2023年度の「中国研修」が2024年3月4日~3月15日の12日間、中国の大連理工大学、大連芸術学院で実施され、国際人文学部国際文化学科の学生が参加しました。
今回の研修の目的は、①現地の学生との交流を通して相互理解を深めること、②現地視察やワークショップを通して中国社会の現状を知ること、③中国語運用能力を向上させることです。12日間の現地研修のほか、事前・事後各10日間のオンライン研修も実施されました。詳細な内容は次の通りです。
オンラインで大連理工大学外国語学部の学生と交流し、現地視察でどのようなトピックを調査するのかを決めました。大連理工大学の学生とはすぐに打ち解けることができ、現地に行くのが楽しみになりました。
事前学習の様子
オンラインで交流しています
大連に到着です。気温は千葉よりやや低く、少し乾燥している印象でした。
大連理工大学の学生が空港まで迎えに来てくれました!
この日のメインイベントは大連理工大学の学生との交流会と、食事会です。最初はみんな、不安感からか緊張している様子でしたが、大連理工大学の学生があたたかく歓迎してくれたおかげで緊張がほぐれ、笑顔で研修をスタートすることができました。1日目から様々な発見や交流があり、今後の研修が楽しみになりました!
グループで協力しながら、
楽しく交流することができました!
歓迎パーティーでは話をしながら火鍋を食べ、
交流が深まりました。
大連は海鮮がとても美味しくて有名です。
大連理工大学の学生にキャンパスを案内してもらいました。大連理工大学のキャンパス内には教室や食堂、コンビニのほか、スーパーマーケットや学生寮、宅配ボックスなどもあり、日本の大学とは規模が違いました。学生は皆キャンパス内に住んでいるそうで、日本との生活の違いを感じることができました。
大連理工大学校史館にて記念写真
この日は、キャノン大連の企業見学と、大連理工大学開発区キャンパスへ行きました。キャノン大連の企業見学では、日本と中国での仕事の進め方の違いなどを、日本から転勤してきた社員さんが話してくださりました。また、従業員のモチベーションを維持したり品質意識を高めたりする工夫を見ることができ、充実した時間となりました。大連理工大学開発区キャンパスでは、海底探査ロボットやAIによる顔認証システムの研究などを見学しました。多くの発見と学びがある一日でした。
キャノン大連の企業説明では
学生が積極的に質問をしました
大連理工大学開発区キャンパスで
AIによる顔認証システムを見学
この日は大連理工大学の学生とグループワークを行いました。現地でどのような中国社会を調査するのかトピックを決めました。大連理工大学の学生と積極的に意見を交わすことができ、有意義な時間となりました。
話し合いがとても盛り上がりました。
各グループ、実際に調査を行いました。学内で学生に声をかけてインタビューをしたり、実際にスーパーへ行って日本との違いを感じてみたり、グループごとに活動を行い、中国社会の一部を実際に感じることができました。日本では体験することができない貴重な体験となりました。
先生の引率で、中山広場、賓海路、北大橋、星海広場など、有名な観光スポットへ行ってきました。きれいな海が広がっていて、心がいっぱいになります。中国の大連駅と日本の上野駅はつくりが同じだとバスの運転手さんが話していて、関心を持ちました。このようなところからも、日本との繋がりが感じられます。
北大橋でパシャリ。
天気もよく、気持ちのいい一日になりました。
大連満鉄旧址陳列館前にて
大連新港にて
この日のランチ、とてもおいしかった!
この日は自由行動日です。大連理工大学の学生が様々な場所に連れて行ってくれました。動物園やゲームセンターなどへ行き、それぞれ楽しみました。
現地の学生と楽しむことができました。
大連の動物園にはパンダがいます。
とても可愛くて、見ているだけで癒やされます。
この日は、大連芸術学院を訪問しました。服飾・音楽・美術の3学部を見学しました。大学に入ると学生が制作した作品が並んでいて、まるで美術館にいるかのように、ワクワクしました。とても貴重な体験をすることができました。さらに、日本語専攻の学生との交流もあり、大連芸術学院の学生の考えを聞くこともできたため、とても有意義な時間になりました。
大連芸術学院校史館を見学
大連芸術学院美術学院を見学
大連理工大学の日本語の授業を見学しました。普段、日本語を教えている現場を見ることがないため、とても実りのある体験をすることができました。これをきっかけに日本語教員を目指す学生も出てくると思います。その点でも、意味のある体験となりました。
授業での一コマ。皆、熱心にメモをとりながら
授業を受けています。
日本語授業担当の先生と記念撮影
午後はSAP見学へ。SAPは、全世界の貿易の87%の創出に関わっている会社です。社員さんが講演をしてくださり、言語学習において、言語はツールの1つであること、つまり、自分の専門分野プラスαが必要だということを学ぶことができました。
SAP社訪問
SAPにて。皆一生懸命に社員さんの話を聞いています。
なるほどと思わされるお話でした。
この日は旅順を見学しました。日露戦争の時の遺跡がまだ残っていて、当時、中国でどのようなことが起こっていたのかを学ぶことができました。過去を変えることはできませんが、これからを担う社会の一員として、歴史を学ぶべきだと思いました。
水師営会見所。日露戦争の時には、
ここで日本軍とソ連軍が会談をしていたそうです。
旅順博物館を見学
午後は、パナソニックとアクセンチュアの見学に行きました。パナソニックでは、パナソニック家電が使われているモデルルームを見学しました。未来が楽しみになるような技術の詰まった、とてもワクワクする体験でした。アクセンチュアでは、生成AIの成長が著しい社会において、代替されないビジネスマンになるために、常にどのような経験が必要となるのか、社会へのアンテナを巡らせることが大切だと感じました。
この日は大連理工大学の異文化コミュニケーションの授業を体験しました。文化とは何か、自分とは異なる文化を持つ人とどのようにコミュニケーションをとっていくのかを学びました。国際大学に通っている私たちにとって、この授業の内容はとても大切なことだと思いました。
授業の内容と今までのコミュニケーションの体験が
つながっていくような授業でした。
帰国日です。12日間の研修で、大連理工大学の学生や大連芸術学院の学生との交流がありました。皆でディスカッションをして考えを深めたり、協力して現地調査をしたりして、貴重な体験をすることができたと思います。
バイバイ大連、また会う日まで
大連理工大学の学生と共同で現地を視察・調査した成果を発表しました。それぞれ「中国大学生の就職率調査」、「日中大学生の生活の相違」、「日中スーパーの相違」、「日中現役大学生の結婚観」、「日本と中国の食生活のスタイル」などのテーマで、実際に調査して、見たり感じたりしたことをまとめました。どの発表も素晴らしいもので、一緒に調査をした大連理工大学の学生とも深い交流ができました。
(文:国際人文学部国際文化学科 原田隼、石川亜美)