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城西国際大学理学療法学科・烏野大教授らが凍結肩216名を研究―肩関節の内転制限と治療期間との関連を国際誌で発表

教員活動

2025.09.01

城西国際大学 健康科学部 理学療法学科では、肩関節疾患をはじめとする運動器疾患について、身体機能評価や臨床データを用いた理学療法研究に取り組んでいます。

本学理学療法学科の烏野大教授らの研究グループによる凍結肩(いわゆる五十肩)に関する研究論文が、2025年、国際学術誌『JSES International』に掲載されました。

論文タイトルは、

“Evaluation of glenohumeral adduction restriction in frozen shoulder as a predictor of intra-articular lesion severity: a comparison study of the freezing and frozen phases”

です。論文には城西国際大学理学療法学科が研究者所属機関として明記されています。

凍結肩における「内転制限」に着目

凍結肩は、肩の痛みとともに関節可動域が低下し、着替えや整容動作などの日常生活にも影響を及ぼす肩関節疾患です。

今回の研究では、一般的に評価される肩関節の挙上や回旋だけでなく、上腕を体幹側へ近づける肩関節内転の制限(adduction restriction)に着目しました。

凍結肩患者216名を対象として、内転制限の有無や程度、肩関節可動域、疼痛、治療経過などを調査し、freezing phaseとfrozen phaseにおける違いを検討しました。

内転制限と治療期間・病変の進行との関連を確認

研究の結果、肩関節の内転制限は、freezing phaseからfrozen phaseへ進むにつれて出現頻度と程度が増加していました。

また、freezing phaseでは、内転制限がない群の治療期間が平均5.2か月であったのに対し、内転制限がある群では平均7.4か月と長く、関節授動術へ移行した割合も高いことが示されました。さらに、内転制限は肩関節外旋可動域や関節内病変の進行とも関連していました。

この結果から、肩関節の内転制限を評価することは、凍結肩の状態や治療経過を考えるうえで、臨床的な評価指標の一つとなる可能性が示されました。

24か月にわたって臨床経過を評価

今回の研究では、初回評価だけでなく、1・3・6・12・24か月後に、疼痛、肩関節可動域、肩関節機能などを評価しています。

理学療法では、患者の現在の状態を評価するだけでなく、どのような特徴を持つ患者がどのような経過をたどるのかを明らかにすることも重要です。

今回の研究は、実際の臨床データを用いて凍結肩の経過を長期的に検討し、理学療法における評価・治療方針を考えるための知見を提示した研究です。

城西国際大学理学療法学科の運動器・肩関節研究

城西国際大学理学療法学科では、肩関節をはじめとする運動器疾患について、関節可動域、筋機能、身体運動、治療経過などを科学的に評価する研究に取り組んでいます。

本学科の教員は、臨床現場で生じた疑問を研究によって検証し、その成果を学術論文として国内外へ発信するとともに、学生への講義や実習にも還元しています。

学生は、単に評価・治療技術を習得するだけでなく、「なぜこの評価を行うのか」「どの身体所見が治療経過と関連するのか」「臨床で得られた疑問をどのように研究で検証するのか」を考えながら理学療法を学びます。

今後も城西国際大学理学療法学科では、臨床・研究・教育をつなぎ、科学的根拠に基づく運動器理学療法の発展につながる研究を推進していきます。


掲載論文情報

  • 雑誌名:JSES International(2025年9月掲載報告)
  • 論文名:Evaluation of glenohumeral adduction restriction in frozen shoulder as a predictor of intra-articular lesion severity: a comparison study of the freezing and frozen phases
  • 著者:Masatoshi Amako, Junichiro Hamada, Hiroshi Karasuno, Ryo Sahara, Mitsukuni Yamaguchi, Yuichiro Yano, Yoshihiro Hagiwara, Kazuya Tamai, Kiyohisa Ogawa