This page does not support translation languages. ×

【学生広報スタッフ】学生映画祭入選作品を監督した学生を取材

学生活動

2025.05.08

私たち学生広報スタッフは、JIUの情報を学内外に学生目線で発信をしています。主に学生へのインタビューやイベントの取材をおこなっています。

学生広報スタッフ 宮田 光(経営情報学部4年)

 

メディア学部メディア情報学科映像芸術コース須藤俊太さん(写真:左 当時3年)が総合演習Dで制作した作品「縁切り屋」が、3月27日にTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)でおこなわれた第18回TOHOシネマズ学生映画祭のショートフィルム部門に入選しました。(指導教官:佐藤克則先生、中川寛崇先生) 
今回は須藤さんに作品を作り上げるまでの苦悩や工夫、今後の目標について取材しました。

撮影での苦悩と工夫そして「縁切り屋」について

「縁切り屋」という作品は、大学生の日常の中に、突然縁を切る謎の存在が現れて登場人物に近づき、関係の縁を切らせてくれたらお金をあげるよと誘惑し展開が広がっていく物語です。
脚本は10 回以上の書き直しをおこないました。自分の意見や先生方のアドバイスも入れ込みながら、約3週間かけて完成し、撮影と編集も含め3、4 カ月の制作期間で作品を作り上げました。キャストを決める際は、スタッフの学生にイメージを伝え、探してきてもらった方と直接会って物語の雰囲気に合っている人に決めました。監督として、スタッフとコミュニケーションをとるように心がけてはいたのですが、撮影の初日に、スタッフと衝突したこともありました。この作品の重要な部分を描いたシーンは、撮影がとても長引いてしまい一番大変でした。完成した映像を見ると、最初は外が明るかったのに、途中から暗くなっていました。妥協せず自分の意見を貫き通した結果なので満足しています。

作品について語る須藤さん

授業での学びから作品作り

履修した「総合演習B」と「総合演習C」という授業で、日活株式会社の日活調布撮影所に実際に行って現場の経験を積むことができました。その際、照明の中でも技師という担当となり、代表という立場になりました。助手の方たちとのコミュニケーションや的確な指示の仕方を学んだことや、監督の動き方を観察した経験を作品に繋げています。またこの授業では、実際に外部で活躍する現役のカメラマンの方や技術の方から、直接話を聞く機会があり、映画作りとは何かを教わりました。

将来の夢と目指したきっかけ

将来は、映画監督を目指しています。第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞の「侍タイムスリッパ―」という作品のようなインディーズ映画を撮りたいと考えています。大きなシアターから広まるのではなく、自主制作の単館上映から、口コミで徐々に広がっていき、ヒットするような作品を目指しています。
もともとテレビっ子で、ドラマや映画などで、監督は大きく名前が記載されている印象を受けており興味があったため、大学はメディア学部のある城西国際大学を選びました。大学2年生から自主制作を始め、監督という職業をしっかりと目指し始めたのは大学 3 年生の頃です。

入賞の感想と次回作への意気込み

自分たちが0からつくった作品が TOHO シネマズの大きなスクリーンで上映されたということが不思議な気持ちであり、素直に嬉しかったです。昨年、TOHOシネマズ学生映画祭で落選し、悔しい思いをしていたので、今回同映画祭に300作品近く応募があった中から自分たちの作品が選ばれたことは、すごく意味のあることだと思っています。次回作は、犯人が分からないミステリーに挑戦してみたいです。視聴者が犯人は誰だと考察するような作品をつくりたいです。

映画祭当日、駆けつけてくれた学生たちとの記念撮影

授業を担当した佐藤克則先生からのコメント

須藤さんチームの入選はとても嬉しいです。今回の制作でとくに力をいれたのは、ストーリーのアイデアと脚本でした。須藤さんチームは映画祭の傾向などを分析し、それにあったアイデアを多数だしたうえで「縁切り屋」という職業を創作しました。さらにそこからストーリーを練り、脚本制作は10回以上の修正をしています。修正において最も難関だったのはオチの部分だったと思います。今回は娯楽的な要素が強く、短編作品ということもあって、オチが綺麗に決まるかどうかはとても重要でした。オチのパターンは無数にあるので、沼にはまるようにうまくいかないときもありましたが、諦めることなく、良いオチになるよう考え続けた結果、すばらしい終着点を見つけたと思います。そうした執念が作品に力を与えており、今回の入選に繋がっているのではないかと思います。次は卒業制作を監督する予定ですが、それも頑張ってほしいです。

授業を担当した中川寛崇先生からのコメント

私が学生の時に自主制作した作品が、第10回TOHO シネマズ学生映画祭の準グランプリとなった経験から、授業でコンペに出してみようという企画に初めて取り組みました。初の取り組みで、入賞するとは正直思っていなかったです。非常にレベルの高い映画祭で、映画を作る学生たちならば皆知っているコンペだったので、無理難題かなと思っていました。しかし須藤さんから「入賞しました」というあっさりとした返事がきたので驚きましたが、指導をした学生だったので、素直に嬉しかったです。劇場で見て、たくさんの作品がある中で、彼の作品を見た時に良いところを狙えるんじゃないか思いました。ドラマとしてちゃんとストーリーが最初から最後まで描き切れているし、技術面など課題はありますが、思いを伝えるっていうところでは 1 番ストレートに表現できていた作品が須藤監督のものだったと思いました。他の学生たちの作品も刺激になったと思うので、吸収して活かしたり、さまざまなコンペに挑戦したりして欲しいです。今年のTOHOシネマズ学生映画祭にはあらためて挑戦して欲しいです。