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航空・鉄道ビジネスの「人と仕事」を最前線で学びました

学生たちの声

2025.09.11

8月25日から29日に開講された「観光ビジネス特別講座」では、交通ビジネスのうち航空と鉄道を対象に、1年生から3年生の計16人の学生たちが空港や駅、格納庫、検車庫などさまざまな施設を見学しました。

この講座は「キャリア形成科目群」の1つで、学生たちは観光ビジネスの最前線を自分の目で見て、そこで活躍されている方々から直接話を伺うことを通じて仕事への理解を深めるとともに、今後の自分のキャリアプランを考える機会を提供することを目的としています。学生たちは初日に航空・鉄道業界や見学先についてレクチャーを受けた後、3日間にわたって見学を行い、最終日は再び教室に戻ってグループワークを実施しました。グループワークでは3~4人のチームに分かれて見学での気づきを共有し、今回の貴重な経験を今後のキャリアにどう活かすかといったテーマでディスカッションと発表を行い、相互に質問し合ってさらに学びを深めました。

見学1日目の成田空港、2日目の羽田空港について、学生たちの声をお伝えします。3日目は首都圏の鉄道会社を訪問し、駅、車両基地、運転士の養成施設などを見学するとともに社長に講話と質疑応答をしていただきましたが、通常このような見学を受け入れていない中での特段のご配慮による実施であったため、記事と写真は割愛させていただきます。

この講座の実施にあたって多大なご協力をいただきました日本航空、JALカーゴサービス、JALスカイ、JALグランドサービス、鉄道会社の皆さまに、この場を借り厚く御礼申し上げます。

《見学1日目:成田空港》
○観光学部1年 三島木 龍之介
私たちは1日目に成田空港にあるJALカーゴサービスを訪問し、航空貨物輸送の現場を見学させていただきました。見学では、国内外へ向けた貨物が集まる広大な倉庫の内部を案内していただき、貨物の保管方法や安全管理の工夫を間近で学ぶことができました。倉庫内は温度や湿度の管理が徹底されており、食品や医薬品など、取り扱いに注意を要する貨物も安心して輸送できる体制が整えられていました。

また、貨物が飛行機に積み込まれるまでの準備工程についても詳しく説明していただきました。貨物は到着順や行き先ごとに仕分けられ、専用のパレットやコンテナに固定されます。その際、安全性を確保するための梱包や重量バランスの調整が行われることを知り、航空輸送における細やかな配慮に感銘を受けました。

見学を通じて、物流の現場では効率性と安全性の両立が求められていることを強く実感しました。限られた時間の中で正確かつ迅速に作業を行うためには、作業手順の標準化やスタッフ間の連携が不可欠です。なので、インカムなどでコミュニケーションを取っている所が沢山見受けられました。

今回の見学は、私たち学生が将来の視野が広がる貴重な機会となりました。今後も、このような企業訪問や現場体験を通じて、社会で求められる知識とスキルを身につけていきたいと考えています。そして、私たちが普段安全に飛行機に乗れているのはこのような人たちが陰で支えて下さっているからなんだと現場を通じて感じました。これからはこのことを理解しながら感謝の気持ちを忘れずに飛行機を利用したいと思います。

JALカーゴサービスで航空貨物ビジネスの説明を聴きました

上屋(倉庫)には世界各地から届いたさまざまな貨物がありました

○観光学部3年 加藤 咲
JALスカイ、SCC(Station Command Center)とJALグランドサービスの業務を見学し、空港で働く方々の姿勢や役割の広さを学ぶことができました。JALスカイのスタッフは、一人ひとりのお客様に寄り添いながらも、時間を意識して正確に業務を進めていました。笑顔で対応しつつも確認作業を丁寧に行う姿を間近で見て、思いやりと責任感が両立していることを実感しました。

私自身、飛行機の搭乗前の業務で手こずっていた時、スタッフの方が声をかけてくださり、困っている状況をすぐに察して行動してくださる姿にとても感心した経験があり、その背景にはこうした努力があると知り、さらに魅力を感じました。
SCCでは、直接お客様の目に触れる場面は少なくても、安心して旅行できる環境をつくっている非常に大きな役割を担っていることを知りました。

空港内で多くの部署とつながりながら、お客様が困らないように調整している姿を見て、常に冷静さと正確さを求められる難しい業務だと感じました。私なら慌ててしまいそうな場面でも落ち着いて対応する姿勢に、強いプロ意識を感じ、見習いたいと思いました。また、こういった裏側での連携があるからこそ私たちは快適な旅が実現しているのだと思うと一つひとつの業務が大きな役割を果たしているのだと実感しました。

空港の司令塔、JALステーションコマンドセンターを見学しました

さらに、JALグランドサービスの見学を通して、飛行機の周りで働く方々の迫力ある仕事ぶりを知りました。手荷物や貨物の積み下ろし、飛行機の誘導やプッシュバックなど、一つでも間違えれば安全に関わる大切な作業を、チームで連携をして声をかけ合いながら正確に進めている姿が印象的でした。

一人ひとりが役割を果たすことでスムーズに出発ができる様子を見て、力仕事だけでなく細かい確認や協力が欠かせないことを学びました。今回の見学を通じて、空港での仕事は一人では成り立たず、現場とサポートが一体となってお客様の安心を支えていることを強く学びました。

到着した航空機のグランドハンドリングを間近で見学しました

《見学2日目:羽田空港》
○観光学部1年 宇賀野 ことみ
2日目にJALスカイミュージアムと格納庫の見学をさせていただきました。最初に見学したJALスカイミュージアムでは、客室乗務員の歴代の制服や、今まで運航されていた飛行機の模型などの展示がありました。中でも、パイロットや客室乗務員の制服を着られるコーナーや、コックピットに座れるコーナーは非日常的な体験でとても印象に残りました。

JALスカイミュージアムにて、全員集合!

その後、隣接する格納庫の見学をしました。実際に飛行機のそばまで行き、整備しているところを見ることができ、大きな機体にとても圧倒されました。整備士の方々が、夏は暑く、冬は寒い中、細部までこだわって点検をしてくださっている姿が印象に残りました。また、飛行機が飛び立っていく瞬間を間近に見ることができ、私たちが見学していた30分程の間でも、空港は忙しく動き続けていました。

今回JALスカイミュージアムと格納庫を見学し、私たち乗客と直接接する方々はもちろん、飛行機の点検をしてくださる整備士の方々が、私たちが日々安心安全に飛行機に乗ることができるよう、尽力してくださっている姿を学ぶことができました。

私は将来、航空業界で働きたいと考えています。今回の見学で学んだ「安全」についての意識や、働いてくださっている方々への感謝を忘れずに、日々努力したいと思います。

JALの最新鋭機、エアバスA350の初号機をバックに

○観光学部3年 磯野 花音
3日目の午後は、日本航空安全啓発センターを見学をさせていただきました。ここでは、過去に発生した8つの大きな航空事故について学ぶことが出来ました。その中でも特に、JAL123便のことについて詳しくお話を伺いとても強く心に残りました。正直に言うと、それまで私はこの事故についてくわしく知りませんでした。しかし、展示や映像、資料を通して学ぶ中で、乗客乗員524名中520名もの尊い命が奪われた日本の航空史上最大の事故であるということを知りとても衝撃を受けました。

特に印象に残っているのは、遺族の方に宛てられた遺書を目にした時のことです。そこには「怖い、死にたくない」という思いと同時に、家族への思いが綴られていました。ひとつの事故がどれだけ多くの人の人生を変えてしまうのかをその遺書を通し強く実感しました。私は、当事者ではありませんが、その重さやつらさを想像するだけで胸が痛み、いたたまれない気持ちになりました。

また、事故後の原因調査や安全対策の取り組みについても学びました。悲惨な過去を風化させず学びを得て、同じ過ちを繰り返さないよう努力し続けることの大切さを感じました。安全は当たり前に存在するものではなく、多くの人の努力によって支えられているということを改めて実感しました。

今回の日本航空安全啓発センターでの見学を通して、日常生活を安心して送れていることが決して当然ではないと気付かされました。そして、命の尊さ安全の重みを忘れず日々大切に過ごしていきたいと感じました。

日本航空安全啓発センター(日本航空ホームページより)