海外研修
2025.09.08
2025年度は、8月21日から26日までの6日間、観光学部と福祉総合学部が共同で韓国での海外研修プログラムを実施しました。
本研修における学生たちの目的は、「実地で観光資源・産業・文化などについて体験的に学ぶ」ことにあります。「実地体験をすることで、専門教育や海外長期留学への志向を高める」ことも狙いです。
研修プログラムでは、「(1) 海外協定校との交流」、「(2) 観光関連交通機関への乗車」などを経験しながら、「(3) 世界遺産」や「(4) 伝統文化の現代的な活用事例」、「(5) 研修国独自の観光ブランディング事例」について、視察を通して学びます。本年度は、この五つの学びを前提に、釜山(プサン)から韓国に入国し、安東(アンドン)という世界遺産群の広がる地域、そしてソウルを巡ります。
今回は、初日に釜山の富平市場(プピョン シジャン)で食事や韓国の文化に触れ、やっと韓国にも慣れはじめた本学の学生が、海外協定校である東西大学と「(1) 海外協定校との交流」プログラムを実施した様子について、学生の声を介して紹介します。また、オンラインで実施した事前学習の様子についても紹介したいと思います。
初めての夕食をとった富平市場を散策
慣れない韓国語での買い物に挑戦中
○ 観光学部2年 大坊 友乃
韓国研修2日目。東西大学(トンソ:Dongseo University)の学生と釜山市内でワークショップを実施しました。本年度は、「釜山を1日楽しむための観光ルート」を作るという課題が出され、7時間のコースづくりを4つのチームに分かれ実施しました。
東西大学の皆さんと記念の集合写真を撮影
まず、私たちは、渡韓前に、東西大学のチームメイトと今回のワークショップを実施するにあたって細かい点を決めるべく、zoomやKakao Talkを使ってやりとりしました。東西大学の皆さんは、私たち城西国際大学の学生が考えた「釜山を1日楽しむための観光ルート」に対して、具体的な実施案を出してくださいました。おかげで、You Tubeや書籍で調べてきたことよりも、具体的な釜山観光のイメージが膨らみました。とくに、私たちのチームは、積極的に会話を交わすことができたため、視察場所と交通手段をスムーズに決めることができました。
オンラインを併用した日本での事前学習の様子
事前レクチャーを聞く学生一同
そして、ワークショップ当日を迎えることとなります。
まず、私たちは、最初に、西面(ソミョン)という街へ行きました。ここでは、昼食でミルミョンを食べることとなります。私の地元で有名な冷麺と似ているということで比べながら食べましたが、ミルミョンは冷麺よりも量が多く、麺が細く長い印象を受けました。また、この西面は、若者に人気のお店が多く、私たちも、韓国式のプリクラを撮ったり、ビンテージの洋服店に立ち寄るなど、釜山での思い出づくりやお土産に適したものを探しました。とくに、この地域で、東西大学の皆さんから日本人に人気のアーモンドのお店を教えてもらい、事後報告のためにお土産として紹介するべき品物の記録を残しました。
次に、釜山の観光地を視察すべく、韓国第一号の海水浴場として知られる松島(ソンド)に向かい、海の見えるカフェに寄りました。ここでは、観光地の視察だけでなく、メンバーの皆さんと話をしてお互いをより知る交流の機会を持ちました。彼らは、日本の音楽を聞いたり、日本の映像作品を見る方が多く、日本人の私たちも知らないバンドを知っていて感心しました。
とってもかわいいキーホルダーを発見
松島の後は、釜山の観光地として知られる甘川文化村(カムチョンム ナマウル)へも足を運びました。ここは、街の中にたくさんのフォトスポットがあり、たくさん写真を撮りました。その中でも、星の王子様の像と一緒に写真の撮れる場所があり人気とのことだったので、そこでチーム全員で記念写真を撮ることにしました。坂が多く、暑さもあり、甘川文化村のある山を登るのが大変でしたが、頂上付近からの景色が綺麗でその辛さも忘れることができました。
星の王子様のパブリックアートを囲んで記念写真
その後、西面に戻り韓国式のカラオケにも立ち寄り視察しました。私たち城西国際大学の学生が作った「釜山を1日楽しむための観光ルート」の予定には入っていなかった場所でしたが、「日本と韓国の違いを体験できる有意義な機会」だということで東西大学の皆さんが事前にコース設定に盛り込んでくれました。ここでは、まず、韓国式カラオケについて教えてもらい、日本の曲が多く登録されていることに驚きました。また、東西大学の皆さんが日本の曲を歌えることに驚かされました。しかも、日本人でも歌うのが難しい曲も上手く歌っており、私たちは終始「すごいっ!」と言っていました。こういう現地の人と交流体験を交えた「釜山を1日楽しむための観光ルート」を、ぜひ、皆さんにも体験してもらいたいと感じています。
韓国式カラオケを視察しました
最後になりますが、このワークショップの1日を通して、東西大学の皆さんには本当にお世話になりました。おかげで、移動や目的地をスムーズに回ることができました。予定に入っていなかった場所にも行くことができたので、韓国人の日常観光の一端を見られ、とても充実感に満ちています。
とくに、母国語ではない言語でずっと話すのは大変だったと思います。日本語がとても上手で、こちらが言ったことをすべて理解して話してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。今度は、ぜひ日本の観光地や日常で楽しんでいる場所を共有していきたいと考えています。
○ 観光学部2年 石橋 陽菜
私は、韓国研修二日目に設けられた東西大学とのワークショッププログラムで、東西大学の学生と釜山の南端にある影島の国立海洋博物館や白瀬文化村(ヒンヨウル ナマウル)を基軸に、同世代の観光客に向けたツアーを作り、実際に体験することになりました。
影島は、日本ではあまり馴染みのない地域ですが、この地域を介して、釜山という地域の歴史や魅力を理解したので、みなさんにも私たちの活動とともに、どんな場所だったのか紹介したいと思います。
事前レクチャーで東西大学の皆さんと一緒に作ったコースを発表しました
まず、日本国内で実施した事前学習で、何箇所か学んだ事例から、私たちは、釜山の観光地として日本人に紹介したい場所として影島を選びました。そこから、影島という地域の魅力を調べるとともに、私たちと同世代の日本人訪韓客が、観光地に求めるものを想像し、影島の持つ魅力と照らし合わせて行ってみたい場所をいくつかピックアップしました。
私たちのグループで常に意識していたことは、「SNS文化の発展によって生まれた写真や動画で映える場所やモノを求める若者たちの傾向」と「地域に根ざした人間の生活とともにある食事」の2つです。そうしたコンセプトをもとに、ツアーのメインに選んだ国立海洋博物館と白瀬文化村は、海の文化を象徴していることもあり青色が特徴的なので、「映えスポット」になるだろうと想像し、コースの基軸として選出しました。また、食事は釜山全体において有名なミルミョンを選びました。また、韓国独自のカフェ文化を体験することで満足感あるツアーを演出しようと考えました。
その内容を、東西大学の参加者の皆さんに、オンライン環境でプレゼンテーションし、いろいろな協力をしてもらいました。施設情報を問い合わせてもらったり、おすすめの飲食店を教えてもらうなど、現地で学ぶ学生が思う釜山の良さを取り入れながら、細部について話し合いを行い、ツアーの行程を完成させました。
東西大学の皆さんに紹介してもらったミルミョンのお店での昼食風景
こうした事前学習を経て、当日を迎えます。
当日は、とくに国立海洋博物館の視察に、期待以上の満足感を得ました。この博物館では、韓国の海・天体・生活の歴史についての特別展示と魚たちが優雅に泳ぐドーム型水槽を見学しました。
Web siteやいろいろな人が訪れたSNSでは、このドーム型水槽が紹介されているので、水族館だと思っていたのですが、魚だけが紹介される水槽とは異なり、海の歴史の一環として、現在の環境問題などを考える上で、水槽が展示されているというものでした。
展示も、半数以上がデジタルメディアを活用した体感型展示だったため、よい意味で驚かされました。午前中に見学していた釜山タワーや四日目に訪問したDDP(東大門デザインプラザ)でも韓国のデジタルメディア技術に触れ、どの世代にもメッセージを伝えやすいこの技術はもっと日本の観光にも活かしていくべきだと感じました。
クラゲの水槽の前で記念写真
展示されているデジタル映像に魅了されました
ちなみに、このワークショップでは、連絡を取り合う韓国人の友人ができたことは収穫でした。一緒に地域独自のご飯としてミルミョンを食べたり、白瀬文化村でプリクラを撮ったり、海をバックに記念撮影をしたり、1日一緒にいたことがこうした縁を繋いでくれたのかもしれません。
私は、今後のキャリアプランとして韓国移住も考えているため、今回の体験は貴重でした。また、観光学部にいる人間として、私が体験したこの韓国の良さを伝えていければと考えていますので、今後も韓国に関する学びを続けていきたいと思います。
白瀬文化村から海をバックに思い出の集合写真