学外研修
2024.12.13
城西国際大学 理学療法学科では、脳卒中などの中枢神経系疾患に対する理学療法について、運動療法だけでなく、電気刺激やロボット技術などを活用したリハビリテーションについても学ぶ機会を設けています。
2024年12月13日、理学療法学科の科目「理学療法技術演習(先進医療機器)」の一環として、新八千代病院の理学療法士・小串健志先生を招き、
「先進リハビリテーション機器を用いた脳卒中リハビリテーション」
をテーマとした特別講義を実施しました。
当日は33名の学生が受講し、脳卒中後の運動障害や歩行障害に対して用いられる電気刺激機器、機能的電気刺激(FES)、ロボット技術などについて、臨床現場での活用を踏まえて学びました。
講義では、脳卒中後の運動機能や歩行能力を支援するために臨床現場で用いられている複数の機器が紹介されました。
取り上げられたのは、
などです。
学生は、機器の名称や操作方法だけではなく、どのような身体機能の問題に対して使用を検討するのか、通常の運動療法や歩行練習とどのように組み合わせるのかという臨床的な視点から学びました。
脳卒中後には、足関節を持ち上げることが難しくなるなど、歩行に影響する運動障害が生じることがあります。
講義では、こうした歩行障害に対して、電気刺激を利用して筋活動を補助する機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation:FES)について解説が行われました。
学生は、電気刺激そのものを目的とするのではなく、実際の歩行動作や課題練習の中でどのように機器を活用するかという考え方を学びました。
講義では、身体に装着して動作を支援するHALについても紹介されました。
ロボット技術を利用したリハビリテーションでは、機器だけで治療が完結するわけではありません。
対象者の運動機能や目標を評価し、
どの機器を使うのか
どの程度使用するのか
どのような運動課題と組み合わせるのか
使用後の変化をどのように評価するのか
を理学療法士が考える必要があります。
学生は、人と機器をつなぐ理学療法士の役割についても学びました。
今回の講義では、機器の紹介だけでなく、「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕」などを踏まえた理学療法についても取り上げられました。
脳卒中リハビリテーションでは、課題に応じた反復練習や歩行練習など、科学的根拠を踏まえて治療方法を選択することが重要です。
学生は、
「新しい機器だから使う」のではなく、対象者の状態と科学的根拠を踏まえて治療手段を選択する
という、Evidence-Based Practiceの基本的な考え方について学びました。
講義では、脳卒中後の運動機能回復を考えるうえで重要となる神経可塑性(neuroplasticity)についても解説されました。
脳や神経系は、経験や反復した運動によって機能的な変化を示すことがあります。
理学療法士には、このような神経系の特徴を理解しながら、対象者に適した運動課題や練習量、環境を考えることが求められます。
学生は、電気刺激やロボット技術を単独の治療手段として捉えるのではなく、運動学習や反復練習を支援する手段としてどのように活用するかを考えました。
今回講師を担当した小串先生は、病院で脳卒中患者のリハビリテーションに携わる理学療法士です。
大学内の講義だけでなく、実際の臨床現場で患者の評価・治療を行っている理学療法士から、機器の活用方法や臨床的な判断について直接学ぶことも今回の授業の特徴です。
城西国際大学理学療法学科では、大学教員による専門教育に加え、臨床現場で活動する専門家による講義を取り入れ、学生が実際の理学療法とのつながりを理解できる機会を設けています。
城西国際大学理学療法学科では、脳卒中をはじめとする中枢神経系疾患について、運動療法、歩行練習、電気刺激、FES、ロボット技術などを含めて学ぶ神経理学療法教育を行っています。
学生は、機器の使い方だけではなく、
対象者を評価する
→ 問題点を整理する
→ ガイドラインや科学的根拠を確認する
→ 運動療法や機器を選択する
→ 効果を評価する
という理学療法の臨床思考について学びます。
今後も本学科では、臨床現場で使用されるリハビリテーション技術や機器を教育へ取り入れながら、科学的根拠と実際の臨床を結びつけて考えられる理学療法士の育成を進めていきます。