プロジェクト
2026.10.19
2026年度も、観光学部が提供する「域学共創プロジェクトB」では、道の駅や駅など、観光の窓口となる施設を基点に、地域観光を広域に展開する方法を検討しています。
本授業では、東金市と連携してサイクルツーリズムによる地域観光の促進に取り組むとともに、九十九里地域観光連盟に向けて山武郡市の魅力を紹介する広域サイクリングコースの開発・提案を行なっています。
本年度は、9月5日のB.B.BASE東金・九十九里(BOSO BICYCLE BASE)の運行に合わせ、東京から訪れるサイクリストを迎え、地域を楽しんでいただくために、学生たちがさまざまな企画を考えました。駅でのお出迎え/お見送りや記念品の配布、レンタサイクルの受け渡しに加え、地域の食材を生かした商品づくりや、サイクリストを迎えるエイドステーションの運営にも取り組みました。
今回は、企画の準備から当日の活動まで、それぞれの役割を担った学生の声を通してご報告します。

nam café & camp様にエイドステーションで提供する品をプレゼン中
○ 観光学部2年 小栗翔汰
私たちは、9月5日のB.B.BASE東金・九十九里の運行に合わせて、S2(6月前半から7月後半)の授業期間からイベントの準備を進めてきました。
準備は3つのグループ(JA成東駅前エイドステーショングループ、道の駅オライはすぬまエイドステーショングループ、JRに関わるプロジェクトグループ)に分かれて行いました。私たちのグループでは、山武市の特産品であるとうもろこしを使って何かできないかと考えました。まず、地域で販売されている農産物や商品を知るために道の駅を視察し、とうもろこしと組み合わせられそうな食材や、実際に販売されている料理を調べました。その後、グループで話し合い、とうもろこしを使った料理の案を3つに絞りました。

JA成東駅前エイドステーションを設営中

現地でエイドステーションのレイアウトを検討中
企画案は、さんむエコノミックガーデニング推進協議会、山武市観光協会、山武市役所商工観光課の皆様が集まる場で発表しました。そこでいただいたご指摘から、食品を扱う企画には、さまざまな条件を確認する必要があると学びました。例えば、イベント当日にはとうもろこしの旬が過ぎてしまうこと、乳製品の取り扱いが難しいこと、火を使う場合には許可が必要になることなどです。私たちは、いただいたご意見を踏まえ、企画を考え直しました。

事前の会議で食品衛生管理の大切さについて学びました
次に注目したのは、同じく山武市の特産品であるかぼちゃです。旬の時期も考慮して、かぼちゃを使った商品を企画することにしました。しかし、8月の千葉県内の豪雨により、かぼちゃを提供していただく予定だったTKG小川農園様が被害を受け、材料をどう確保するかという新たな課題が生じました。イベントが近づく中で、状況に応じて企画を調整する必要がありました。
この過程で、私自身にも変化がありました。これまでは課題を一人で抱え込み、うまく進められないことがありました。今回は一人では解決できないことも多く、メンバーと相談し、役割を分担しながら対応しました。周りの人を頼り、協力して課題に向き合う大切さを学べたことは、私にとって大きな成果です。

メンバー全員で提供する品のPOPを検討中
当日は、私たちのエイドステーションでは、企画していたかぼちゃの商品を提供することは実現しませんでした(JA成東駅前エイドステーションで提供することとなりました)が、あわせて提供する予定だった山武市産の麦茶を、道の駅オライはすぬまの一画をお借りして提供しました。このエイドステーションでは、千葉穀物様の麦茶を試飲提供として紹介するとともに、道の駅に出店している他の店舗についても道の駅の来訪者や私たちのイベントに参加しているサイクリストの皆様にご案内しました。実際に店舗を回ってくださる方もおり、地域の方々と直接関わる機会にもなりました。

エイドステーションでサイクリストの方々に麦茶を提供

来場者に提供した山武市産の麦茶(千葉穀物様)
今回の活動では、企画を実現するまでに多くの課題があることを学びました。同時に、地域の方々やメンバーと協力しながら取り組む経験もできました。この経験を今後のモデルコースづくりや地域活性化に関わる活動に生かしていきたいと思います。
○観光学部1年 伊藤 沙姫
私たちは、9月5日に運行された「B.B.BASE東金・九十九里」に合わせ、サイクリストを支援するとともに地域の魅力を伝えるエイドステーションを運営しました。その取り組みの一つとして、地域の野菜や果物を使った商品の提供を企画し、さまざまな地域資源について調査しました。
当初は、山武市や東金市の特産品として知られるいちごを使った商品を考えていました。しかし、学生から「定番のいちごではなく、別の食材に着目してはどうか」という意見が出たため、山武市観光協会及びさんむエコノミックガーデニング推進協議会との会議に同席されていたTKG小川農園の薄井様に相談しました。そこで、薄井様から「その時期の山武市では、かぼちゃが旬です」と教えていただき、「それなら、かぼちゃを山武市の新しい魅力として提供しよう」ということとなり、かぼちゃを使った商品を検討することになりました。

山武市の農業環境についてTKG小川農園様にお話していただきました

ソムリエファーム様を事前に視察した際の様子
学生同士でさまざまな案を出し合い、提供方法や調理環境などの条件を考慮した結果、「かぼちゃを使ったマフィンがよいのではないか」という結論に至りました。マフィン作りに賛同したメンバーでレシピ案を検討し、そのレシピをもとに私が試作を行いました。芝山町におけるサイクルツーリズムの取り組みを視察した際、メンバーで試作したマフィンを試食し、味や食感などについて意見を出し合ったうえで、実際に提供することを決定しました。

かぼちゃのマフィン試作品一号
その後、山武市で収穫された食材を使ってマフィンを作るため、TKG小川農園様と打ち合わせを進めていました。しかし、8月13日に発生した線状降水帯による大雨の被害を受け、予定していたかぼちゃの収穫が難しくなり、一時は企画を断念することも検討しました。
そのような中、薄井様から「あなた方が以前視察したソムリエファームでもかぼちゃを栽培しているので、そこで収穫体験から行ってみてはどうか」とご提案いただきました。そこで、改めて山武市にあるソムリエファーム様にお願いし、かぼちゃの収穫体験を実施しました。当日は薄井様にも参加していただき、収穫方法やさまざまなかぼちゃの品種について、分かりやすく説明していただきました。その中で、甘味が強く、マフィンにも適している「ロロンかぼちゃ」を勧めていただき、今回の材料として使用することにしました。

いろいろな種類のかぼちゃを収穫できました

ロロンかぼちゃを持ってソムリエファーム様たちと記念撮影
マフィンの製造にあたっては、東金市にあるnam café & camp様にご協力いただきました。厨房をお借りしただけでなく、衛生管理の基本を教えていただいたり、サイクリストの皆様においしく食べていただくための調理上の工夫についてもアドバイスをいただきました。その結果、ロロンかぼちゃの自然な甘味を生かした、おいしいマフィンを完成させることができました。

nam café & camp様でイベントの準備

自分たちで作ったかぼちゃマフィンを試食
「B.B.BASE東金・九十九里」の運行当日には、成東駅の近傍のJAの敷地でフードトラックの皆様と共にエイドステーションを設けマフィンを提供しました。サイクリストの方から「おいしかったよ」と声をかけていただいたほか、多くの方がかぼちゃのマフィンに興味を持ってくださいました。自分たちが企画し、地域の皆様と協力して完成させた商品を喜んでいただけたことを、本当にうれしく感じました。

ご協力いただいた地域の方々にもかぼちゃマフィンを提供
今回の活動を通して、私たちは地域の方々と協力して一つのものを作り上げることの大切さを学びました。食材の選定や収穫、試作、製造、当日の提供に至るまで、多くの方々のご協力がなければ、この取り組みを実現することはできませんでした。
今回得た貴重な経験と、地域の皆様とのつながりを大切にし、今後の活動にも生かしていきたいと思います。
○経営情報学部 鈴木 綜眞
今回のイベントサポートでは、9月5日に運行されたB.B.BASE東金・九十九里に合わせ、道の駅オライはすぬまを活用したエイドステーションの企画・運営に取り組みました。

お世話になった道の駅オライはすぬまの駅長と記念撮影
準備は、B.B.BASEと連携したイベントで「道の駅を使って何ができるのか?」ということについて考えることから始まりました。私たちは、地産地消を通じて地域の魅力を多くの人に知ってもらうことを目指し、山武市の特産品を使った商品について話し合いました。中でも、地域の農家の方から紹介したいとお話のあった山武市産のかぼちゃに注目しました。かぼちゃバターやかぼちゃチップスなど、さまざまな案を出し、地域の食材を生かしながら、来場者に興味を持ってもらえる商品を考えました。

学生間で何を提供すべきか議論している様子
私は、かぼちゃバターを提案し、自分たちの手で一から作ってイベントで提供することを目指しました。最初は作り方が分からなかったため、知人のパティシエの方に作り方や分量の目安を教えていただき、それを参考に試作しました。実際に作ってみると、材料の配合や味などに調整が必要で、試行錯誤を重ねました。

事前学習時間を使ってかぼちゃバターの試作

聞き取りしたかぼちゃバターのレシピ
試作品をメンバーに試食してもらったところ、好評でした。しかし、イベントで提供することを検討する中で、夏の猛暑の下、屋外でバターを保管・提供することの難しさが課題となり、今回は提供を見送ることになりました。
今回の活動を通じて、アイデアを実際の商品にするには、味や作り方だけでなく、気温や保存方法、提供方法など、さまざまな条件を考える必要があることを学びました。また、分からないことを周りの方に相談し、助言をいただきながら試行錯誤することの大切さも実感しました。
今回は提供までつなげることができませんでしたが、自分たちで一から商品を作る経験ができたことは、大きな成果だと感じています。次にイベントに参加する機会があれば、今回の経験を生かし、保存や提供の方法も検討した上で、かぼちゃバターを来場者に味わっていただきたいと考えています。

制作から袋詰めも自分たちで実施

自分たちでタグ付けも検討しました
※下記のリンクは、2026年度の域学共創プロジェクトBの取り組み記事となりますので、ご覧ください。
・道の駅で学ぼう ― 道の駅でサイクリスト誘客の仕事について考える ―
・地域で学ぼう① ― 地域人とサイクリスト誘客の取り組み課題について考える ―
・地域で学ぼう② ― サイクリストから始まる誰もが楽しめる地域観光の環境整備 ―
・地域で学ぼう③ ― サイクリストと地域の魅力をつなぐ人々の仕事に触れる ―
・地域で動こう① ― B.B.BASEで訪れるサイクリストのために自分たちができることを探す ―