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城西国際大学理学療法学科のスポーツ理学療法研究|森藤武教授らが大学野球選手68名の腰痛と脊柱機能を国際誌で発

教員活動

2025.01.10

城西国際大学 健康科学部 理学療法学科では、大学野球選手をはじめとするアスリートを対象に、スポーツ傷害、腰痛、身体機能、動作などを科学的に検証するスポーツ理学療法研究に取り組んでいます。

本学理学療法学科の森藤武教授らによる大学野球選手の腰痛に関する研究論文が、2026年1月26日、国際学術誌『BMC Musculoskeletal Disorders』に掲載されました。論文には、森藤教授を筆頭に、本学理学療法学科の教員7名が著者として参加しています。

論文タイトルは、

“Sagittal spinal alignment and segmental mobility in collegiate baseball players with low back pain: A cross-sectional study”

です。

大学野球選手68名を対象に腰痛と脊柱機能を分析

野球では、投球や打撃などで体幹の回旋や伸展を繰り返すため、腰部にはさまざまな力学的負荷が加わります。

今回の研究では、本学の大学野球選手を対象として、腰痛のある選手とない選手で、

脊柱の矢状面アライメント
各脊椎分節の可動性
体幹の柔軟性
体幹筋力

などに違いがあるかを検討しました。

解析対象は68名で、現在の腰痛がある選手35名と、腰痛のない選手33名を比較しました。腰痛群は、Numeric Rating Scale(NRS)3以上の現在の腰痛を有する選手として分類されています。

「背骨全体」ではなく、一つひとつの脊椎分節に着目

今回の研究の特徴の一つは、脊柱全体の柔軟性だけではなく、どの脊椎分節に特徴がみられるのかを詳しく検討した点です。

その結果、腰痛群では、腰痛のない群と比較して、L1/2(第1腰椎―第2腰椎間)の前弯角度が小さく、L5/S1(第5腰椎―第1仙椎間)の屈曲可動域が大きいことが示されました。

一方、脊柱全体の可動性、体幹全体の柔軟性、等尺性体幹筋力などには、腰痛群と対照群との間で明確な差は認められませんでした。

L1/2とL5/S1の局所的な特徴が腰痛と独立して関連

さらに統計解析を行った結果、

L1/2におけるより後弯方向のアライメントと、
L5/S1における大きな屈曲可動域

が、大学野球選手の腰痛とそれぞれ独立して関連していました。

この結果は、大学野球選手の腰痛を考える際に、単純に「体幹が硬い」「筋力が弱い」と捉えるだけではなく、胸腰椎移行部や腰仙椎移行部など、脊柱の局所的なアライメントと可動性を評価する重要性を示唆しています。

ただし、本研究は横断研究であるため、これらの特徴が腰痛の原因であることを証明したものではありません。今後、縦断的な研究などによって、腰痛の発生や経過との関係をさらに検証する必要があります。

大学野球部と連携したスポーツ理学療法研究

今回の研究は、本学の大学野球選手の協力を得て、大学キャンパスにおけるスポーツ環境と理学療法学科の研究活動を結びつけて実施した研究です。

城西国際大学理学療法学科では、スポーツ選手の身体機能や傷害について、実際の競技者から得られたデータを科学的に分析する研究に取り組んでいます。

スポーツ現場で感じる疑問を、

身体機能を測定する
→ データを分析する
→ 傷害や症状との関連を検証する
→ 国内外へ研究成果を発信する

という研究へ発展させています。

学科教員7名による共同研究として国際発信

今回の論文には、

森藤 武
中尾 英俊
栗原 靖
大杉 紘徳
森下 克之
深谷 泰山
竹内 弥彦

の本学理学療法学科教員7名が著者として参加しています。PubMedおよび掲載誌では、全著者の所属として城西国際大学理学療法学科が記載されています。

一人の教員による研究だけではなく、スポーツ、運動器、身体機能、バイオメカニクスなどに関わる教員が共同して研究に取り組み、その成果を国際誌へ発信した事例です。

城西国際大学理学療法学科のスポーツ・大学野球研究

城西国際大学理学療法学科では、大学野球をはじめとするスポーツ選手を対象として、腰痛、スポーツ傷害、身体機能、動作、傷害予防などを研究しています。

また、本学には硬式野球部をはじめとするスポーツ活動の環境があり、理学療法学科では、こうした競技環境と教育・研究を結びつけた取り組みを行っています。

学生は、授業で解剖学、運動学、身体機能評価などを学ぶだけでなく、教員が実際のアスリートを対象に、

どのように身体機能を測定するのか
どのようにスポーツ傷害を研究するのか
どのように研究成果を臨床・スポーツ現場へつなげていくのか

を身近に知ることができます。

今後も城西国際大学理学療法学科では、スポーツ現場と研究を結びつけ、アスリートの傷害や身体機能を科学的に検証するスポーツ理学療法研究を進めていきます。

掲載論文情報

雑誌名: BMC Musculoskeletal Disorders
掲載日: 2026年1月26日
巻・論文番号: Volume 27, Article 157
論文名: Sagittal spinal alignment and segmental mobility in collegiate baseball players with low back pain: A cross-sectional study
著者: Takeshi Morifuji, Hidetoshi Nakao, Yasushi Kurihara, Hironori Ohsugi, Katsuyuki Morishita, Taizan Fukaya, Yahiko Takeuchi
DOI: 10.1186/s12891-026-09530-5