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比較文化専攻の学生が研究発表を行いました

比較文化専攻(博士後期課程)

2024.03.08

比較文化専攻(博士後期課程)の江学楗さん・周天舒さんが、日本語教育方法研究会でポスター発表を行いました

2024年3月3日(日)に、愛知大学(愛知県名古屋市)で開催された日本語教育方法研究会第62回研究会で、本学人文科学研究科比較文化専攻(博士後期課程)の江学楗さんと周天舒さんがポスター発表を行いました。江さんは「正統的周辺参加理論から捉える外国人児童生徒の日本語学習ビリーフ ―日本社会への参加プロセスから―」、周さんは「シンボリック相互作用論から捉える中国人日本語教師のビリーフ ―学習者との相互作用に焦点を当てて―」という題目で発表を行いました。お二人に研究会での発表を振り返ってもらいました。

江学楗さん

日本語教育方法研究会のポスター発表で、外国人児童生徒のビリーフを見出すために、文脈アプローチの視点から、実践共同体との相互作用を重視する正統的周辺参加論を理論的枠組みとしてインタビュー調査の結果を報告しました。具体的な結果として、対象者の児童生徒が持つビリーフは、主に学習方法と学習態度という2つの面から捉えられた一方、日本語が自然に成長できるという確信が日本語学習過程に貫いているということが分かりました。
さらに発表の中で、研究会参加者から調査対象者の学習経験が順調であるという点が指摘され、学習者の日本語学習経験は多様であり、さらに精緻化された比較を行わなければならないということを認識しました。さらに、正統的周辺参加の参加過程についての質問をいただき、質的分析方法を用いて、正統的周辺参加の参加過程を可視化する必要があるということに気づくことができました。今後は、データの可視化や、調査対象の多様さに向けて研究を行っていく予定です。
今回の発表では、城西国際大学の先生方をはじめとする他大学や教育機関からいらっしゃった研究者・教育実践者の方々たちとコミュニケーションをする中で、自分の研究について新たな気づきを得ることができました。成長を感じたとともに、とてもいい経験になりました。

周天舒さん

今回はシンボリック相互作用論を用いて中国人日本語教師のビリーフを見出すために、インタビュー調査を通して、中国人日本語教師は学習者の心理面や日本語学習状況を重視することに関するビリーフが見出されたということについて発表しました。
発表の場では参加者の方から「教師のビリーフの良さと悪さ」というような教師が出す行動に関するコメントをいただき、改めていくつかの疑問点に気づきました。また、参加者の方たちと一緒にポスターを見たり研究や実践などについて討論したりして、教育実践者の先生方と実践現場で自分自身の経験について交換しながら、自身の研究に対する視点が広がりました。今後はビリーフがどのように教師の行動に影響を与えているのかということに焦点を当てて考察を行っていく予定です。
今回の学会発表で、自分の研究について色々な指摘や意見をいただき、非常にいい経験になりました。指導教員や先生方々に心から感謝申し上げます。

ポスター発表をする江さん

ポスター発表をする周さん