域学共創
2026.08.26
全学共通基盤科目「域学共創プロジェクトH」では、地域に受け継がれてきたお祭りと伝統芸能を実際に体験しながら、地域に眠る価値を発掘し、課題解決に主体的に取り組んでいます。キーワードは「神社」×「地域」×「お祭り」の三位一体。今回は、私たちがこれまで取り組んできた事前学習と2つのフィールドワークについて紹介します。
今年度は5月からプロジェクトをスタートし、まず千葉県の歴史について学習しました。その後、一人ひとりが「東金の歴史」「千葉の祭り」「千葉の食」などのテーマを決めて、調査・発表する事前学習に取り組みました。徳川家康が東金に鷹狩りに来ていたということを、徳川家康の動静が記されている『駿府記』を国立公文書館デジタルアーカイブで確認し、歴史の重みを感じました。

東金駅から徒歩で切り通しを抜け、東金日吉神社を訪れました。宮司様から、神社の由来や日吉神社連合祭典の歴史、今後の取り組みについてお話を伺いました。

印象に残ったのは、長い歴史を持つ連合祭典が、台風被害やコロナ禍の影響で約10年間の空白を経験しながらも、伝統を未来へつなぐため、開催時期を7月から10月へ移す熱中症対策、巡幸路の変更、実行委員会の創設、「ちば文化資産」への指定による資金の確保など、さまざまな工夫が重ねられていたということです。伝統をそのまま守るだけでなく、時代に合わせて柔軟に形を変えながら受け継いでいく姿勢から、私たちは伝統を未来へつないでいくことの大切さを学びました。

国際人文学部 国際文化学科3年 カ セイギョウ
事前学習で徳川家康と東金市の関係を調べていたため、家康が歩いたとされる表参道や、家康の命で改築された本殿を実際に見ることができ、歴史を身近に感じました。祭りの技術を次世代へどう伝えていくのか、外国人である私に何ができるのか。この授業を通して、自分なりの答えを見つけていきたいと思います。
国際人文学部 国際文化学科3年 木下 璃子
特に印象に残ったのは、伝統行事を未来へ残したいという思いがある一方で、時代に合わせて柔軟に変化していく必要があるということです。若い世代に参加してもらうには、参加するメリットをつくることも必要だと感じました。地域の魅力やお祭りの様子をSNSで発信する取り組みに関わっていきたいです。
国際人文学部 国際文化学科1年 下村 小虎
宮司様のお話からは、少子化に悩む地域の姿とともに、祭りを「ただ継ぐ」のではなく活性化させようとする苦悩も伝わってきて、このプロジェクトで少しでも祭りの賑わいに協力したいという思いが強まりました。これから企画も本格的になりますが、ぜひとも日吉神社の発展に力を尽くしたいと思います。
東金市岩崎区の「い若会」の皆様にご協力いただき、お囃子を体験しました。い若会で伝承されているお囃子の歴史と演奏を聴かせていただいたうえで、太鼓や笛、三味線に実際に触れ、ご指導を受けながら演奏に挑戦しました。東金ばやしについて、他地域と比べて使う楽器の数が多いこと、楽譜ではなく言葉と体でリズムを覚えること、巡幸路の状況によって演奏する曲が変わることなどを学びました。演奏を実際に体験するだけでなく、お囃子という文化そのものについても理解を深めることができました。なかでも心に残ったのは、「お囃子は、かつて最新の音楽だった」という言葉です。実際に演奏を体験することで、伝統を守りながら次の担い手をどのように育てていくかという課題を、身体を通して実感しました。

観光学部 観光学科1年 青木 琴音
私の地元にも山車が出るお祭りが約300年前から続いており、小さい頃から参加してきましたが、山車の上で演奏する機会はありませんでした。今回初めて演奏者としてお囃子を体験し、祭りを支える人々の思いを直接伺えたことで、地域の伝統文化を次の世代へ受け継いでいく大切さを改めて実感しました。
観光学部 観光学科1年 近藤 歩
生の演奏では、太鼓や鼓の一体感と迫力ある掛け声に圧倒されました。実際に叩いてみると腕を合わせるのが難しく苦戦しましたが、仲間と音を合わせるのはとても楽しい経験でした。地域によってお囃子が異なることも知り、この文化を絶やしてはいけないと改めて思いました。
経営情報学部 総合経営学科3年 イン チェンカイ
中国から来た留学生として、以前は日本の祭りをにぎやかな行事として見ることが多かったのですが、お囃子は地域の人々が練習を重ね、互いに教え合いながら受け継いでいく文化であることを学びました。祭りは見る人のためだけでなく、地域の人々を結び付け、次の世代へ伝統を伝える役割も持っていると感じました。
観光学部 観光学科1年 松本 留奈
大人だけでなく小さな子どもも夜遅くまで練習し、見事に演奏している姿に感動しました。今回は見学だけでなく参加もさせていただけることになり、大変楽しみです。運営側を見せていただき、参加させていただくことで、自分にできること、したいことが見えてくると感じています。
前期の活動を通して、お祭りが「伝統文化の継承」「賑わいと観光」「地域振興・コミュニティ」という3つの視点から、地域を考えることを学びました。次の世代にどうすれば参加してもらえるか。インバウンドも視野に入れたSNSの活用。そして、お祭りを核とした人のつながりづくり。後期は、連合祭典フォトコンテストの企画、日吉神社パンフレット(英語版・中国語版)の作成、情報発信、大学祭での成果報告に挑戦します。
9月には国立歴史民俗博物館を視察し、10月3日、4日にはいよいよ日吉神社連合祭典に参加します。これからも、大学生ならではの発想力と第三者だからこその視点を生かしながら、東金のお祭りを通じて地域の未来を考えていきたいと思います。私たちの挑戦は、これからが本番です。
(出典「東金市ホームページ」「東金市/東金市デジタル歴史館」より)
