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ゼミ研修で四国の観光最新事情を調査

ゼミ活動

2024.09.21

佐滝ゼミでは、毎年「観光ゼミナールA」の授業の一環で、学生がフィールドワークをしたい地域を決めて、現地で観光の最前線を視察・調査するという活動を実施しています。今年度は四国北部を訪問することとなり、9月12日から3泊4日で、香川・徳島・愛媛の3県を公共交通機関を駆使して巡りました。

今回のテーマは3つ。一つ目はタイプの異なる2つのDMO(着地型観光組織)を訪問し、活動の詳細をヒアリングすること、二つ目は全国的に人気の高い観光列車に実際に乗車しその魅力を体感すること、三つ目はインバウンドの増加が著しい観光地でその実情を観察することです。

訪れたDMOは、高松市に本拠を置き、四国4県の広域の観光プロモーションを行っている「四国ツーリズム創造機構」と、近年その活動が全国的に注目を集めている愛媛県大洲市を活動エリアとする「キタ・マネージメント」の2つの一般社団法人。どちらも非常に有意義な意見交換ができました。

キタ・マネージメントさんには、大洲市内で展開している古民家再生による分散型ホテル事業の現場を案内してもらい、古民家の良さを活かしながら、最先端のホテルにリノベ―ションしてインバウンドを呼ぶ手法を学びました。

高松市の「四国ツーリズム創造機構」で、スタッフから説明を受ける

大洲市内の分散型ホテル「NIPPONIA」を見学

乗車した観光列車は、松山駅を起終点として予讃線を往復する「伊予灘ものがたり」。途中、青春18きっぷのポスターなどで一躍全国区の人気となった下灘駅で10分間の停車をします。さらに、松山市内を運行する伊予鉄道市内線を走る「坊ちゃん列車」にも乗車しました。四国の鉄道の運営はどこも厳しい状況が続いていますが、こうした観光列車が果たす役割の重要性を体感することができました。

大人気の予讃線下灘駅にて「伊予灘ものがたり」を途中下車

観光列車「伊予灘ものがたり」の車内で朝食に舌鼓を打つゼミ生

インバウンドの増加は四国にも表れています。四国遍路の巡礼路、祖谷のかずら橋や大歩危峡、松山市の道後温泉などには予想以上に多くのインバウンドが訪れており、国籍や個人かグループかなど、DMOに提供されたデータとも併せてその詳細を知ることができました。

スリル満点の「祖谷のかずら橋」を全員無事渡り終えて

旅の最後はリニューアルオープンしたばかりの道後温泉本館で汗を流す

そのほか、大洲市で鵜飼船に乗船して鵜飼見学をしたり、四国霊場75番札所で空海の誕生の地でもある善通寺で88か所の砂を集めた「お砂踏み」にチャレンジするなど、四国の観光組織が力を入れている「アドベンチャーツーリズム」を身をもって体感しました。今回の様々な体験は、今後の観光の専門的な学びに必ずや役立つだろうと感じられるものとなりました。

以下は参加した学生(すべて3年生)の声です。
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山崎 紡
4日間の四国研修を通して、地域の方々と観光地の繋がりを深く知ることができました。道すがら出会う地元の方だけではなく、観光施設で対応してくださった従業員の方や、タクシードライバーの方など、出会う人が皆心からその地域が好きなのだということが伝わってきました。あまり名前が知られてない場所であっても、地元の方が地域に誇りを持つことで、これほど穏やかな観光地になるのだということは大きな発見だったと思います。

島田 隼安
キタ・マネジメントの方々が大洲の古民家をなんとか活用できないかと考え生まれた分散型ホテル。古めかしいところをあえて残し宿泊されるお客様に時代を感じてほしいという情熱を感じ取れることができました。また古民家にスイーツや現代風の雑貨のテナントなどが入っているおしゃれさにも惹かれました。

丹野 杏樹
4日間の四国研修を通して、四国ならではの乗り物や歴史的建造物、自然などを目にすることができました。たくさんの観光地をまわって私が一番驚いたのは四国の自然の豊かさです。「伊予灘ものがたり」から見た海はとても綺麗で晴れた空との相性が抜群でした。また、祖谷渓の景色は緑に囲まれた渓谷に太陽が差し込む様子がとても綺麗でした。

渡邊 樹
キタ・マネジメントの方のお話の中で、低価格の古民家ホテルは考えていないのか質問したところ、地元の従来の宿泊施設との差別化を図り、自分たちが呼びたい客層だけにターゲットを絞ることが重要だという答えが返ってきて、とても筋が通った考え方だしかっこいいなと思ったのが印象に残っています。

福山 菜歩
ハードスケジュールでしたが、4日間本当に楽しい時間を過ごすことができました。美味しい食べ物も豊富で、胃袋の限界と戦いながらも、たくさんの料理を堪能しました。特に、香川でいただいた骨付鳥が本当に美味しく、あっという間に食べ切ってしまいました。他にも鯛めし、香川のうどん、祖谷そばなど、四国ならではの美味しい食事を存分に楽しむことができました。

小溝 萌
今回のゼミ研修は皆で意見を出し合って計画をした経緯から、普段自分では選ばないような体験ができました。「伊予灘ものがたり」は、正直観光列車に乗ろうと思ったことがなくあまり期待をしていなかったのですが、車内の雰囲気や料理、全てが新鮮で2時間があっという間に感じられるほどでした。車窓からは沿線住民の方が手を振る姿が見られて、終始和やかな雰囲気に包まれていました。観光列車には観光客と住民の距離を近づけ、まちづくりが進みやすくなる効果もあるのだと気づかされました。

長谷川 颯
印象に残った観光地は祖谷のかずら橋です。徳島県の中でも特にインバウンドに人気の観光地で、祖谷や大歩危を含め、三好地区では多くのインバウンドが見られました。自然豊かな美しい景観、四国特有の雄大な自然が肌で感じられとても良い体験になりました。

古賀彩也夏
今回の最大の収穫は、地元の人々の親切さ、温かさに感動したことです。四国に自然が多く残っていることは知ってはいたのですが、人々のおもてなしは四国の新たな魅力であるのではないかと今回の旅を通して感じました。観光列車「伊予灘ものがたり」に地元の方々が駅や沿線から自作の旗や横断幕をかかげ、手を降ってくださる様子を見て、とても素敵な演出であると同時に心がホッと温まり感動しました。その他の場面でも四国の方々は優しく私たちを迎え入れてくれてとても有意義な旅となりました。

佐々木遼太郎
これまでは一人旅が多かったため、グループで一緒に4日間同じ行程、同じ空間で過ごすことがいかに楽しいかを実感しました。感想を共有できたり、授業の中だけでは話せない深い意見交換ができたことで、新たな旅の楽しみが見つかりました。

笠倉 璃央
2つのタイプの異なるDMOへの訪問は、自分の将来を考えるにあたり、思考をより深く広げる機会となりました。なぜ広域DMOがあるのか、そして地域に密着した市単位のDMOがある理由は何かということを、それぞれの活動を知ることで地域活性化までの流れをつかむことができて、様々なDMOの運営に大変興味が湧きました。