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ホタルが舞う谷津田を未来へ 地域と学生が守る里山の光

学部学科

2025.07.16

谷津田周辺の整備をする学生

整備に使用する木を加工

 

経営情報学部総合経営学科の国武陽子教授と学生は山武市観光協会と協力し、山武市早船地区の里山でホタル観賞が楽しめるようにと、谷津田や水路を整備する環境保護活動「ホタルが住める⾕津⽥を活⽤した地域の魅⼒再⽣」を今年度からスタートしました。

 

山武市早船地区の里山は、昭和30年代頃までは丁寧に整備された美しい里山でしたが、開発計画のとん挫や森林の管理者の高齢化などから次第に人の手が入らなくなりました。また、10年ほど前から水田の耕作放棄に加え、谷津田と森林を遮断する道ができ、水田と森林のつながりがきれることで谷津田が乾燥し、生き物の生息環境が脅かされている現状があります。森林部は地元の方々が長年整備を続け今はきれいに管理されていますが、一方谷津田部のかつての水場はほぼ失われてしまいました。
国武教授は13年前より学生たちとともに生物調査を実施し、ゲンジボタルとヘイケボタル、クロマドボタルなどのホタルやその他多くの水生生物が生息していることを明らかにしてきましたが、このままでは多くの生物がいなくなってしまうと警鐘をならしていました。
今回の取り組みは「里山を整備し、ホタルを増やすとともに、早船地区の自然を生かしたエコツーリズムを促進したい」と山武市観光協会とさんむアクションミュージアムが取り組みをはじめ、国武教授や学生がそれに協力する形で実現しました。
この取り組みは全学部共通基盤科目「域学共創プロジェクト」と国武ゼミが協働しながら進めています。

 

学生と水路整備を進める国武教授(左)と学生

制作中の水路

5月、6月に里山整備の作業をおこない、ホタルが生息できるようにするための水路や、鑑賞会に来る方が歩きやすくなるような木道の整備を進めました。7月6日に山武市観光協会主催で開催された鑑賞会には50人の一般参加がありました。当日は学生10人が参加し、受付や会場までの道案内など、鑑賞会の運営をサポート。国武教授によるホタルの生態に関するレクチャーもあり、参加者は興味深く聞き入っていました。
地元の方々と学生たちの整備が身を結び、観察会当日には優しい光を点滅させながら飛び交うホタルの姿を観ることができました。単なる環境整備にとどまらず、周辺地域の貴重な自然を守るために、地域で起こる課題解決に向けて活動を続けます。

鑑賞会でホタルに関するレクチャーをする国武教授(右)

鑑賞会当日の谷津田