特別企画
2025.06.23
良 侑生さん(左:理学療法学科2023年卒)、岩田 愛純さん(看護学科2020年卒)は本学の卒業生で、職種は異なりますが同じ職場である医療法人静和会 浅井病院(千葉県東金市)に勤務しています。
看護師、理学療法士を目指すきっかけから在学時代の思い出、同じ職場に同窓生がいる強みなど、現在の仕事内容を含め語っていただきました。
仕事内容を説明する岩田さん(左)と髙良さん
岩田さん:精神科高齢者療養病棟で看護師として勤務しています。病状的には急性期を抜けて落ち着いている患者さんを対象とした、いわゆる慢性期の患者さんを担当しています。JIUは海外研修や病院奨学金が充実しているため、進学を希望しました。
髙良さん:私はリハビリテーション部に所属し理学療法士として勤務しています。主に、地域包括ケア病棟と内科の療養病棟を担当しています。岩田さんの担当患者さんを私がリハビリで担当したこともあり、少しですが関わる機会はあります。私は学生時代、野球をしており、ケガをして理学療法士にお世話になった経験から理学療法士を目指しました。JIUは海外研修が充実しているため志望し、一番早く実施される入試日程で受験したのを覚えています。
岩田さん:在学時、浅井病院の病院奨学金を受けていたこともあってこちらに就職しました。こちらの状況に合わせて、融通を聞かせてくださったことにも感謝しています。卒業生が多く在籍していることで、仕事上での聞きやすさは全く異なります。心強い限りです。
髙良さん:コロナ渦であまり病院見学に行ける期間ではなかったことや、3年次の実習先だったこと、雰囲気が自分にあっていると感じたため就職しました。JIU卒業生の理学療法士の先輩には実習の時からお世話になっていて、今でもなんでも聞いてしまうくらい頼りになる存在です。実習に行く前に卒業生が勤務していると先生から聞いており、頼れる存在がいることで安心したことを覚えています。今ではJIU卒業の後輩もいるため、賑やかに仕事しています。
岩田さん:これまでの病棟では、入院直後はかなり病状が重い患者を担当して、その方たちが目に見えて回復していく姿を看てきました。今では違う病棟で、病状が落ち着いた方の、その日その日をいかに穏やかに過ごしてもらうかに気を配って対応しています。 派手な変化はなくても、身の回りのことを少しずつ整えて、何事もなく一日を終える。そういう日々の積み重ねに意味があると感じます。日々の中でほんの小さな「ありがとう」や「気持ちよかったよ」という言葉、ちょっとした笑顔や穏やかな瞬間が、実はとても大切なだと思えるようになりました。そうした一つひとつの小さな場面を、見逃さずに自分の中で丁寧に受け止めていきたい。今はそんなふうに感じています。
髙良さん:もう一年ほど寝たきりの患者さんでしたが、意思疎通はしっかりとできる方で、「起きたい」という気持ちをはっきり伝えてくださっていました。もともと社会的な交流が好きな方だったので、5月に開催される「はんてん木まつり」という病院内のお祭りに、何とか参加できないかと考えるようになりました。それを目標に、1ヶ月ほど前から少しずつ座位の練習を始め、車椅子にも少しずつ慣れていくように取り組みました。もちろん、体調が安定しないこともあり、途中で発熱されることもありましたが、少しずつ外出できる準備を整えていきました。当日、私は別の業務があったため、看護師さんに対応していただいたのですが、ご家族である娘さんと一緒にお祭りを1時間ほど回ることができたそうです。
正直、「無理をさせてしまったのではないか」と自分を責める気持ちもありましたが、病棟の師長から「本人も家族も本当に喜んでいた。ありがとうございました」と言葉をいただき、その言葉に救われました。特別なリハビリや大きな医療的な介入ではなかったかもしれませんが、その方が「やりたい」と思っていたことを、少しでも形にするお手伝いができたことは、本当によかったと感じています。これからも、一人ひとりの願いに寄り添い、できる限りその実現を支えていきたいと思っています。
医療法人静和会 浅井病院は、1946年(昭和21年)10月1日医院開設、1959年(昭和34年)10月9日病院開設している千葉県東金市にある医療機関です。本学看護学科、理学療法学科、福祉総合学科、医療薬学科の学生の実習を受け入れていただいているほか、看護学部生のために、奨学金の支援をいただいています。