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第20回ど・ゼミ~まちのイメージを変え多世代が交流する場を創る活動

自主ゼミ

2022.07.28

「まちづくり」「まちおこし」に関する企画や運営といった仕事に日々従事している“その道のプロ”をお招きし、月1回のペースで開催する自主ゼミ(大学の授業外で学生たちが自主的に行うゼミ活動)の第20回目を開催しました。今回も、観光学部から学生4名(オンデマンドで5名)が参加しました。
今回の“その道のプロ”は、横浜市の黄金町で『パンとコーヒーマルシェ』『はつこひ市場』などのローカルマルシェの企画を数多く手がけている臼井彩子さんです。また、マルシェの運営を介し、地域の生産者や商店などの魅力を発信していく活動も行っています。

そんな臼井さんのお話は、観光学部の学生、とくに、地域に関わりイベントを企画・運営したいと考えている学生が、様々な条件に合わせた広報活動やボランティアスタッフとの連携方法、法的課題の乗り越え方、補助金申請のイロハなど多くの手法を学ぶ機会となりました。
とくに、そうした手法が、「商業目的のイベントでは得られない、多世代が交流するための場(マルシェ)作り」という臼井さんの考え方とどうつながってくるのかという「想いをかたちにするプロセス」についてお話しいただけたことは、学生にとっても貴重な機会となりました。
今回の自主ゼミも、上記のような多くの気づきを学生に与えてくれる会となりました。
 

黄金町パンとコーヒーマルシェ はつこひ市場のテーマ開催とし2015年スタート。わざわざ遠方から街に足を運びたくなるイベントとして、地元商店の他、横浜市内のお店を中心にこだわりパンのお店やコーヒー専門店などが集まる。019年秋の開催では、出店店舗数が2日間で60店舗以上、来場者数はのべ2万人を超えた。

地域交流の場としての『パンとコーヒーマルシェ』

観光学部4年 増田 蕾

今回ご登壇くださった臼井さんの運営する『パンとコーヒーマルシェ』は、横浜を中心に食と地域の繋がりをテーマにしたイベントです。また、地域経済を支える小さな商店との繋がりの中で、それぞれの魅力を発信していく活動を目的としています。
ただ、『パンとコーヒーマルシェ』では、パンやコーヒーをただただ提供する商店の別店舗を作っているだけではなく、「のきさきアートフェア」といった他の体験型イベントなども同時に開催し、地域に多くの人が関われる賑わいの場を創ろうと試みています。そして、その賑わいの場の創出を介して、地域の人々の交流を生もうとしています。こうした活動は、「地域がもつ独自の魅力」に「地域に足りない魅力」を加え、まちのイメージを変えることを目的としているとのことでした。

こうした事例を紹介してもらう中で、私が興味を持ったお話は、イベントの企画は「ただやりたいことを行うのではなく、場所や費用、スタッフ、ルールなど様々な条件に合わせて企画をすることが大事」というお話でした。その大事さがわかったのは、2019年11月に開催したマルシェの事例をお話いただいた際のことです。このマルシェでは、60店舗以上の商店主がイベントに参加し、2日間で2万人以上の来場があったとのこと。しかし、黄金町には広い場所がないので、衛生管理のための申請はもちろんですが、道路や高架下など屋内外問わず商店を設置し営業をしたため、道路上での営業許可を取ったり、雨天の対応方法を検討したりととても大変だったとのことでした。こうした内容は、学生では経験したことがないことなので、非常に勉強になりました。
しかも、その活動が、商業主義的な集客のためではなく、地域を活性化することに主眼をおいていることに驚きました。とはいえ、人が集まらなければ、マルシェで出店してくれる商店を募っても意味がないので、そのためにいろいろな工夫をしている臼井さんの活動には頭が下がりました。また、こうした地道な努力が、多くの人を呼ぶイベントを作ることにつながるのだなと思いました。
最後になりますが、私たちもゼミ活動などでイベントの企画・運営などをしているので、その際には、運営上の課題をもっと明確化し自分たちでまちを動かす気概を持って取り組みたいと思いました。
 

集客のための広報活動一覧

集客のための広報活動一覧

屋外イベントの障壁とその乗り越え方

屋外イベントの障壁とその乗り越え方

観光学部3年 首藤 奈保子

今回の自主ゼミでは、横浜市を中心に『パンとコーヒーマルシェ』を主催する臼井さんのお話を伺いました。

臼井さんが企画・運営しているマルシェをはじめとしたプロジェクトは、商品を売るということだけではなく、地域の住民、生産者、地域経済を支える商店などとの繋がりの中で、それぞれの魅力を発信していくことを目的としています。
とくに、地域の魅力を伝える方法には驚きました。なぜ、驚いたかというと、『パンとコーヒーマルシェ』が主な活動拠点としている黄金町は、住宅の密集している地域で、かつ、高架下の多い地域のため、広いスペースがありません。ただ、そうしたあまりいいとは言えない立地を逆手にとって、マルシェの会場設営を工夫し、まちの中に店舗を点在させ、地域を回遊させる特異な形態のマルシェを創り出し、魅力として私たちに提示していたからです。
また、このように地域全体を活用してマルシェの会場を創り上げていることもあり、色々な地域の人々と「ああでもない、こうでもない...」と会場構成のために対話をしていることが想像できました。その結果として、地域の人との繋がりが深まっていったんだろうなと感じました。
こうしたマルシェを開催するにあたり、人を呼び込むだけでなく会場全体の運営や出店者のだす個々の施設のことまで考えることで、来場者だけでなく運営側にとっても居心地のいい空間を創っているのだと思います。これらのさまざまな工夫で地域の方だけでない多くのファンが増えるのだと感じました。

最後になりますが、横浜市のような大都市においても、地域の住民と協力して地域を盛り上げていくことが必要なのだと改めて思いました。私たちが大学に通うために住んでいる東金市においても何かできないか模索してみたいと思いました。

自分たちの手で自らデザインしているチラシ

自分たちの手で自らデザインしているチラシ

パンとコーヒーマルシェのインスタグラム

パンとコーヒーマルシェのインスタグラム