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96人で伝える東金と九十九里 ― 学生たちの見つけた東金市・九十九里町に関する報告会 ―

プロジェクト

2026.07.07

本学観光学部が提供する観光メディア制作基礎Aという授業では、S1(本学のクォーター制度に基づく7週間の授業実施期間)において、東金市および九十九里町のご支援のもと、観光に寄与する地域情報を掲載したフリーペーパーの制作を行っています。
本年度は、96名の参加学生が11チームに分かれ、地域調査を実施しています。各チームは、観光客に向けた地域の魅力発信に加え、観光における課題や、その解決に向けた方策についても情報として発信することを検討しています。
これら11チームの取り組みの中から、各市町が掲載を希望する記事を選定し、最終的な誌面を構成します。
そこで、今回は、事前学習(96人で考える東金と九十九里 ― フリーペーパー制作ワークショップ ―)以降、フリーペーパー制作に向けて学生たちが地域へ飛び出し、実際に見て、聞いて、感じながら東金市や九十九里町の魅力を調査(96人で見つける東金と九十九里 ― 地域社会の新しい見方・楽しみ方 ―)し、その成果報告を各市町の行政職員に向けて報告会を実施しました。その調査で得た学びや報告会の様子を学生の声を介し、ご覧いただければ幸いです。

九十九里経済新聞のご協力による記念撮影

●観光学部2年 六本木 陸
私たちは、「観光メディア制作基礎A」という授業で、11チームに分かれて東金市と九十九里町の視察を行いました。今回の課題は、どちらか一方の地域の魅力を紹介することでした。しかし、私たちのチームは、一つの地域だけを取り上げるのではなく、東金市と九十九里町の関係性を伝えることで、それぞれの地域の魅力がより分かりやすくなるのではないかと考え、誌面を制作しました。
その成果を行政職員の皆様にもご覧いただいた最終発表会を通して、いくつかの重要な気づきがありました。
まず、今回の活動では、留学生と協力してプレゼンテーションや誌面制作を行いました。国籍や文化の異なるメンバーと一つの作品を作り上げることは想像以上に難しく、最初は言葉や考え方の違いから意思疎通に苦労しました。しかし、簡単な英語や写真、イラストなどを活用しながら対話を重ねることで、お互いの考えを理解し、一つの作品へとまとめることができました。
 

 

緊張の最終プレゼンテーションの様子

その中でとくに印象に残ったのは、日本人の私たちにとって当たり前だと思っていた地域の魅力が、留学生にはほとんど伝わらないということでした。留学生から「東金市と九十九里町のブランドの違いは何ですか」「市境はどこにあるのですか」と質問されたとき、私たち自身も十分に説明できないことに気づきました。つまり、地域の魅力を発信するためには、まず自分たちが地域を正しく理解していなければならないことを実感しました。
また、誌面のデザインを考える中でも大きな学びがありました。例えば、九十九里町は「海のまち」というイメージを、文字で説明するよりも写真や色使いによって表現した方が、言葉の壁を越えて伝わることを実感しました。これは留学生だけでなく日本人同士であっても同じで、観光情報を発信する上ではデザインやビジュアルによる情報伝達が非常に重要であることを学びました。

チーム一丸となって発表に向けての準備を重ねる様子

今回の活動を通して、異文化理解だけでなく、地域の魅力を客観的に捉える視点や、相手に伝わる表現方法の重要性を学ぶことができました。今後も、国籍や文化の違いを越えて積極的にコミュニケーションを取りながら、多様な視点を活かした新しい地域観光の提案に取り組んでいきたいと思います。

●観光学部3年 菊池 紗耶
私は、1クォーター(7週間(1日で2コマ全14回))という限られた期間を最大限に活用し、チームメイトと協力しながらフリーペーパー制作に取り組みました。
私たちの班では、東金市のグルメや景観といった観光情報だけでなく、東金市と徳川家康の歴史的な関係についても紹介しました。私は、その中で「なぜ、徳川家康が、東金市と関わりを持っていたのか」というテーマを担当し、読者が楽しみながら学べるようクイズ形式の記事を制作しました。しかし、歴史的な内容をわかりやすく、かつ興味を持って読んでもらえるようにまとめることは想像以上に難しく、何度も内容を見直しながら作業を進めました。
また、冊子を制作する過程では、「どのようなレイアウトにすれば見やすいのか?」「どのようなデザインなら読者の目を引くのか?」といった点についてもチームメイトと話し合いを重ねました。ただ、自分たちの持つ技術や知識でどこまで完成度を高められるのかを考えながら制作を進める必要があり、限られた時間の中で質の高い成果物を作り上げることの難しさを実感しました。

 

国籍を越えて協力する取材活動

最終的に、フリーペーパーの完成だけでなく、フリーペーパーのポイントを詰め込んだパワーポイントを用いて行政職員の方に向けた成果発表も行うことが決まっていたため、記事作成やデザイン制作に加えて発表準備も進めなければなりませんでした。そのため、私たちの班を含め、多くの班が発表直前まで作業に追われることになりました。
最終日は、そのプレゼン資料を用い、九十九里経済新聞の方をはじめ各市町の行政職員の方々をゲストとしてお迎えし、私たちが設定したコンセプトや工夫した点について発表しました。発表中はとても緊張しましたが、地域をよく知る方々やメディアの専門家ならではの視点から講評をいただき、自分たちでは気づかなかった改善点や新たな課題を知ることができました。
大変な授業ではありましたが、地域について深く学ぶことができただけでなく、企画・取材・編集・デザイン・プレゼンテーションといった一連の制作過程を経験できたことは、私にとって非常に大きな財産となりました。将来、観光に関わるメディア業界での仕事も視野に入れている私にとって、この授業で得た経験は大変貴重なものであり、自分自身の成長を実感できる機会となりました。

メディア業界から的確なコメントをいただきました

●観光学部2年 浅沼 瑞希
私は以前から鉄道に興味があり、その中でも、とくに廃線に強く心を惹かれていました。現在は存在しない路線であっても、「なぜその場所に鉄道が必要だったのか」「なぜ駅が造られ、そして廃止されたのか」を考えることに大きな魅力を感じているからです。
そのこともあり、東金市にある城西国際大学に入学してからは、山武郡市周辺に残る鉄道の歴史について調べてきました。その過程で九十九里鐵道の存在を知り、実際に旧荒生駅跡や廃線跡を訪れました。現地を歩くことで、鉄道が地域交通を支え、人々の生活に深く関わっていたことを実感し、当時の様子をさらに詳しく知りたいと思うようになりました。
そんな中、今回の授業で東金市と九十九里町をテーマとしたフリーペーパーを制作することになりました。そこで私は、かつて東金駅と上総片貝駅を結んでいた九十九里鐵道について紹介したいと考え、自分の担当ページで取り上げることにしました。これまで個人的に興味を持って調べてきたことを、授業の学びに活かせる貴重な機会になったと思います。

レンタサイクルを借りての地域調査

また、本授業は留学生と協力して雑誌制作を行う授業でもありました。そのため、言語や価値観の違いから意思疎通に苦労する場面も少なくありませんでした。しかしその一方で、日本人で観光分野を学ぶ学生にとっては馴染みのある廃線の風景が、留学生には新鮮なものとして映ることを知りました。その経験を通して、文章だけでなく、写真や地図などを活用しながら、誰にでも分かりやすく伝える工夫が必要であることを学びました。
さらに、異なる文化的背景や視点を持つメンバーと協力することで、フリーペーパーの誌面構成やデザインの重要性についても理解を深めることができました。グループ内の意思疎通や統率は決して簡単ではありませんでしたが、互いに協力しながら一つの作品を完成させることができたことは、大きな達成感につながりました。
今回の活動を通じて、地域の歴史や文化を調査し、それを多くの人に伝えることの面白さを実感するとともに、異なる価値観を持つ人々と協働することの大切さも学ぶことができました。この経験は、今後の学習や社会に出てからの活動においても活かしていきたいと思います。

他チームの発表に聞き入る学生たち

真剣な表情で行政職員の講評に耳を傾ける様子

※こちらの記事もご覧ください
96人で考える東金と九十九里 ― フリーペーパー制作ワークショップ ―
96人で見つける東金と九十九里 ― 地域社会の新しい見方・楽しみ方 ―