プロジェクト
2026.10.11
本年度、本学観光学部の学生は、市原市と締結している「観光振興に関する連携協力に係る協定」のもと、来年度完成予定のチバニアンビジターセンターで配布するノベルティグッズ、または同センターで販売するお土産の制作に取り組んでいます。
その一環として、自分たちが考えるお土産を「どのような場所」で「どのような人」に提供するのかを具体的に捉えるため、9月27日に市原市を訪れました。チバニアンビジターセンターをはじめ、市原市を代表する観光資源や、地域の名産品を扱う施設を視察し、お土産づくりに生かすための理解を深めました。
今回の視察について、学生の声を通じて、4回に分けてご報告します。第1回目となる今回は、チバニアンビジターセンターとその周辺環境の視察について報告します。
○ 観光学部4年 蒋 琪琦
私たちが履修している観光メディア制作応用Aという授業で、チバニアンビジターセンターのお土産を検討することになりました。そこで、市原市にある建設中の新しいチバニアンビジターセンターと、その周辺環境を視察することになりました。

遠目から工事中のチバニアンビジターセンターを視察
チバニアンとは「千葉時代」を意味する地質年代の名前で、市原市には、その時代の始まりを示す地磁気逆転の記録が残る重要な地層があります。私は今まで地層についてあまり興味がなく、事前学習として調べた際も、少し難しい授業を取ってしまったかなと思っていました。ただ、実際に現地に足を運んでスタッフの方の説明を聞くと、思っていたよりおもしろいものだと気づきました。

地域の集会所でお話を伺いました
新しいチバニアンビジターセンターは現在建設中なので、仮設の建物で展示物の一部を見ることができます。私たちはそこで、ウニや貝、有孔虫というとても小さな生き物の化石などを見ることができました。

仮設のチバニアンビジターセンター
その後、周辺を歩きながら、地層や地球の磁気について説明を聞きました。私が特におもしろいと思ったのは、昔の地球の磁気の記録が地層に残っているという話です。
事前に写真やインターネットで見たときは少し分かりにくかったのですが、現地で実際に見ながら話を聞くと、前より分かりやすいと感じました。周りには山や川もあり、自然が多くて、歩きながら見学できたこともよかったです。
ちなみに、私は旅行に行くと、その場所ならではのマグネットを集めることが趣味です。今回、チバニアンビジターセンターで記念バッジを見て、チバニアンのマグネットもあったらいいなと思いました。例えば、地層の模様や地磁気の逆転をデザインにしたら、チバニアンらしいお土産になると思いました。家の冷蔵庫に貼って、見るたびに今回の見学を思い出せるのもいいです。また、家族や友達が私が考えているものを見て「これは何?」と聞いてくれたら、チバニアンを知ってもらうきっかけにもなると思うからです。

記念バッジのデザインになったゴールデンスパイクを撮影中

記念バッジを早速購入している仲間を撮影
○ 観光学部4年 李 怡苒
今回の視察で、私たちはチバニアンビジターセンターを訪れました。
まず、チバニアンに到着後、地域の集会所で、市原市の職員の方や現地のガイドスタッフの方から、地層や地磁気逆転について説明を受けました。また、貝の化石や地層の標本を見学しました。化石を実際に見て、現在は森に囲まれている地域一帯が、約77万年前には海の底だったことを実感する機会となりました。とくに、約77万前の地層に地磁気逆転の記録が残っていると知ったことが印象に残っています。長い地球の歴史を身近に感じるお話でした。

チバニアンで採取された泥岩と化石を手に取ってみました
その説明の後、地層の見学地点まで歩きました。途中の斜面には、昔、炭を焼くために使われていたムジナ窯が残っていました。入口が動物の穴のように見えるため、この名前が付けられたそうです。地域の人々が、土地の特徴を生活に生かしていたことも分かりました。

ムジナ窯をみんなで覗き込みました
また、林の中にひっそりと佇んでいる青面金剛庚申塔の説明も受けました。視察後に調べてみると、庚申信仰は、道教の三尸説をもとに、日本で仏教や民間信仰などと結びついて成立したものだということを知りました。
現地でもガイドスタッフの方から、「昔の人々は、庚申の夜に眠ると、体の中にいる三尸虫が天帝にその人の行いを報告し、寿命が決められると信じていた」という説明を聞きました。「それを防ぐため、人々は庚申堂に集まり、宴会をしながら一晩中眠らずに過ごした」そうです。草木の中に立つ青面金剛を実際に見た後で背景を学ぶと、昔の人々がどのようなことを信じていたのか、より具体的に、身近に理解することができました。

青面金剛庚申塔の説明を受けました
さて、今回の視察は、このチバニアンを題材としたお土産を作るための視察でしたが、実際に足を運んでみて、地層や化石、周辺の景色は、お土産のデザインにも使えると思いました。例えば、地層、ムジナ窯、青面金剛庚申塔を絵にした数種類の記念ポストカードを作ってはどうかという案も思いつきました。
また、ビジターセンターと地層の見学地点に赤と青のスタンプを一つずつ置き、二つのスタンプを重ねて押すと、地磁気逆転の絵が完成する仕組みにしてはどうかとも考えました。ポストカードの裏面に短い説明を入れれば、見学の記念になるだけでなく、地層や地域の歴史も伝えられると思っていますので、今後の取り組みで具体的に検討してみたいと思います。
○ 観光学部3年 大平 凛太朗
今回は、授業で、千葉県市原市田淵にあるチバニアンビジターセンターを訪れました。目的は、同センターで販売するお土産の開発に向けて、チバニアンや周辺地域の特徴を学ぶことです。

チバニアン期の地層の上に立っています
視察時は新しい施設の建設が進められており、現地の地層を直接見ることはできませんでした。しかし、ガイドの方々から詳しい説明を伺い、想像していた以上に奥深い地球の歴史や、周辺地域の観光の魅力について理解を深めることができました。
とくに印象に残ったのは、地層に約77万年前の地磁気逆転の痕跡が残されているという点です。私は地層と聞くと、地上に砂や岩などが積み重なったものをイメージしていました。しかし、この場所の地層は、深い海の底に砂や泥が堆積してできたもので、その後の隆起によって地上に現れたと知り、驚きました。現在の景色を見ながら、かつてこの場所が海だったことを想像すると、地球の長い歴史を身近に感じることができました。

河岸段丘について説明を受けました
また、地磁気は地球の歴史の中で何度も逆転してきたことを学びました。ビジターセンターでは、その記録について知るとともに、現地の地層から剥ぎ取られた標本などを見学しました。地層に残された痕跡から、遠い昔の環境を読み取ることができる点も興味深かったです。

チバニアン期について地層の標本を用いて説明していただいている様子
さらに、周辺には川廻しによって掘られたトンネルがあることを知りました。川廻しは、江戸時代以降、新田開発を目的として、蛇行する川の流れを短い経路に変えるために行われたものです。手掘りでトンネルをつくり、川の流れを変えたという説明から、チバニアン周辺には地層だけでなく、昔の人々の暮らしの工夫も目に見える形で残されていることがわかりました。

養老渓谷周辺には江戸時代の主要道が残っています
今回の視察を通して、チバニアンやその周辺地域は、地磁気逆転に代表される地球の長い歴史と、養老川を取り巻く人々の暮らしの歴史を組み合わせて、魅力を伝えられる観光資源だと感じました。こうした特徴を目に見える形で表現し、訪れた人の印象に残るお土産の開発につなげていきたいと思います。