This page does not support translation languages. ×

JIU30周年記念特別講演会に参加した国際交流学科生へのインタビュー

学生活動

2022.11.14

城西国際大学は今年で30周年を迎えました。それを記念して11月5日、JIUフェスティバル1日目に、スーダンで医療支援活動を行っている認定NPO法人ロシナンテス理事長の川原尚行さんの特別講演会が開催されました。

スーダンからリモートで講演してくださったロシナンテス理事長川原尚行さん

スーダンからリモートで講演してくださったロシナンテス理事長川原尚行さん

今回は、この講演会で学生の代表として質問を行った、国際交流学科3年の佐々木菜月さん、井上諒祐さんに話を聞きました。

―川原さんの話を聞いて、まず何を考えましたか?

佐々木 会場でも質問したのですが、生活や医療に使う水の確保の問題が心に残りました。私は高校のころ、オーストラリアにホームステイした経験があるのですが、オーストラリアでも水が貴重で「シャワーは5分まで」などと制限されていました。今回の講演会で、スーダンではさらに厳しい状況にあり、医療活動に必須のきれいな水が手に入りにくいこと、人々の生活用水も汲みに行くのに大変な時間がかかり、それが生活や教育に影響を与えていることを知り、とても考えさせられました。今自分たちは蛇口をひねればきれいな水が手に入るという環境で生活していますが、そのような「当たり前」が国際支援では通用しないこともあること、そうであるから医療支援であっても井戸の整備が活動に入ってくることを学べました。

井上 講演を聞いて、また実際に写真を見せてもらって、危険と隣り合わせで活動されているのに頭が下がりました。銃声が聞こえ、野生動物にも襲われる危険性があるなか、常に命を懸けて支援活動を行っている川原さんの姿に感銘を受けました。自分がやれと言われても心の準備が絶対に必要になります。その一方で、人との接し方については大きな勇気をもらいました。言葉の壁があっても、実践を通して、とくにそれを見せて示すことで、その壁を乗り越えていったというお話は、とても大きな学びでした。私も行動や経験を通じてわかりあっていくということを実践していきたいです。

客席から質問する井上さん

客席から質問する井上さん

―佐々木さんは当日、学生代表として登壇し質問を行いました。どのような経緯で選ばれたのでしょう?

佐々木 所属している川野ゼミが国際協力について学ぶゼミなので、そのなかから希望者が手を挙げて、最後は面接で選んでもらいました。どうやら壇上に上がっても物おじしない性格なのが良かったみたいです。でもほかの候補者より海外支援に関する知識が足りないと感じていたので、決まってからは事前勉強をがんばりました。

壇上から質問する佐々木さん

壇上から質問する佐々木さん

―井上さんも同じ川野ゼミに所属しているんですね。

井上 はい。ゼミ生は大学での研究だけではなく、ボランティア活動にも参加しています。

―川野ゼミでは具体的にどんな研究やボランティア活動を行っているのですか?

佐々木 私たちの学年では、食と貧困について取り上げています。現在はとくにフードロスの問題を取り上げ、ゼミ生がアルバイトしている飲食店での食料廃棄問題への取り組みを調査したりしています。
井上 夏休みには、新宿でNPOの活動に参加して配食活動を経験しました。

―ボランティアに参加して、どんなことを考えましたか?

井上 ホームレスの人たちが段ボールで暮らしているのを初めて目の当たりにして、「日本にもあるんだ」と思いました。ホームレス以外にも、外国人や高齢者、障害者など様々な人が配食を受けに来ていて、普段の街並みでは覆い隠されている困窮者の問題を深く認識しました。主催したNPOの人たちによると、その日は1日600人の利用があったそうです。コロナ前は1日70人前後だったので、急激に増加しているということでした。

―なぜこのような分野に興味を持ったのでしょう?

井上 人助けがしたかったんです。小さいころからいろんな人に助けてもらってきたという意識があります。それで今度は自分が人に手を差し伸べたかった。人間ってやはりつながりが大事だと思います。
佐々木 自分も困難な環境で育ったので、自分だったら困った状況の人を理解できたり、そのことを他の人に伝えられたりするんじゃないかと思ったんです。

―今回の講演会でスーダンから川原さんの話を直接聞いて、ゼミでの活動や将来について変わったところはありますか?

佐々木 日本の生活では、「病院に行けば診てもらえる」「薬をもらえる」のが当たり前ですが、そうではないところがあるということを学べたし、またそういう狭い「当たり前」という固定観念を持ってしまっていることにも気づかされました。
井上 先ほど述べたように、人との接し方です。ボランティア活動に対する姿勢も変わったと思います。

―将来はどんな道に進みたいですか?

井上 一般企業を考えていたのですが、今回の講演会を聞いて海外支援活動への想いが再燃しました。
佐々木 人を支える仕事のなかでも、華々しく表舞台で活躍するのではなく「縁の下の力持ち」のような仕事に就きたいです。

佐々木さん、井上さんもとても多くのことを学べたようです。国際交流学科では、このような実践的な学びの機会をこれからも提供していきます。