スーダンでの医療支援活動を現地から報告 NPO法人理事長の川原氏迎え特別講演会

30周年記念事業

2022.11.17

スクリーンに大きく映し出された川原尚行氏に、壇上から質問する国際系、医療・福祉系の学生

会場からも学生や一般来場者が次々に質問し、話題が広がりました

医療施設のない地域が多く存在するスーダンで巡回診療を続ける川原尚行氏(認定NPO法人「ロシナンテス」理事長)による特別講演会「世界とつながる」を11月5日、千葉東金キャンパスで開催しました。この講演会は本学創立30周年記念事業の一環として実施し、医療のプロを目指す学生たちが真剣な表情で耳を傾けていました。

 

医務官として外務省に入省した川原氏は、2002年に内戦中のスーダンに赴任しました。思うように援助活動ができず、苦しむ患者を救えない状況を目の当たりにした川原氏は、外務省を辞してロシナンテスを設立。現地での支援活動をスタートさせました。

 

スーダンの首都ハルツームからオンラインで出演した川原氏は、中継場所に青ナイル川に浮かぶ小島を選び、アフリカならではの景色を紹介してくださいました。広大な土地と豊かな川の流れがある一方で、飲料水をはじめとする社会インフラは未整備なスーダンで川原氏は、「医療支援だけでは問題は解決しない」と、地下水を汲み上げる設備や女子も学べる学校を作るなど、支援の幅を広げています。そこに至る過程で、スーダン政府からの活動停止命令をはじめ、多くの壁が立ちはだかりました。川原氏は「政府命令で1年間活動できなくなったおかげで、地元の人たちだけで運営できる体制を整えることができ、自立支援につながった。結果的に命令は却ってありがたかった」と、マイナスをプラスに変えた経験を語ってくださいました。

 

川原氏はさらに、ITを活用した新たな医療システムの導入にも取り組んでいることを紹介。デジタル母子手帳を普及させることによって、正確な人口の把握や的確な医療政策の実施に結び付けることまで視野に入れていることを説明しました。「人口増加が続くアフリカにおける健康情報の収集には各国が注目している。いずれデジタルヘルスをアフリカ全体で展開し、国民一人ひとりにも健康情報を届けられるようにしたい」と、意気込みを語りました。