力を分かりやすく発信することの大切さも学びました。
今回学んだことを生かし、山武郡市の魅力を地域外から訪れる方々にも伝えられるようにしたいと思います。そして、9月5日のB.B.BASE東金・九十九里の運行に合わせた取り組みの中で、今回の学びを実践していきたいです。頑張ります!
○ 観光学部1年 萩原 愛香
私たちは、サイクルツーリズムに関する視察のため芝山町を訪れ、地域の観光産業を担う「空の湯」の社長や芝山町観光協会の会長からお話を伺いました。その中で、仕事に対する思いや、地域とのつながりを大切にすることの重要性について学ぶことができました。
特に印象に残っているのは、芝山町観光協会の会長から伺ったお話です。埴輪や「芝山はにわ祭」についてのお話を聞き、芝山町では、地域の歴史や文化を大切に受け継ぎながら、それらを地域の魅力として発信していることがわかりました。また、祭りなどの地域行事を通して町を盛り上げ、多くの人に芝山町を知ってもらうための活動にも力を入れているそうです。成田空港圏域で進められているサイクルツーリズムも、地域の魅力を発信する取り組みの一つであると伺いました。こうした取り組みにおいて、地域の方々が協力しながら町を盛り上げている姿がとても印象に残りました。

芝山町の観光協会長に芝山町の観光ビジョンについて伺う

芝山町の観光協会長に芝山町の観光ビジョンについて伺う
私は多古町に住んでおり、多古町にも祇園祭をはじめとする地域の伝統行事があります。今回の視察を通して、芝山町のように地域の歴史や文化を大切にしながら、町の活性化につなげていくことは、とても重要だと感じました。多古町にも魅力的な伝統文化や自然があるため、それらをより多くの人に知ってもらうための活動が増えてほしいと思います。
そのためにも、私自身が地域の行事に積極的に参加し、自分の住む町の魅力を大切にしながら、地域に貢献できる人になりたいです。また、山武郡市で進めているサイクルツーリズムの活動においても、今回の視察で学んだことを生かし、地域の歴史や文化、自然などの魅力を多くの人に伝えていきたいと思います。
○ 観光学部1年 程 一聡
私は、今回、このプロジェクト型授業(域学共創プロジェクトB)に参加し、日本の地域活動に触れる機会を通して、多くのことを学びました。留学生である私は、普段は大学内での生活が中心で、地域の方々と深く関わる機会があまりありませんでした。
しかし、今回、大学近隣の芝山町を視察したことで、地方の町が抱える課題と、それらに対して地域の方々が前向きに取り組む姿を実際に見ることができました。そして、現地を訪れ、地域の方々から直接話を聞くことの大切さを知りました。
まず、芝山町観光協会会長のお話を聞き、東京のような都市部とは異なり、地方の小さな地域では、人口減少や高齢化といった問題が観光産業にも直接影響していることを学びました。しかし、地域の方々はその現状に諦めることなく、自分たちの町をより良くするためにアイデアを出し合い、さまざまな活動を続けていました。
私たちが授業で取り組んでいるサイクルツーリズムのコース制作や、サイクリストが立ち寄る施設のあり方を考えるうえでも、利用する人の立場に立ち、細かな部分まで考えることが大切だと感じました。留学生である私にとって、地域の課題に前向きに向き合う姿勢や、より良い地域をつくろうとする考え方は、日本の魅力の一つだと思いました。その一方で、地域の魅力だけでなく、地域の方々が抱えている悩みや課題など、教室での授業だけでは分からない現実を知ることができたことも、貴重な経験となりました。

サイクルツーリズムのコース上に設けられた乗り換えポイントでサポート体制の引き継ぎ
また、視察だけでなく、これまでのプロジェクト活動を通して、グループのメンバーと意見を交わすことで、日本人学生の考え方についても少しずつ理解できるようになりました。それぞれが自分の役割に責任を持ち、お互いの意見を尊重しながら一つの成果をつくり上げていく過程は、私にとって大変貴重な経験です。
これまでの活動を通して、地域の観光を支えるまちづくりでは、単に新しい施設や観光コースをつくるだけでなく、人と人とのつながりが何よりも大切であることを実感しました。今後も今回の経験を忘れず、留学生としての視点を生かしながら、日本の地域や観光についてさらに学んでいきたいと思います。
今回のこれまでの活動を経て、地域の観光産業を担うまちづくりという活動は、単なる施設を作るだけではなく、人と人とのつながりが一番大切だと実感しました。今後もこの経験を忘れず、留学生の視点を活かして、日本の地域のことをもっと学んでいきたいと思います。

昼食を介してサイクリングするメンバーの繋がりを作りました